経理処理を見据えた支払手段の選び方
事業をしているとお金を支払う場面というのが多く出てきます。
仕入代金、備品の購入、打合せ時の飲み物代などなど。
具体的に挙げていけばキリがありません。
そして、支払いが発生した時には、どうやって支払うかを毎回選ぶ必要があります。
多様な支払手段がある中で何を選ぶか。
正解があるわけではありませんが、経理処理を見据えて選ぶというのも一つの方法です。
多様な支払手段
2024年10月8日現在、大まかな支払手段としては、
現金
振込
クレジットカード決済
電子決済
が挙げられるでしょうか。
こうした区分は、納税手段にも反映されてきており、国税の納付方法にも対応されてきています。
国税庁ホームページ
G-2 国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)
キャッシュレス決済が浸透してきてはいますが、現金での支払いというのはまだまだ残っていて、馴染みが深い支払手段となっています。
現金以外にも、銀行などの金融機関で口座を持っていれば、振込を選ぶことも多いでしょう。
昔であれば、クレジットカードを持つというのはある程度のハードルがあった印象ですが、今では少額の支払いでも手軽に使えるようになってきたので、利便性は高まってきたかなと。
同じように、二次元バーコード決済や電子マネー決済などスマホを使った電子決済も手軽に使えるようになってきたので、利用割合も増えてきているようです。
支払手段の区分自体が増えてきているのに加えて、それぞれの支払手段の中で、どの金融機関を選ぶか、どのカード会社を選ぶか、どの電子決済を選ぶか、という種類の選択も出来るようになってきたので、支払手段の選び方としては悩ましいところです。
シンプルなのが分かり易い
経理処理を見据えて考えてみると、支払をすることで取引が発生し、それを会計仕訳として計上していくことになる。
取引の確認のためには、それぞれに関連した資料を準備しておくことが必要です。
現金であれば、支払った記録として領収書などの資料を保管しておき、現金出納帳などの帳簿を付けておく。
振込であれば、通帳などの出金の記録とそこに対応した請求書等の資料を保存しておく。
クレジットカード決済や電子マネー決済などでも、基本的なところは同じです。
そうすると、経理処理を見据えた支払手段としては、シンプルな方が分かり易いでしょう。
シンプルというのは、支払手段が少ないということ。
極端に言えば、現金のみや一つの銀行口座のみからの振込などです。
例えば、取引が100回あったとして、
現金出納帳
(1)10/1 1,000円支払 コンビニA 備品購入
・・・
(100)10/31 5,000円 カフェB 打合せ
であれば、現金出納帳のみを確認して、会計仕訳の処理を進めることが出来ます。
これが、複数の支払手段に分かれていくと、
現金出納帳
(1)
・・・
A銀行
(15)
・・・
B銀行
(3)
・・・
Cカード
(27)
・・・
電子マネーD
(78)
・・・
というようにそれぞれの支払手段ごとに、明細資料などの確認が必要となります。
もちろん、クラウド会計などのデータ連携機能などを利用すれば、会計仕訳の入力処理に係る手間暇は減るかもしれませんが、明細資料の確認などの一定の処理は必要となるものです。
実態に合わせて、組み合わせていく
新たに事業を始める方などから時々聞かれるのが、事業用の口座は複数持った方がいいのかというご質問。
これは、言い換えれば、支払手段を複数持っておく方がいいのかということになるかなと。
それぞれの状況によって変わるものなので、これが正解というのはありませんが、まずは出来るだけシンプルにした方が分かり易いというお話をするようにしています。
シンプルの度合いとしては、自分が把握出来るぐらいの数というイメージです。
支払う時には、その場でパッと決めて、支払うことは出来ますが、それが現金だったのか、振込だったのか、クレジットカードだったのか、それ以外なのか。
そんなの覚えているものでは?という方もいるかもしれませんが、事業に関係する支払いというのは思った以上に多いものです。
後で経理処理をしていく中では、記憶よりも記録を元にしていく方が確実です。
ただ、支払手段をシンプルにするといっても、限界があります。
経理処理がし易いからと言って、全てを一つの銀行口座からの振込で支払うというのは難しいでしょう。
支払先によっては、現金でしか支払えない場合もあったり。
振込手数料のことを考えれば、別の銀行から振込する方がお得かも。
クレジットカードのポイントを貯めたい。
・・・
色んな思惑も絡んでくるものです。
ある程度は、実態に合わせて、支払手段を組み合わせていくことも必要です。
ただ、本当にその事情を考慮すべきかというのは定期的に見直しておきたいところです。
本当に現金でしか支払が出来ないのか?
振込手数料がどれぐらい安くなっているのか?
どれぐらいポイントが溜まるものなのか?
その手間暇を掛けるだけのメリットがあるのかは、確認しておきたいところです。
おわりに
この支払手段にすれば、こういう特典があります。
それぞれにメリットはあるかもしれませんが、自分が望むメリットがどうかは考えておきたいところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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