経費が認められるタイミング
事業をしていれば、なんやかんやと経費がかかるもの。
それらは、事業に直接関係しているものもあれば、間接的に関係しているものもあるでしょう。
どこまでが経費になるかという明確な線引きは難しいところもありますが、税務署から指摘を受けなかったというのは、一つの判断材料と考えることも出来ます。
この税務署から指摘を受けなかったというのは、どのタイミングを指しているのか。
見聞きする中には、勘違いも多くあるようです。
申告書を提出したタイミング
事業を行っていれば、その損益状況を含めて、申告書という形で、税務署に提出することになります。
法人であれば、法人税の確定申告書。
個人であれば、所得税の確定申告書。
税目は違えど、申告書という形で提出するのは同じです。
それらの申告書を作成するためには、日々の取引を会計仕訳として記帳していく必要があります。
それらの仕訳を会計ソフトなどに入力していれば、簡単に集計して、色んな帳票を作成することが出来ます。
決算書類としての、貸借対照表や損益計算書などは、その代表例でしょう。
それらの結果を踏まえて、税額等を計算した申告書を税務署に提出する。
法人税の申告書であれば、別表という形で所定の書式が決まっています。
国税庁ホームページ
令和6年4月以降に提供した法人税等各種別表関係(令和6年4月1日以後終了事業年度等分)
内容によっては、申告書のボリュームが多くなり、数多くの書類を提出する場合もあります。
多くの時間を費やして、ようやく完成した申告書を税務署に提出する。
無事に提出したときには、ひと仕事終わった感覚になるものです。
その時に、特に指摘等がなかったら、この申告書は税務署に通ったということ?
申告書が受け付けられたのであれば、通ったという表現は間違いではありません。
しかしながら、その中身である、経費等の内容が認められたというわけではなく。
提出した申告書には、経費等の集計結果としての帳票を添付しているだけで、中身の明細は付いていません。
また税務署側も、受付けた時に、明らかな不備がない限りは指摘することはありません。
そのため、申告書を提出したタイミングで、経費が認められたわけではないということになります。
問合せがあったタイミング
申告書を提出した後に、税務署から問い合わせが来ることがあります。
提出時には、明らかな不備はなかったものの、よく見ると、不足資料や整合性が取れていない箇所があるなど。
ある程度は、税務署側でも申告書の中身について確認がされた状態。
・・・付表のこの資料が必要です。
・・・添付資料が必要です。
これらの指摘された不備や間違いについての対応が終わって、他には特に指摘がない場合。
この段階までくれば、経費が認められたということになるのか。
問合せの内容にもよりますが、経費の明細など個別具体的な指摘でない限りは、この段階でも経費が認められたということにはなりません。
あくまで、申告書の内容についての確認があっただけということです。
税務調査があったタイミング
それでは税務調査があった時はどうか。
総勘定元帳で取引の明細がチェックされ、いくつか指摘を受ける。
その内容について、詳細に説明して特に問題にはならなかった。
それで、税務調査が終了した場合。
さすがに、このタイミングであれば、経費が認められたと言えるのではないか?
もちろん、そう言える場合が多くなりますが、必ずしもそうとは言えません。
真正面から経費の妥当性を議論して、税法などの根拠に基づく証明が出来たのであれば、経費と認められたと言えます。
しかしながら、実務的には、全てにおいて明確な根拠を示すのは難しいもの。
納税者側の主張と税務署側の指摘に見解の相違が生まれることはあります。
税務調査の目的が、100%正しい申告・納税を実施させるということであれば、とことんまで突き詰める必要がありますが、あくまで申告納税制度を担保するためのものという側面もあります。
そうなると、正しい申告・納税へ導くための指導に重点を置く場合も。
結果的に、経費として認められたようになってしまうこともありますが、それでも次の税務調査で指摘をされる可能性はあります。
あくまで経費が認められたとされるケースが多くなるぐらいのニュアンスというところです。
おわりに
そもそものお話になりますが、経費かどうかというのは、税法などに従って、納税者が判断するもの。
事業に関連するかどうかの基準などを決めておくというのも一つの考え方です。
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この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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