会計仕訳の自動化はメンテナンスも含めて考える
「仕訳をきる」という言葉からは、紙の伝票に手書きで会計仕訳を記入するというイメージが強いかもしれません。
2024年9月3日現在でも、「仕訳をきる」という言葉自体は使うことはありますが、その意味合いは変わってきています。
会計ソフトを利用するようになって、紙の伝票を使う機会というのは減りましたが、クラウド会計が出てきてからは、より効率的な方法として、口座明細情報の取り込みなど会計仕訳の自動化が進むようになってきました。
それ自体は、大きな流れとして推進していきたいところですが、表面上の便利さだけでなく、日々のメンテナンスも含めて考えていきたいところです。
私自身も、その便利さに有難みを感じながら、日々のメンテナンスに思わぬ苦戦を強いられることもあります。
自動仕訳ルールの見直し
クラウド会計にもいくつか種類がありますが、マネーフォワードのクラウド会計を利用することがあります。
便利な機能の一つとして、銀行やクレジットカード明細の自動取得があります。
マネーフォワード クラウド会計
銀行・金融サービスと連携できる会計ソフト
もちろん、マネーフォワードだけでなく、他のクラウド会計システムでも同じような機能が利用出来ます。
最近では、既存の会計ソフトでも、同じような機能が使えるものが増えてきています。
明細データを一つ一つ入力することなく自動で取込めるだけでも便利ですが、ルールを覚えさせることで自動で仕訳を設定することもできます。
マネーフォワード クラウド会計使い方ガイド
STEP4.自動仕訳ルールを活用する
取込んだ明細を登録する際に、勘定科目等を登録しておけば、次に同じ摘要の明細を取り込む時には、設定したルールに基づいて会計仕訳が初期表示されるようになります。
それで問題なければ、そのまま登録すれば、会計仕訳を確定することができます。
設定するルールを一から作成することもできます。
上記の例であれば、「りそな銀行」からの出金で、摘要に「カ)サンプル」とあれば、
消耗品費 / りそな銀行 XXX ㈱サンプル 文房具
という会計仕訳が自動で初期表示されるということになります。
もちろん便利な機能であり、
取込
↓
確認
↓
登録
というステップで、特に修正することがなければ、すぐに処理が終わります。
ただ、たまに取り込まれる摘要の仕様などが変わることがあり、その時には改めて自動仕訳ルールの設定を見直す必要があります。
そんなのすぐ終わるのでは?と思われるかもしれませんが、確認だけの処理に慣れていると、そこに時間を掛ける予定ではないため、思わぬ手間が掛かってしまうことも。
せっかく効率的な処理が出来ていたのに・・・。
こうした日々のメンテナンスも含めての便利さと考えることが大事なのかなと。
自動取込ができない期間
前項で取り上げた取込データの摘要などの仕様変更によるメンテナンスもある程度時間が掛かるものですが、こちらのさじ加減によるところが大きいかなと。
設定の変更の仕方を覚えていれば、パパっと終わらすこともできます。
しかしながら、取込元のシステムの変更が大掛かりな場合には、取込自体ができないことがあります。
マネーフォワードであれば、メンテナンス中の情報は、下記のように随時公開されています。
マネーフォワード クラウドサポート
現在メンテナンス中のデータ連携サービス
改修予定日などの情報はないので、ひたすら待つしかありません。
数日ぐらいのものであれば、処理する日をズラせばいいのですが、何週間もとなると対応方法を考える必要があります。
私自身も、以前アメリカン・エキスプレスカードの取込ができない期間が数週間程あり、その対応を考えることがありました。
これ以上長引くようなら、処理が溜まってしまうので、自動取込ではなく、カード会社のWebページから直接CSV形式のデータをダウンロードして、マネーフォワードに取り込む方法で進めようかなと思っていました。
結果的には、その後すぐに自動取込が出来るようになったので、まとめて取り込んで処理することになったのですが、毎日処理していたことを考えると、時間のロスがあったかなと。
それもまたメンテンナスとして必要な処理であり、それでも効率化が出来ているかを考えることが大事なのかなと。
取込用のCSVデータの形式が変わる
クラウド会計の口座明細などの自動取込だけでなく、ネットバンキングなどのサイトからCSV形式のデータをダウンロードして利用することもあります。
ダウンロードしたデータをそのまま会計ソフトなどに取り込める場合もありますが、少し加工が必要な場合もあります。
その時に利用しているのが、仕訳変換ソフトの「HAYAWAZA」。
簡単にいえば、
Excelなどのデータ
↓
仕訳ソフトに取り込めるデータ
↓
会計ソフト等に取込
という流れなので、処理が問題なく進めば、サクッと終わります。
最初に、変換する条件などの設定が必要ではありますが。
ここでも、大元の取り込むExcelなどのデータの仕様が変われば、設定変更などのメンテナンスが必要となります。
最初に一気に設定して、その後は設定画面を触っていないなどであれば、思ったよりもメンテナンスに時間が掛かることも。
その間は処理がストップしてしまうので、焦りも出てくるものです。
しかしながら、こうしたメンテナンスもまた処理の一部と考えて、トータルの時間で考えることが大事なのかなと思っています。
おわりに
便利なモノはどんどん利用していくべきだというのが大前提ではあります。
ただ、その便利さのみに目を向けるのではなく、日々のメンテナンスをより意識しておきたいものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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