仕事を分散するタイミング
独立して事業を始めるときには、まずは一人でやってみるという場合も多いでしょう。
最初から規模の拡大を求めていなかったり、とりあえずスタートすることを優先するためであったり、理由は様々です。
その後、事業を継続していく中で、仕事を分散するかどうかという問題に直面することがあります。
仕事をして売上をあげる
独立して事業をしようと思う時には、自分の理想や目標を掲げているものでしょう。
そうしたものがないと、リスクを背負ってまで独立するというのは難しいのかもしれません。
しかしながら、同じぐらい生活していくということも大事に考えているものです。
夢や希望はないですが、日々の暮らしのためのお金を稼ぐことが必須になります。
そのためには、売上をあげていくしかありません。
会社などの組織に属していた時に、働き過ぎて心身に異常を感じ始めたので、そうした働き方はしない。
そういった場合で、無理して仕事をすることは目指していなくても、独立して事業を始めたからには、売上をあげるために仕事をすることは避けられません。
特に、事業を始めた当初というのは、いきなり十分な売上があがるということは稀で、段々と売上を増やしていくことを目指していることがほとんどです。
拡大して儲けるという以前に、最低限必要なお金を稼げるようになるための段階を踏む必要があります。
いくら無理して働き過ぎない、と思っていても、生活に困るようであれば、本末転倒でしょう。
無我夢中でも、冷静に計画的にでも、がむしゃらに働く時期というのは必要だと思っています。
がむしゃらに働くべき、なんて言ってしまうと、今の時代にそぐわない古い考え方だと思われるかもしれません。
確かに、がむしゃらに働くということを、プライベートを犠牲にして朝から晩まで働き続ける、という意味合いで捉えるなら、今の時代にはそぐわないでしょう。
しかしながら、がむしゃらに働くというのは、犠牲にしたことや掛けた時間とは関係ないと思っています。
長くても短くても、仕事をしている時間にしっかり向き合って、力を注ぐということが大事なのかなと。
時間だけ長くても、ダラダラと惰性で過ごしていれば、効率が悪くなるだけでしょう。
そういった意味で、がむしゃらに働いて、売上をあげる期間というのは避けて通れないと思っています。
何もせずに売上があがる?
売上をあげるために、必ずしも自分一人で全てを行う必要はありません。
場合によっては、自分の名前や屋号で、代わりに仕事をしてもらうことで、売上をあげることも出来ます。
一般的には、こちらの方が馴染みがあるかもしれません。
自分のお店で、自分が考えたモノやサービスを提供しているが、他の人に日々の運営は任せている。
自分が処理する仕事を他の人に任せている。
極端に言えば、自分が手を動かさなくても、売上があがるというところでしょうか。
経営者の方であれば、こうした方向性というのは目指すべき形なのかもしれません。
しかしながら、本当に何もせずに売上はあがらないものです。
いやいや、お店を人に任せて、自分は何もしていないから、売上をあげることは出来るでしょう、と思われるかもしれません。
毎日お店に行ったり、店頭に立ったりするなど、分かり易い形で仕事をしていなくても、間接的に関わっているということは多くあるものです。
日々の売上や月次損益の報告を受けている。
それだけでは、そんなに労力は要らないのかもしれません。
しかしながら、報告を受けた内容について、疑問点をぶつけてみたり、改善点を考えてみたり、これからの方向性を考えることもあるでしょう。
場合によっては、直接関わることよりも労力が必要なこともあります。
単に、自分が処理する仕事を人に任せるだけでも、進捗の確認であったり、内容のチェックなども必要になります。
本当の意味での不労所得というのは実現が難しいもので、何もせずに売上をあげるということはないのかなと思っています。
仕事を分散するタイミング
仕事を一人で完結するにしても、分散するにしても、1人1人に割り当てられた時間は限られています。
もちろん、1日の時間の使い方は人それぞれですが、24時間という限度があります。
今の仕事量であれば、1日6時間を仕事の時間に当てれば処理出来ている場合。
順調に仕事が増えてきて、仕事の時間が1日6時間では処理出来ない時にどうするか。
仕事の時間を1日8時間に増やす?
仕事を分散して仕事の時間を1日7時間に抑える?
仕事のやり方を見直して、元々の仕事の時間を1日5時間に圧縮する?
色んな方法が考えられますが、唯一の正解はありません。
自分にとって、何を一番大事にしたいかが重要になるでしょう。
仕事の時間を増やさないことを第一に考えるのであれば、仕事の時間を増やすことは選択肢に入りません。
その時には、今の仕事の時間で生活出来るだけの稼ぎがあることが前提条件となります。
足りないのであれば、がむしゃらに働くしかありません。
それが心身に多くの負担を掛けるのであれば、仕事の内容を見直す必要があるでしょう。
仕事を分散したからといって、仕事がゼロになることはありません。
仕事を分散することを前提とするのではなく、こうしたことを考え始めたときこそ、仕事を分散するタイミングではないかなと思っています。
おわりに
どこまで自分一人でやるか、というお話はよく見聞きするところです。本当に忙しくなってしまうと、身動きが取れなくなるので、思い立った時に実行するのが得策かなと思っています。
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この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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