減価償却の試算は複数の手段で確認する
減価償却費等の計算をする際には、固定資産管理用のソフト等で固定資産台帳に登録して計算することが多いでしょう。
それが一番効率的で確実な方法ではあります。
ただ、将来にわたっての試算をする場合など、いつもと違う方法で利用する場合には、複数の手段で確認しておく方が確実です。
減価償却計算の概要
減価償却の計算方法のうち、償却方法でよく使われているのは、定額法と定率法が挙げられます。
国税庁ホームページ
No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)

定額法については、取得価額に毎年同じ償却率を掛けていくため、比較的簡単に試算出来そうです。
定率法については、取得価額から減価償却費を引いた簿価に償却率を掛けていくため、試算するには少し手間暇が掛かりそうです。
途中で「改定償却率」なるものも出て来るので、更に複雑になりそうです。
手動で計算
減価償却の試算でまず思い付くのは、計算式に基づいて毎年の計算を1つ1つ手動で行うというもの。
例えば、下記のような事例の場合。
国税庁ホームページ
No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)

<1年目の償却費の額>
1,000,000×0.2=200,000
<2年目の償却費の額>
800,000(1,000,000ー200,000)×0.2=160,000
<3年目の償却費の額>
640,000(800,000ー160,000)×0.2=128,000
<4年目の償却費の額>
512,000(640,000ー128,000)×0.2=102,400
<5年目の償却費の額>
409,600(512,000ー102,400)×0.2=81,920
<6年目の償却費の額>
327,680(409,600ー81,920)×0.2=65,536
<7年目の償却費の額>
262,144(327,680ー65,536)×0.2=52,429・・・調整前償却額
1,000,000×0.6552=65,520・・・償却保証額
調整前償却額 < 償却保証額
262,144×0.25=65,536
<8年目の償却費の額>
262,144×0.25=65,536
<9年目の償却費の額>
262,144×0.25=65,536
<10年目の償却費の額>
262,144×0.25=65,536・・・①
(262,144ー65,536×3)ー1=65,535・・・②
② < ①
⇒65,535
時間を掛ければ確実ではありますが、固定資産の数が増えてくると、時間も掛かり、ミスの可能性も高まるので、これだけでは不安かもしれません。
シミュレーションソフトで計算
有料のシミュレーションソフトを利用する場合には、自動で計算出来る部分があるので、正確性と効率性が担保出来る可能性が高まります。
例えば、Excelベースで利用出来るCCSスタッフというソフトを利用した場合。
CCSサポート株式会社ホームページ
スタッフ2025

・・・

簿価などの情報も含めて、網羅的に確認することが出来ます。

シミュレーションのサイトで計算
有料の部分もありますが、無料の範囲でシミュレーションが出来るサイトもあります。
例えば、カシオ計算機㈱の子会社が運営しているサイト。
生活や実務に役立つ計算サイト
減価償却(H24年度~)

計算条件などを同じにして試算してみます。

こちらも一覧で俯瞰できるので、手計算よりは確実性がありそうです。
おわりに
今回のケースでは、1円単位でピッタリ一致していますが、場合によっては1円単位ではズレることもあります。
その場合でも、試算であれば、大きな間違いがないことの確認にはなるので、有用です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人

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