新しいシステムや技術があるから勉強や仕事が思うように進むわけでもなく

親という立場で、改めて受験というものに触れみると、大変なことなんだと改めて実感しています。

学校や塾から発信される情報も、新しいシステムや技術を駆使して、膨大な情報量をコンパクトにまとめる工夫がなされており、まさにプレゼンを受けているような感覚です。

日々新しいシステムや技術が出て来て、世の中便利になっているのだから、勉強しやすい環境になっているのだろうか?

時々ふと思うことがあります。

勉強のためのツール

今と昔を比べて、良くなったこと、悪くなったこと、というのはそれぞれあるでしょう。

主観の問題でもあるので、一概には言い切れない部分はありますが。

私自身は、大量の情報を手軽に持ち歩けるようになったというのは、良くなったことなのかなと思っています。

昔であれば、図書館で1日こもって勉強するために、必要だと思われるテキストや問題集をとにかく片っ端からカバンに詰めて持っていく。

もしかしたら、要らないかもというものでも、やっぱり持って来たら良かったと後悔するのは嫌なので、その量は思ったよりも多くなっていました。

それが、今であればどうか。

紙のテキストや問題集というのは、なくなったわけではないですが、データで持ち歩くということは可能です。

自分の子供の様子しか分かりませんが、テキストや問題集などが公式にデータで提供されているわけではないようですが、スマホで必要な部分を写真で撮っておくということは出来ます。

それだけでもデータを持ち歩いていると言えるでしょう。

場合によっては、自分で利用するためだけに、テキストや問題集などを全てスキャンしてデータ化しておくということも出来ます。

それをスマホやタブレットで見れるようにしておけば、場所を選ばず、いつでもどこでも勉強出来る状況となれる。

ちょっとした待ち時間や空き時間が出来た時に、サッと確認できる。

私が子供の頃にはなかったことです。

小さな単語帳を持ち歩くことなどはありましたが、いつも持ち歩いているわけでもなく。

家にある、学校にある、ということがほとんど。

今空き時間あるな、でも〇〇ないから〇〇の勉強出来ないか・・・、と諦めたこともありました。

学習アプリをスマホやタブレットで利用していれば、自分の間違いやすいポイントやウィークポイントの傾向を掴めたりして、より効率的に勉強を進めることが出来たり。

こうして考えてみると、勉強がしやすい状況になっている面はあるのかなと。

仕事で考えてみても

こうした状況というのは、勉強だけでなく、仕事においても同じように感じることがあります。

税理士業界で仕事をするようになった当初は、仕訳入力というのは一連の業務の主要な部分でした。

通帳に記帳された入出金を「日付・勘定科目・金額・摘要」として一つ一つ入力していく。

もちろん、一つ一つの「仕訳」自体の重要性というのは今も変わらないものです。

ただ、「入力」という工程自体にはあまり重きを置かないようになってきているようです。

通帳のデータを直接会計ソフトに取り込む。

クラウド会計の機能として重宝されている部分です。

そうして、「日付・金額・摘要」は自動で入力されている。

「摘要」や「金額」などからパターンを学習させて、「勘定科目」も自動で入力出来るものを増やしていく。

数が多ければ多いほど、その効果は絶大で、手動で1つ1つ入力していくよりも、かかる時間は少なくなります。

直接会計ソフトに取り込むことをしなくても、通帳のデータを加工しやすいCSV形式のデータなどでダウンロードすることが出来れば、そこから会計ソフトに取り込める形式に整えて、手動でデータを取り込むことも出来ます。

得られる効果は、自動で取り込む場合とそんなに変わりません。

最近では、紙の通帳をスキャンすることで、文字情報などを読み取り、自動で仕訳入力出来るというシステムも普及してきています。

入り口が違うだけで、最終的にはデータを会計ソフトに取り込んで、自動で仕訳入力するという目的はほとんど同じなので、色んな選択肢が出てきたなというところです。

やるかやらないか

こうした新しいシステムや技術を使えば、ストレスなく勉強や仕事が出来るのではないか。

いつも期待してしまう自分がいます。

そう上手くいくわけない。

それもまたいつも思うところです。

勉強しやすい環境が整っていたとして、それで自動的に内容が頭に入ってくるわけではありません。

何を勉強しなければいけないのか、どこまで勉強しなければいけないのか。

学校や塾などで傾向や目安を教えてもらうことは出来ますが、少なくとも区切りは自分で決める必要があります。

こうしたらテストで点が取れる、合格出来る、といったことはいくらでも教えてもらえます。

そのための方法論であったり、課題や問題点なども適宜教えてもらうことも出来ます。

前項の仕事における仕訳入力についても、通帳データを直接取り込むだけでなく、勘定科目の類推の精度などもどんどん上がってくるでしょう。

紙の通帳をスキャンで読み込んで文字情報にするというのも、今は数字が上手く読み取れないことがあっても、どんどん精度が上がってくるでしょう。

そうした新しいシステムや技術の進化は喜んで受け入れるべきものであり、否定だけしていては、自分のためになるかもしれないことを自ら放棄しているようなものです。

ただ、そうした表面的な情報に踊らされるのは避けたいところです。

こういうことがしたい。

そのためにはこういうやり方がある。

それはこれを使えば出来る。

自分に選択肢なんてない、やらざるを得ない状況だってあるものでしょう。

それでも、やるかやらないかを決めるのは自分であり、どちらにしても覚悟は必要となります。

覚悟の責任は自分にしか取れないものだからこそ、手動で決めておきたいところです。

おわりに

ラクをしたいわけではないはずなのに、いつの間にかラクすることが目的になっていることがあります。

全員がラクになればいいのですが、なかなかそうならないのが難しいところです。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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