早く試算表を作成するための工夫
試算表をいただけますか。
事業の状況を確認するために、金融機関や取引先から提出を求められることがあります。
その際、必要になるのは直近までの試算表ということがほとんど。
要するに、前期の決算書以降の状況をが見たいということです。
しかしながら、直近までは試算表が出来ていない。
このためだけに試算表を作成するわけではありませんが、直近の事業の状況を把握しておくという意味でも早く試算表を作成しておくに越したことはありません。
直近の試算表を早く
事業で取引があれば、それを会計仕訳として記帳していくことになります。
ざっくり言えば、その会計仕訳を勘定科目ごとに集計したものが試算表ということになります。
残高試算表という言い方をされることもあります。
イメージとしては、それぞれの取引明細があり、
国税庁ホームページ
確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)
・帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)(PDF/10,343KB)
その合計を勘定科目ごとに並べたものというところです。
国税庁ホームページ
確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)
・令和5年分青色申告者のための貸借対照表作成の手引き(PDF/9,525KB)
通常は会計ソフト等のシステムに会計仕訳を入力すれば、それぞれ帳票として表示することが出来ます。
直近の試算表というのは、例えば今が12月5日だとすると、月次ベースでは11月が終わっているので、11月分までの試算表が直近ということになります。
これを早く作成するとなると、一番早くて12月1日になるでしょうか。
ただ、これは現実的には難しいところがあります。
仕入の請求書が月末締めで、11月分の請求書がもらえるのは12月10日頃となると、12月1日に間に合いません。
もちろん、オンライン対応などで早く請求書をもらったり、概算で納品書ベースで入力するなどの方法はありますが、全てに対応するのは難しいかなと。
多くの場合、月末が過ぎてから、いかに早く試算表を作成するかというところになってきます。
早めにスタートする
月次ベースで試算表を作成する場合、月単位での処理となるため、1か月分の会計仕訳を処理するというのが一般的です。
そのためには、1か月分の月次資料を用意する必要がある。
売上表
現金出納帳
口座明細
クレジットカード明細
領収書・請求書
・・・
そうした資料を元に会計仕訳を入力していく。
税理士等に記帳代行を依頼している場合には、同じような資料を月単位でまとめて提出することになります。
通常の流れとしては、月末が過ぎて、資料が届いたり、確認出来るようになってから取得するなどして、順番に資料を準備していく。
そして資料が揃ったところで、まとめて会計仕訳の入力などの処理をする。
効率的なやり方の一つです。
ただ、短期間でまとまった時間が取れない場合には、処理が遅れてしまうこともあるでしょう。
そして、そのままズルズル年末や決算期末まで長引いてしまい、最後に帳尻を合わすために無理をしてしまう。
そうしたことがあるかもしれません。
そんな時には、早めにスタートするというのも有効な手段です。
特に、月末が過ぎないと処理してはいけないというルールはありません。
それぞれの資料は日々作成されていて、その都度確認できる場合もあります。
口座明細であれば、ネットバンキングを利用すれば、前日の入出金を確認することが出来ます。
会計ソフトによっては、自動連携出来る機能が付いているものもあり、口座明細を直接会計ソフトに取り込むことが出来ます。
1か月分だと500明細あるものでも、毎日処理すれば、1日に20明細ほどの処理で済む。
一気に処理しようとするとハードルが上がりますが、毎日ちょこっとであれば、時間が取り易いかもしれません。
そうすると、月末を迎える頃には、大半の処理が終わっている。
あとは、残りの処理を月末が過ぎてから進めていく。
他人との競争であれば、フライングはルール違反になる可能性がありますが、この場合はフライングをどんどん推奨してもいいかなと。
処理を速くするための工夫
1か月で処理する数が決まっていれば、それをいかに速く処理するかというのも工夫することが出来ます。
1か月で入力する会計仕訳が1,000ある場合。
真正面からいけば、一つ一つ資料を確認しながら、手動で入力していく。
日付・勘定科目・金額・摘要などなど。
・・・
12/05 〇〇費 10,000 / 現金 10,000 摘要:●●
・・・
会計仕訳1つあたり1分掛かるとすれば、約16時間
入力のスピードなどを上げる工夫などして、会計仕訳1つあたり30秒にすれば約8時間。
もっと工夫すれば・・・と言っても、人のスピードにも限界があります。
これ以上は難しいかもしれません。
そうなると、人以外のところで工夫するしかない。
一つ一つ会計仕訳を手動で入力するというのが何とかならないか。
例えば、口座明細であれば、ネットバンキングに対応していれば、CSVファイルなどで口座明細をダウンロード出来ることが多いです。
そうすると、口座明細の情報はデータで取得することが出来る。
利用している会計ソフトがデータの取込に対応していれば、取得したCSVファイルを加工して取り込むことが出来ます。
取り込まれたデータから、
12/05 ??? 10,000 / 現金 10,000 摘要:●●
というのは既に入力されている状態です。
あとは、必要な勘定科目や摘要に情報を追加するなどすれば、会計仕訳の処理は完了です。
会計ソフトによっては、摘要などから割り当てる勘定科目を登録出来るものもあるので、場合によっては確認だけで済むこともあります。
こうした工夫によって、会計仕訳1つあたりの時間を速く出来る可能性があります。
おわりに
正確性というのは大事なところですが、一つ一つを丁寧にしても間違う時は間違えます。
ある程度のスピードを実現しながら、確認に時間を割く方が効率的かもしれません。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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