暗記と知識の使い分け

税理士もそうですが、ある程度の専門知識が必要となる仕事の場合、正確な情報の把握が必須となります。

その情報を暗記しているのか、知識として持っているだけなのか。

ここでは、暗記は正確な情報を記憶している状態のこと、知識は情報として概要を知っている状態を指すこととしています。

即答出来るのが理想

仕事で打合せなどしている時に、相手からの質問に対して、その場で即答出来ることは理想ではあります。

「・・・の場合は、どうなりますか?」

「その場合は、・・・が適用されるので、・・・になります。」

そのためには、あらゆる状況を想定して、必要な情報を暗記しておく必要があります。

ただ、現実的には、特定の分野に絞ったとしても、その情報量は膨大なもので、全てを暗記しておくのは不可能です。

税務会計の分野で、例えば、税法に絞っても、所得税や法人税など種類がいくつもあって、それぞれに基本となる条文があり、実務的な運用についての補足なども含めると、その範囲は広がっていきます。

税理士試験などは、そうした基本となる部分を暗記も含めて、集中的に習得する期間でもあるので、暗記という意味ではある程度カバー出来ていたりはします。

しかしながら、暗記したとしても、使う機会がない部分については、どんどん忘れていってしまいます。

新しい情報や変更となる情報など、日々更新されていく情報をアップデートすることも必要です。

そう考えると、日常的に行う業務の中で使う情報については、最新の情報をインプットしながら、アウトプットする機会が多いので、即答することが出来るでしょう。

人によって、日常的に触れる情報の分野や範囲は違うものですが、最低限自分が日々触れる業務についての情報については、暗記していて、即答出来ることが求められます。

知識を広げていく

日常的に触れることが出来る情報については、暗記できるぐらいのレベルを保つとして、それ以外の部分はどうするのか。

方向性としては、暗記の範囲を広げていくこともひとつの方法でしょう。

自分の成長のためにも必要なことではありますが、どうしてもスピードが遅くなってしまいます。

限界が来るのも早いでしょう。

情報そのものを暗記しようとすると情報量が膨大になるので、その取っ掛かりを知識として習得していくのもひとつの方法です。

そんなの当たり前のこと、普通のこと、と思われるかもしれません。でも、知識を広げていくことを意識してみると、情報への接し方が変わっくるものです。

極端なことを言えば、今の時代、ネットに繋がっていれば、色んな情報にアクセス出来るので、情報そのものを暗記する必要はないとも言えます。

言葉の意味であっても、Googleなどで検索すれば、多くの情報が出て来ます。

暗記している、ということはあまり意味をなさないこともあるでしょう。

しかしながら、情報にアクセス出来ることと、情報を活かせることとは、意味合いが違うものです。

情報にアクセス出来ることで解決することばかりであれば、そもそも質問するという行為自体が不要になってしまいます。

情報へ素早くアクセスするため、多面的な見方をするため、必要な部分に絞るため、の知識はより重要になってきます。

知識を広げていくことで、聞いたことも見たこともないということを出来るだけ減らし、情報へのアクセス手段を磨くということが求められるでしょう。

カンニングが有効な場合もある

学校のテストや資格試験の場合、カンニングをすることは許されません。

それは、暗記を求められる部分を問う意味合いが強いからでしょう。

しかしながら、仕事で相対する場合には、テストのように、カンニングが厳しく取り締まられる場面ばかりではありません。

相手に理解してもらうためには、分かり易いように、資料を用意したり、事前に準備することが当たり前です。

これは一種のカンニングでしょうが、これを咎められる場面はほとんどないでしょう。

良い悪いは別にして、満点を取れるようなカンニングペーパーを作れるというのは、それはそれですごいことなのだと言えます。

それでも、事前に想定していない質問や依頼があったりします。

その時には、必要な情報へアクセスする手段を用意しておいて、その場でアクセスしながら回答していくことも可能な場合もあるでしょう。

パソコンやスマホを目の前で操作するような場合には、事前に相手の同意を得ておくことも忘れてはいけません。

いくら相手の質問に対する回答のためとはいえ、目の前で急にカチャカチャパソコンを操作し始めると不信感を持たれることもあります。

そして、何でもかんでも即答せずに、調べてから回答していたのでは、自分への信頼感も失われていくかもしれません。

そうしたことを防ぐために、広げておいた知識から即答できる部分は回答しておき、詳細について確認すべきことを、情報へアクセスすることで、補足するというのも有用でしょう。

私自身は、独立する前は外出先などでパソコンを持ち歩くことはなく、情報への手段は限られていました。

独立してからは、セキュリティに配慮しながら、データなどは持ち歩かないように、遠隔操作ツールを駆使しながら、打合せ時にパソコンを利用することを習慣付けるようにしています。

こうしたツールの導入などは、独立開業しているからこそ、自分のタイミングで試したり、実践することが出来る部分が大きいのかなと思います。

おわりに

独立開業してからは、情報へのアクセス手段、情報の選別など、情報の使い方をお伝えする機会が増えたように感じています。

自分で分かり易い独自の資料を作る、というのも大事なことですが、既にある情報を活用する方法をお伝えするのも同じように必要なことなのかなと思います。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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