実質的な税率で考える
事業を始めた時には、売上や利益が気になるもの。
それが、ある程度利益が出て来るようになってくると、気になるのは税金。
これぐらいの利益でどれぐらいの税金が掛かるのか。
税率が分かれば、利益×税率で目安の税金が分かります。
ただ、税率といっても、税金の種類ごとに変わるので、税率は〇%ですと簡単には出しにくいもの。
目安であれば、実質的な税率で考えるのも有用です。
個人の税率
個人事業の利益に対して掛かる税金で、主なものは、
所得税
個人住民税
個人事業税
それぞれに利益の計算方法や税率は違っています。
例えば、所得税の場合。
国税庁ホームページ
No.2260 所得税の税率
令和6年5月30日現在の税率は上記の通りですが、利益を元に所得を計算して、その所得金額によって税率が変わってきます。
個人住民税や個人事業税は地方税のため、各地方自治体で税率等が変わることがあります。
大阪府や大阪市であれば、
大阪市ホームページ
個人市・府民税の税額
均等割など利益に連動しない部分もありますが、所得割については、一律10%の税率となります。
大阪府ホームページ
個人事業税
業種によって税率は変わりますが、所得に対しては一律の税率になります。
法人の税率
法人の利益に対して掛かる税金で、主なものは、
法人税・地方法人税
法人都道府県民税
法人事業税
法人市民税
それぞれに利益の計算方法や税率、また税率を掛ける対象が違っています。
例えば、法人税の場合。
国税庁ホームページ
No.5759 法人税の税率
一般的な中小企業であれば、令和6年5月30日現在で、所得金額によって15%と23.2%の2段階に分かれます。
法人市民税などの地方税は、地方自治体ごとに税率が変わってきますが、税率を掛ける対象が、利益を元にした所得ではなく、所得から算出された法人税額となるものもあります。
大阪市ホームページ
法人の市民税について
実質的な税率で考える
色んな税率があって、それぞれに計算して税金の金額を算出するとなると、どれが税率と言われても分かりにくいものです。
そういう場合は、ざっくりとしたイメージで税率を考えるのも一つの方法です。
考え方は単純です。
税金の合計金額÷利益
で実質的な税率を計算してみます。
個人であれば、まずは所得税を計算。
所得税の実質的な税率は、
所得税額÷利益=143万4千円÷1,000万円=14.34%
あとは、個人住民税と個人事業税の該当する税率をプラスしてみる。
14.34%+10%+5%=29.34%
決して正確な数値ではありませんが、これでざっくりとした税率を掴むことは出来ます。
法人であれば、課税所得からそれぞれ税金の金額を計算してみます。
同じく利益1,000万円で課税所得900万円として、下記のような税額になった場合。
法人税等の実質的な税率は、
年税額合計÷利益=232万÷1,000万円=23.2%
こちらもまた正確な数値ではありませんが、ざっくりした税率を掴むことが出来ます。
単純比較は出来ませんが、同じ利益なら個人より法人の方が税率が低くくなる可能性が伺えます。
一つの指標が見えれば、検討出来ることも増えていくものです。
おわりに
これぐらいの利益なら税金はいくら掛かりますか?よく聞かれる質問ではありますが、大体の傾向をお伝えする時には、こうした実質的な税率のお話をするようにしています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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