売掛金や未払金を立てる意味合い
事業の損益を計算する上で、簡単な方法としては、入金と出金をベースにする方法があります。
いわゆる現金主義というもの。
結局のところ、お金が残らなければ事業としての儲けはないので、一つの目安にはなります。
それに対して、取引が発生した時点で損益を認識していくというのがいわゆる発生主義というもの。
お金の入金や出金がまだでも、損益を認識していくことになります。
そこで、出てくるのが売掛金や未払金などの科目です。
発生主義のキホン
7月2日にA社への売上が100あり、現金で受け取った。
この場合の仕訳は、
7/2 現金 100 / 売上 100
となり、特に迷うところはありません。
これが、
7月2日にA社への売上が100あり、翌月8月1日に現金で受け取った。
となった場合には、
7/2 売掛金 100 / 売上 100
8/1 現金 100 / 売掛金 100
とするのが一般的です。
これを入金ベースで考えれば、
8/1 現金 100 / 売上 100
となります。
7~8月合計の損益で考えれば、売上100は変わりませんが、単月でみれば、発生主義と現金主義とでは損益が変わってきます。
発生主義なら、7月の売上は100、8月の売上はゼロ。
現金主義なら、7月の売上は100、8月の売上は100。
一般的な税務会計の考え方では、発生主義とするのが基本であり、現金主義はあくまで例外。
それは、適正な期間損益を把握するためなどの意味合いがありますが、入金がなかったら売上はゼロだろうという理屈も分からなくはありません。
考え方を理解するのも大事ですが、実務的な目線で考えるのもまた有用です。
漏れがないか
売上を入金ベースで考えていく場合、入金がなければ売上はゼロです。
商品やサービスを提供して、請求書を出しているのに、入金がなければ、売上はゼロ。
普通に考えて、正常な取引ではありません。
もちろん、広告宣伝の意味合いがあるなど、戦略的に代金をもらわないという選択をする場合もあるでしょう。
そうした場合を除いて、入金がない。
しかしながら、入金がないという事実が分かっていれば、相手に確認することは出来ます。
意図的かどうかは別として、次のアクションを起こすことが出来ます。
もちろん、会社に経理担当など入金のチェックをしている人がいれば、定期的にチェックをしているので、こうした問題は起きにくいものでしょう。
しかしながら、比較的小規模な事業者で、ひとりで管理していて、入金を売上としている場合には、こうしたチェックが働かないことがあります。
ある程度は、どこに請求していて、いつ入金されるかを把握していることもあるでしょうが、細かいところまでとなると限界があります。
そうすると、漏れが出てくるのは仕方のないところです。
でも、こうした小さな漏れが積み上がってくると、徐々に事業に影響を及ぼしてきます。
こんなに忙しいのに儲けが思った程にはない。
もしかしたら、こうした積み重ねの結果なのかもしれません。
少なくとも、請求書を出した時点で、売上を計上していれば、売掛金という形で未回収の金額が記録として残ります。
それが問題なく回収出来ているということを確認するだけでも、意味はあるのかなと。
ミスがないか
入金・出金自体が漏れているというのはあり得るとしても、そんなに頻度は多くないはず。
さすがにそんなに忘れることはない。
しかしながら、入金・出金自体はあっても、その金額が必ずしも合っているとは限りません。
もらった請求書よりも多く支払っている。
送った請求書よりも入金額が少ない。
・・・
そうした間違いは、結構あるものです。
昔だったらいざしらず、システム化などが進んでいる今ではそんなことはないのでは?
確かに、そうした間違いは以前に比べれば減っているのかもしれません。
でも、どこかしらでエラーは起こっているもの。
そういった事例は今でもチラホラ見掛けます。
ほとんどはヒューマンエラーですが、たまにはシステムエラーが原因のことも。
どちらにしても、チェックが重要ということは間違いありません。
チェックして間違いを見付けるというよりも、合っているというチェックを続けるというところでしょうか。
一度ミスを見逃してしまうと、システム化されているからこそ、そのミスを見付けるのがより難しくなります。
チェックといっても、そんなに難しいことをするわけではありません。
売上の請求書を出したら、
売掛金 / 売上
を計上して、その入金があれば、
預金 / 売掛金
を計上して、売掛金の回収がきちんと出来ているかを確認する。
経費の請求書をもらったら、
経費 / 未払金
を計上して、その支払いがあれば、
未払金 / 預金
を計上して、未払金の支払がきちんと出来ているかを確認する。
特に、経費については、細かい領収書などまでとなると煩雑になるので、請求書があるものや振込をするものなど、その範囲は絞る必要はありますが。
おわりに
そんなに大きな規模でしているわけではないので・・・。
よく見聞きするお話しですが、なかなか細かいところまで把握するのは難しいものです。だからこそ、色んなツールで保険を掛けておきたいところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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