大人になると強制されないことが増えてくる

税理士として独立開業してから、自分で考えて選択していくことが多くなってきました。それ自体は、選択肢の範囲が広がって自分の思うように進めることが出来る反面、選択の幅が広すぎて戸惑うこともあります。

今回はこれまでの制限があった時を振り返りながら、今思うことについてのお話です。

学生時代は

小学校から高校までは勉強やクラブ活動など学校中心の生活で、義務教育という言葉があるように、強制的にでも一定の教育を受けながら過ごすことになります。

人それぞれ考え方や過ごし方に多少の違いはあれど、校則など決まりごとに従って、学校生活を送ることが強く求められます。そういったルールに従わない場合は、注意されたり、怒られたり、程度の違いはあっても、ルールに沿うように強制力が働くことが多いかと思います。

行き過ぎた指導の結果、体罰等の問題が起こることはあっても、その根底にある考え方はルールに従っていないことを是正させるということがあるように感じます。体罰等の是非について、ここでは言及しませんが、そこに至る原因・経緯については、慎重に把握することが必要だとは思います。

極端な言い方をすると、学生時代は、年齢や経験的な観点からいうと年上の立場の人が学生という年下の立場の人を教育していくという名目があるため、それに沿わない場合は、強制的に従うようにさせる義務感のようなものが働くのだと思います。

大人になると

大人になっても強制されることはもちろんあります。会社などの組織に所属していると、自分の気持ちとは裏腹にやらなければならないこともありますし、ルールに外れることがあれば、是正されたり、行き過ぎると職を失うこともあるので、学生時代よりも強制力はきついかもしれません。

一方で、自分で選択したことに対しては、強制されないことも増えてきます。

私の場合は、30歳から税理士試験の受験を始めました。専門学校に通学しながら勉強を進めていくということを選択しましたが、毎回の授業で課題が出たり、テストがあったりします。学生時代のように、課題をしていかなかったり、テストの点が悪かったとしても、それがダメだということは伝えてもらえますが、親身な印象はないのかなと感じます。社会人同士ともなると、年齢的な観点から言えばほとんど同じ立場であったりするため、遠慮であったり、自己責任という考え方の元、踏み込めないところもあるのかもしれません。

社会人大学院に行くようになった時も、次の課題が仕上がっていなかったりしても、怒られるということはほとんどなかったかなと。もちろん講師の方によって、接し方の温度差もあるとは思いますが。

大人になってからの趣味などの習い事でもそういったことは感じることがあります。それが悪いというわけではなく、自分から踏み込んでいかないと求めているような成果は返ってこないのかなと思います。

強制されない中でどうするか

大人になると、強制されない環境が増えてくる。そう実感していますが、その流れに何となく流されたままでいると、取り返しがつかなくなることもあります。

例えば、社会人大学院では、修士論文を書き上げるという最終目的がある中で2年間を過ごすことになりますが、そのペース配分は最終的にはこちらで判断しなければなりません。

計画的にコツコツと進めていくか、期限が迫ってきてから一気に進めるか、その都度指導教員の方から進捗の確認を受けることはありますが、進捗の遅れを取り戻すなど発破をかけるようなことはあまりないような印象を受けました。

趣味的なものとしてマラソンのレッスンに定期的に参加していますが、そういった趣味のようなところではその傾向は顕著に出てしまうというのが実感です。もちろん、それが悪いということではなく、むしろ自由度があって良い面もあるのかなとは思うのですが。

強制されないときには、やはり自分のペースを作り出すことが重要かなと思います。独りよがり過ぎてもダメだとは思いますが、自分で考えてリズムを作っていくことが求められているかなと。大人なので、それぞれのペースに合わせた方法を選択してください、という自由を与えられることが多いですが、その時に何も考えていないと、サボる方向に向かってしまいがちです。これは私の場合なので、自分への戒めという意味合いが強いですが。

そう考えると、大人になる前に、自分で考えてペースを作るという体験は出来るだけ多くしておきたいものです。私の場合は、きちんと指導されて、強制力のある環境で学生時代を過ごしてきたので、大人になってからの選択の自由というものに戸惑いが多かったなと振り返ると思います。

おわりに

子供が学校や習い事に取り組んでいる姿を見ていると、大変だけど頑張れ!と思う反面、やるべきことが提示されているというのは有難いことながら、自分で考えることも大事だなと相矛盾する気持ちが交錯しています。

やり方は一つではないとしても、これからの人生にプラスに作用するように、伝えられることは伝えていきたいなと改めて思います。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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