共有持分がある場合の不動産所得 青色申告決算書の記載方法のイメージを掴む
土地を共有名義で所有していて、駐車場として貸しており、賃料を一人が代表してもらっている、ということはよくあります。
今回は、その場合の青色申告決算書への記載についての考え方を取り上げてみます。
なお、これらの情報は、2022年3月7日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
前提
共有者3名で土地を所有していて、駐車場として賃貸している場合で考えてみます。
駐車場の使用者と貸主で賃貸契約書を締結する場合、共有持分が決まっているだけで明確な区分けが出来ない場合には、共有者全員と賃貸契約を締結することとなります。
賃料等のお金の授受については、共有者のうち誰かを代表として、窓口となることが多いでしょう。
そのため、収入金額や経費等の支払いなども一括して管理する場合が多いです。
実務的な処理としてはそうなりますが、確定申告するための損益を管理する場合には、共有持分に合わせた集計などが必要となります。
イメージ
不動産だけではないですが、収益を考えるときのイメージとしては、下記のようになります。
正確には他にも加味することなどがありますが、あくまでイメージとして簡略化したものとして説明を進めていきます。
①税金の計算という意味では、極端に言えば、所得(利益)が把握できればいいので、全体の利益の金額に共有持分割合を掛ければいいとも言えます。
②収入から費用を差し引いて計算するという意味では、全体の収入×共有持分割合と全体の費用×共有持分割合を計算して、その差し引きで利益を計算するという方法も考えられます。
③収入から費用を差し引いて計算するという意味でもう一つの考え方としては、全体の収入・費用から共有持分割合以外の金額を差し引いて、共有持分割合の収入・費用を計算して、その差し引きで利益を計算するという方法も考えられます。
青色申告決算書(不動産所得用)
前項のイメージを基に、青色申告決算書に記載していくこととなります。
書き方等の例示は国税庁のホームページに掲載されていますが、特にこれという方法は指定されていないようです。
国税庁ホームページ
確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)
令和3年分収支内訳書(不動産所得用)の書き方(PDF/1,627KB)
税務申告ソフト等を利用している場合には、前項の①~③の方法すべてに対応しているものもありますが、一部の方法にしか対応していない場合もあります。
例えば、JDLというソフトでは、下記のようなQ&Aが掲載されています。
JDLホームページ
JDL Webサポートセンター
「不動産所得の収入の内訳」と「減価償却費の計算」で共有物件の按分計算をする方法は?
このソフトでは、前項の①には対応しておらず、②か③の方法で作成するということになります。
おわりに
色んな方法があって、採用する方法によって税額等の結果が変わる場合は有利不利を考える必要がありますが、結果が同じであれば、その時の環境と手間暇で考えてもいいのかなと思います。
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