減価償却費を月割り計上するために
事業の状況を出来るだけタイムリーに把握するためには、月次決算を行うことも一つの方法です。
月次決算といっても、年次決算ぐらいの精度が求められるわけではなく、そこまでの労力も割く必要はない場合も多いでしょう。
しかしながら、最低限必要な処理としては、減価償却費の月割り計上はしておきたいところです。
今回は、減価償却費の月割りでの仕訳計上について、取り上げてみます。
なお、これらの情報は、2022年6月7日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
減価償却費は年間ベースが基本
減価償却費の基本的な考え方等については、ここでは詳細には取り上げませんが、ざっくりと言えば、
固定資産を事業などの業務のために使用する場合に、購入に要した金額をその取得した時に全額費用とするのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して費用としていく。
というところでしょうか。
その辺りの説明については、別の記事でもまとめていますので、そちらもご参照ください。
中古資産の耐用年数の注意点
減価償却費は、固定資産台帳に登録した各資産ごとに、取得価額・耐用年数等を元にして、年間の金額を計算することとなります。
使用するソフトによって、帳票の書式等は若干違っていますが、必要な項目等は同じです。
例えば、JDLの減価償却というソフトから出力される帳票としては、こんな感じです。
(数値等は架空のデータです。)
基本的には、該当する事業年度の年間減価償却額が表示されています。上記の例でいえば、「当期償却額」の欄になります。
この年間の当期償却額を月割りで会計仕訳としていくことになります。
手入力する場合
勘定科目ごとに、減価償却費を月割りで仕訳入力していく場合には、月割りの金額を把握する必要があります。
例えば、
当期償却額
工具器具備品 90,000
の場合。事業年度が12ヶ月であれば、
90,000÷12ヶ月=7,500/月
となります。
端数が出る場合には、期末月で調整するなどのルール決めをしておきます。
使用するソフトによっては、月割りの金額が分かる帳票が出力できるものもあります。
これらの資料を元に、直接法の場合であれば、
1/31 減価償却費 / 建物 10,000
・・・
と入力していきます。
データで手動連携させる場合
手動で入力していくこと自体は難しいことではないので、時間を掛ければ、出来ることではあります。
しかしながら、出来ることに時間を掛けることが積み重なると、他に時間を掛けるべきところに時間を割けなくなってしまいます。
出来るだけ、単純な入力作業に掛ける時間は減らしておきたいところです。
クラウド会計などは、データでの連携を得意としていますが、減価償却費の月割り計上は、自動で連携は出来ない場合もあります。
マネーフォワードのAIサポートで確認してみました。
自動連携は出来ませんが、CSVファイル等のデータ連携はし易いので、減価償却ソフトから月割りの減価償却額をデータで出力して、会計データ取り込み用のCSVファイルに加工すれば、データ連携が可能となります。
マネーフォワードであれば、仕訳帳からの取り込みデータとして、
こういったCSVデータを用意すれば、一つ一つ仕訳を入力する必要はありません。
自動連携する場合
同じシリーズのソフトを利用している場合には、アプリケーション間での自動連携にも対応している場合があります。
JDL Webサポートセンター
マニュアル一覧
減価償却
最初の連動させる科目の設定などは時間を掛ける必要がありますが、一度形と流れが決まってしまえば、作業の効率化という観点からは一番良いかもしれません。
ここではJDLの例のみ取り上げていますが、他メーカーののソフトでも対応している場合が多いかと思います。
パッケージソフトの場合には、コストが高めだったり、他のシステムへの移行などがし難いなどのデメリットもあるので、今後の方針含めて導入を決める必要があります。
おわりに
減価償却費の処理は、下手をすると1年に1回の処理になることもあるので、作業の見直しがし難いところがあります。
確定申告や決算が終わって、期首の処理をするときに、改めて見直してみるのがいいタイミングかもしれません。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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