口座明細だけではダメな場合
会計処理の基本の一つは、お金の動きを登録していくということ。
お金の動きを会計仕訳として登録することで、それらの情報が集積されて、財務状況や損益状況の把握に繋がっていきます。
お金の動きが分かる資料としては、例えば口座明細。
紙の通帳やWebなどでその明細を確認することができます。
その時にたまに見聞きするのが、口座明細があれば事足りるのでは?ということ。
もちろん、それでも大丈夫な場合もありますが、口座明細だけではダメな場合もあります。
口座明細はある
口座明細と言えば、昔であれば通帳のみでした。
それを見ながら、会計仕訳を入力していく。
税理士等が記帳代行をする場合には、通帳をそのままお預かりしたり、通帳コピーをいただいたり。
例えば、
日付 出金 入金 残高
・・・
11/27 5,000 電話代 123,456
11/28 10,000 ATM 133,456
・・・
という明細があったとした場合。
会計仕訳としては、
11/27 通信費 5,000 / 預金 5,000 電話代
11/28 預金 10,000 / 現金 10,000 預け入れ
という処理が考えられます。
この時に、電話代の5,000円が毎月定額であれば、請求書等の資料が別にあったとしても、毎回資料を確認する必要はありません。
口座明細だけを見て、会計仕訳を処理することができます。
口座明細を通帳ではなく、ネットバンキングで確認出来る場合には、データで口座明細を取得することも出来ます。
税理士等に記帳代行を依頼している場合には、そのままデータで共有すれば、やり取りが効率的になるかもしれません。
利用している会計ソフトによっては、連携機能によって、直接口座明細を会計ソフトに取り込むことが出来るものもあります。
そうすると、データのやり取り自体が不要になって、更に手間暇を減らすことが出来るかもしれません。
記帳代行を請け負う税理士等からこうしたことを聞くと、それでは口座明細以外は何も要らないのでは?と思われてしまうことがあります。
基本的には、帳簿等の保存要件があるため、他の資料も必要になるのですが、
それ以外にも、実務的に必要となる場合があります。
内容が分からない場合
口座明細を見れば、お金の動きは分かる。
確かにその通りなのですが、口座明細に全ての情報が記載されていると限りません。
最低限ある情報としては、日付・金額。
摘要に、内容のヒントが記載されていることもありますが、必ずあるわけではなく。
前項の例で取り上げた
日付 出金 入金 残高
・・・
11/27 5,000 電話代 123,456
11/28 10,000 ATM 133,456
・・・
はまだ分かり易いですが、
日付 出金 入金 残高
・・・
11/27 5,000 振込 123,456
11/28 10,000 A社 133,456
・・・
となると、口座明細だけでは内容が分かりません。
出金であれば、これが経費なのかどうか、どの勘定科目になるのか、などで会計仕訳が変わってきます。
会計仕訳が変われば、それを集積した財務状況や損益状況も変わることになります。
そんな大した金額ではないので影響ないのでは?と思われるかもしれませんが、日々の取引が多い場合には、こうした積み重ねが大きな違いを生み出すことになっていくものです。
時間が経っていくと、その内容自体も覚えていないこともあるので、その都度請求書等の内容の分かる資料を確認しておく方が後々の効率化に繋がるものです。
さらに明細がある場合
口座明細でお金の動きを把握出来たとして、一つ一つの入出金が一つ一つの取引に紐付いているわけではありません。
日付 出金 入金 残高
・・・
11/27 5,000 電話代 123,456
11/28 10,000 ATM 133,456
・・・
の場合は、一つ一つの入出金が一つ一つの取引に紐付いていますが、
日付 出金 入金 残高
・・・
11/27 5,000 Aカード 123,456
・・・
の場合には、Aカードのクレジットカード明細がまた別にあることが多いでしょう。
そうなると、その明細がまた必要になります。
このクレジットカード明細の中にも、情報が足りないものがあれば、その元となる領収書や明細書などが必要になる。
必要な情報が得られるまで、どんどん追いかけていくイメージでしょうか。
単純に支払いが一つであっても、その中に2つ以上の取引が含まれている場合もあります。
日付 出金 入金 残高
・・・
11/27 5,000 A社 123,456
・・・
A社に支払ったのは、5,000円ですが、その請求書等を確認してみると、
請求日 11/27
請求金額 5,000
内訳
11/27売上 10,000
11/27仕入 △5,000
この場合は、A社から仕入10,000円がありますが、A社への売上5,000円もあるため、
会計仕訳としては、
11/27 仕入 10,000 / 預金 5,000
/ 売上 5,000
摘要:A社
というように仕入と売上を分ける必要があります。
こうした例は他にいくつもパターンがあり、その都度確認していくことになります。
おわりに
頻度は多くないかもしれませんが、取引数が多くなってくると、その時だけ確認するというのは難しくなるため、そういった取引がないことを確認するための資料もセットにする方が効率的かなと思っています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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