事業用に口座・クレジットカードを分けた方がいいのか
個人で事業をされている方から、よく聞かれる質問として、事業用に口座・クレジットカードを分けた方がいいのか、というものがあります。
先日も、スポット相談としてお受けしている、単発税務サポートでもご質問いただきました。
唯一の正解というのはないですが、基本的な考え方は押さえておきたいところです。
どちらでも特に問題ない
こう言ってしまうと、元も子もないですが、どちらでも特に問題ありません。
最終的には、事業の状況が把握できればいい、というのが基本的な考え方だからです。
事業の状況といえば、まずは数値的な指標というのが挙げられます。
いわゆる損益計算書や貸借対照表と呼ばれるものです。
利益が出ているのか。
資金は残っているのか。
ざっくりいえば、こんなところでしょうか。
こんなイメージです。
その時に、重要なのは、事業に係る取引が区分けされていることであって、口座やクレジットカードが分かれているかというのは、そこまで重要ではありません。
ただ、区分けする時に、そこに係る手間暇などは考えておく必要があります。
口座を事業用に分ける分けない
口座を事業用に分ける方法としては、大まかに2つの方法が考えられます。
①新たに事業用の口座を作る。
②既存の口座を事業用として使うようにする。
①であれば、運用方法としては、シンプルです。
残高ゼロからのスタートなので、売上があがる前に、事業に係る支払が必要であれば、プライベートの口座からお金を入れることになります。
そこから、事業に係る支払いをしながら、売上があがれば入金があり、残高が増える。
そこからまた事業用に係る支払いをしていく。
そうして、事業の入出金が続いていくことになります。
事業が軌道に乗ってくれば、そこから個人の生活費などとして、プライベートの口座にお金を移していく。
事業用の口座に残ったお金が事業としてのもうけの残り。
経費などの支払のタイミングなどもあるので、決して正確ではありませんが、大まかな傾向としては合っているのかなと。
利益は出ているのに、お金が残らない。
よく見聞きするお話ではあり、原因は様々ではありますが、事業で利益が出ているのであれば、それ以上にプライベートでお金を使っていることが多いかなと。
これが、口座を事業用と分けないとなると、よりプライベートの支出と混在していくことになります。
もちろん、それで直ちに問題になるわけではありません。
9/1 10,000円 振込
9/2 5,000円 入金
・・・
こうした口座明細をそれぞれ事業用かプライベートかに区分けしていくことになります。
特に手間暇が掛かるわけではないのであれば、問題ないでしょう。
ただ、これが月の明細が100あって、10が事業用で、90がプライベートの場合はどうか。
事業用の口座であれば、10明細で済むところを、プライベートの90も処理する必要があります。
もちろん、クラウド会計などで、口座明細の情報を自動取込などしていれば、一から手入力するよりも手間暇は少なくて済むかもしれません。
しかしながら、プライベートの90という処理は確実にし続ける必要があります。
この数が増えていった時に、手間暇はどうなるか。
その辺りの線引きで、事業用に口座を分ける分けないという判断を行っておくことになります。
クレジットカードを事業用に分ける分けない
クレジットカードを事業用に分ける分けないというのも、基本的には口座の場合の判断方法と同じです。
9/1 3,000円 A店
9/2 1,000円 ETC
・・・
明細の数が少なければ、特に問題にはなりませんが、その数が増えてくれば、手間暇が増えてくることが予想されます。
これまた口座の明細と同様に、クラウド会計などで、クレジットカード明細の情報を自動取込などしていれば、一から手入力するよりも手間暇は少なくて済みますが、完全になくなるわけではありません。
使い方にもよりますが、クレジットカードでの決済というのは、比較的少額でも決済し易くなってきたため、その数は口座からの振込や振替に比べると多くなる傾向があります。
そうすると、さらに手間暇が掛かる感覚になり易くなるもの。
また、プライベートの明細が多くなると、プライベートの支出が分散されて、把握しにくくなるという声をお聞きすることがあります。
事業用の口座からプライベートの口座にお金を移すというのは、まとまった金額であれば、後からでも把握しやすいもの。
間接的にプライベートの支出をしているというのは、よくあることです。
ポイントの兼ね合いなどもあるかもしれませんが、ある程度の取引数になるのであれば、ざっくりでもクレジットカードの使い分けから始めるというのも一つの方法です。
おわりに
実務的には、イレギュラーなことが結構起こるものなので、きっちり事業用に区分けすることは難しいかもしれませんが、大まかな使い分けはしておいた方が有用です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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