明細を確認しないことの危うさ
税務会計に関わる資料には、明細とその合計で成り立つものが多くあります。
請求書の明細とその合計額である請求額、クレジットカードの支払明細とその合計である引落額などなど。
以前は紙の資料がベースでしたが、最近ではデータで取得する機会が増えてきました。
データを取得して、自動で集計が出来たりする。
場合によっては、明細の確認をしなくても、必要な処理が出来ることも。
ただ、明細を確認しないことの危うさはあるので、上手く使い分けたいところです。
合計だけでなく明細の確認も
労働保険料の年度更新という手続きがあります。
ざっくり言えば、4月~3月の1年間に支払った給与等の金額に一定率を掛けた金額を労働保険料として納めるというもの。
厚生労働省ホームページ
労働保険年度更新に係るお知らせ

その中で、給与等の集計の仕方はこんな書式です。
厚生労働省ホームページ
主要様式ダウンロードコーナー (労働保険適用・徴収関係主要様式)
令和6年度 確定保険料算定基礎賃金集計表/令和6年度 確定保険料算定内訳 記入例[375KB]

上記の例であれば、令和6年4月~令和7年3月までの給与を月別・決められた区分ごとに集計するというもの。
一人一人の給与明細の金額を足していくとなると大変ですが、給与計算等にシステムを利用しているのであれば、それらの手間を省いて集計することが出来ます。
システムによっては、決められた設定をすることで、上記の「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」をそのまま出力出来る場合もあります。
そうすると、いちいち一人一人の明細を見ることなく、必要な資料を作成することが出来る。
一人一人の明細は必要ないのでは?
そう思えることもあります。
ただ、正しいかどうかの確認はしておきたいもの。
集計すること自体に間違いはなくても、そもそもの設定が間違っていれば、違う区分で集計されたり、集計されていないこともあります。
そうした間違いを把握するためにも、合計の元となる明細はみておく。
①常用雇用者
令和6年4月 3,044,281円
Aさん 352,456円
Bさん 284,614円
・・・
正社員のDさんが含まれていないとなると、何か設定が間違っているかもしれない。
何も問題なく集計表を使える場合もあるかもしれませんが、説明できる根拠は残しておきたいものです。
合計から差引で
クレジットカード明細は、引落日・引落金額・利用明細というような情報が掲載されています。
〇〇カード
10/10引落
123,456円
9/2 △◇店 3,465円
9/15 〇×商店 7,891円
・・・
内容によっては、同じような項目が何度も出て来るので、集計してまとめて処理することも。
例えば、ETC利用料。
クレジットカード明細を紙でもらっている場合には、集計して一つの項目で処理した方が効率的な場合もあります。
上記の例で、
9/2 △◇店 3,465円
9/15 〇×商店 7,891円
以外はETC利用料だとすると、
123,456円ー3,465円ー7,891円
=112,100円
合計から差引でETC利用料を集計することが出来ます。
ただ、明細を確認しないと間違いが起こることも。
違うページに、
9/20 ◇〇デンキ 100,000円
という明細が抜けていれば、
123,456円ー3,465円ー7,891円ー100,000円
=12,100円
となり、処理する項目などが変わってきます。
他の月と比べて、ETC利用料が大きく増減していないかなどのチェックも含めて、確認しておきたいところです。
データ連携していても
クラウド会計などでは、銀行口座をデータ連携して、入出金データを自動で取得出来たりします。
マネーフォワードクラウド会計ホームページ
銀行・金融サービスと連携できる会計ソフト

非常に便利な機能で、手作業を減らし、入力ミスを防ぐという意味でも積極的に活用していきたいところです。
項目によっては、勘定科目を覚えさせて、データを取り込んだ時点で仕訳が完成出来るので、更に効率が上がります。
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こうなると、口座明細などの確認は不要ではと思われるかもしれませんが、ポイントを押さえた確認は必要です。
システムとしては自動取込に漏れはなくても、人為的なミスでデータを取り込まないことを選択してしまうこともあります。
覚えさせる勘定科目の設定を間違えてしまえば、その後はずっと間違った処理が継続されてしまう。
便利だからこそ、そのメリットを最大限活かせるように、デメリットの部分を出来るだけ減らしていくことが大事なのかなと。
メリットの方が大きいのに、デメリットがあるから利用しないということは避けたいところです。
おわりに
危うさを認識しつつ、上手く使いこなしたいところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人

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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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