給与計算に掛けるコストの考え方
無駄なコストを掛けないようにする。
事業をしている中でも、常に意識しておきたいところです。
しかしながら、無駄かどうかの判断は難しいもの。
先日、給与計算には出来るだけコストを掛けないようにしたいというお話を見聞きすることがありました。
給与計算を自前で
事業をするのに、従業員を雇用して、給与を支払う。
給与を支払うためには、一定のルールに基づいて、給与計算を行う必要があります。
例えば、こんな給与明細だった場合。
結果としての明細自体は、そんなに複雑なものではありませんが、給与計算の作成にはある程度の時間は掛かるものです。
基本給・・・変更がないかの確認
諸手当・・・変更がないかの確認
交通費・・・変更がないかの確認
健康保険料・・・改定がないかの確認
厚生年金保険料・・・改定がないかの確認
所得税・・・源泉徴収額の計算
住民税・・・天引き額の確認
ざっくり言えば、こんなところですが、手書きで給与明細を作成している場合には、一つ一つ確認する必要があります。
Excelなどの表計算ソフトを使っていればどうか。
前月の給与明細のデータをコピーして利用すれば、入力の手間は省けますし、足し算引き算などの計算を間違えることはないでしょう。
しかしながら、変更の確認などは一つ一つ行う必要があります。
上記の給与明細はExcelで作成していますが、控除項目を一つ一つ確認していったので、10分程は掛かりました。
慣れればもっと早くなるでしょうが、それでも最低でも5分程は掛かるでしょう。
これが1人分なら掛かる時間はそんなに多くはないですが、10人20人と増えれば、その影響は大きくなります。
スムーズに進めばいいのですが、ミスなどイレギュラーなことが起こると、そのリカバリーにもっと時間が掛かることになります。
関連する処理など
給与計算を行っている場合、それだけで処理が完結するわけではありません。
給与計算の情報を元に、関連する処理を行う必要があります。
例えば、年末調整。
年末調整は、ざっくり言えば、年間の給与収入から年間所得税を計算して源泉徴収された税額との差額を精算するというもの。
その考え方のイメージについては、別の記事でも取り上げています。
年末調整では、源泉徴収簿を作成する必要がありますが、それは毎月の給与明細の金額がベースとなります。
国税庁ホームページ
令和5年分 年末調整のしかた
1 源泉徴収簿を使用した年末調整の順序 PDF/5,240KB
他にも、退職者に発行する源泉徴収票や社会保険の手続きに必要な賃金台帳なども、毎月の給与明細がベースになっています。
これらの関連する処理を、給与計算とは別で作成するとなれば、それなりに手間暇が掛かるものです。
時給で考える
給与計算にコストを掛けるといえば、まずシステムの導入が考えられます。
必要なものであれば、コストを掛けるべきとも考えられますが、なかなか腰が重くなりがちという印象があります。
それは、直接売上などの収益に繋がるものではないということがあるのかもしれません。
例えば、以前利用したことがあるソフトの価格であれば、こんな感じです。
EPSONホームページ
Weplat 給与応援 R4
年間に掛かるコストであり、高いのか安いのかはそれぞれの判断になりますが、コストが掛かるのは間違いありません。
今は自前のExcelで給与計算をしているのだから、コスト増になってしまう。
そう考えると、システムを導入するのに躊躇されるかもしれません。
しかしながら、本当にコストが掛かっていないかは確認しておく必要があります。
例えば、10人分の給与計算を自前のExcelで行っている。
・給与明細作成
・賃金台帳作成
を行うとして、毎月10分/人掛かっている。
10人で100分です。
この毎月10分/人ですが、前月から金額等の変更がない場合でも、自前のExcelであれば確認などで最低限掛けておきたいところです。
しかしながら、コストを掛けて給与計算システムを導入すれば、時間の短縮は可能です。
もちろんシステムによって掛かる時間は変わってきますが、自前のExcelよりも時間が掛かるというのは考えにくいかなと。
そして、一番大きいのは、単純なミスの発生をシステムで防げるということ。
所得税の計算をするのを忘れて、前月と同じ金額のままだった。
雇用保険料を引くのを忘れていた。
・・・
こうしたミスが起こった場合に、時間が掛かるのは、ミスの特定とその修正方法を考えること。
下手したら、給与計算に掛かる時間の何倍も掛かることもあります。
それらの掛かった時間には、時給換算したコストが掛かっています。
もしかしたら、その分他の業務の時間が削られてしまっているかもしれません。
そのコストはシステムに掛かるコストと比べて高いのか安いのか。
そうした視点で考えるのも有用なものです。
おわりに
場合によっては、こちらで給与計算システムのコストを負担する。
それぐらい時間に対するコストが重要な場合もあるものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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