細部のコストのさじ加減
事業を行う上で、コストの管理は重要な要素の一つです。
特にフリーランスなどの個人事業であれば、その裁量は代表者である個人に委ねられていることが多いので、ある程度は把握しておかなければいけません。
コストの無駄は省くべきということは分かっていても、何が無駄かというのはその時の状況やそれぞれの考え方で変わってくるものなので、そのさじ加減については考えておきたいところです。
把握する
事業を行っているならば、経理業務を避けることは出来ません。
お金の入出金などを元に、帳簿をつけていきながら、利益の計算や財務状況の把握を行っていく。
事業内容を数値で把握する手段や期間は、ある程度は自由に選択することが出来ますが、税務申告を行うために、最低でも1年に1回は帳簿の作成など経理業務が必要となります。
ただ、事業を行っているのであれば、税務申告のためだけではなく、事業の実績をきちんと把握して、今後の事業に活かせるようにしておきたいところです。
理想的には、日次ベースでタイムリーに業績を把握出来れば、先んじて動くことが出来ます。
しかしながら、現実的にはなかなかそこまでは難しいところです。
例えば、家賃の支払いは月ベースなので、そういった月ごとにかかるコストを日次ベースで把握するためには、理論上での試算が必要となってきます。
30万円/月の家賃であれば、1万円/日としてコストを計算していく。
理論上はそうしたことの積み上げで、精度を高めることは出来ますが、事務処理の手間暇などが増えることになります。
そこまで時間を掛けて、把握するメリットがあるかどうかで判断することになるでしょう。
経理業務を専任で行うスタッフなどがいればいいのですが、個人事業などの小規模事業者であれば、経理業務を代表者自身で行うことも多いため、そこまで時間を掛けれないのが実情です。
それでも、月次ベースでの損益などの実績把握は行っておく方が有用です。
タイムリーではなくても、直近の実績を頭に入れておくことで、今の決断内容が変わることは十分あり得ます。
新しい物品を購入する、新しいサービスを契約する、などの場合には、まず既存の状況把握から始めることになります。
今現状でコストがこれだけ掛かっていて、それに上乗せする形となるのか、代替的な要素があるので実質的にはその差額だけコストが増えるなど、決断するための材料は多い方が良いでしょう。
月次ベースでも実績を把握することで、金額や重要性が高いモノやサービスに掛けているコストを検討する際に効果を発揮するのはもちろんですが、細部のコストについても同じようなことが言えます。
どんなものにコストが掛かっているかを把握しておいてこそ、不要なものかどうかを検討することが出来ます。
一瞬でも考える
月次ベースで実績を把握する中で、1つや2つのコストについて、それが必要かを判断することは難しいことではないでしょう。
それらの数が増えてくると、把握するのに時間が掛かるようになってきます。
特に、金額的にも大きなものでなければ、飛ばしてしまいがちです。
そんな時でも、一瞬考える時間は必要かなと思っています。
例えば、事務用品でコピー用紙を購入している場合。
紙に印刷したり、コピーすることが多い場合、その購入を迷うことはないでしょう。
これは必要なもの、と一瞬で判断して終わりでも問題ありません。
これが、ペーパーレスの取り組みをしている場合であれば、少し考える必要があります。
以前より購入頻度は減っているか、コピー用紙の在庫があるから使ってしまうのならば、今回は敢えて購入せずに、在庫がない状態で工夫するようにしていくか、など考えていく必要があります。
中には、判断に迷うこともあるでしょう。
毎月契約で利用しているサブスクサービスを見てみると、最近使っていないものがある。
毎月使うわけではないが、月によっては集中して利用することもある。
利用料は毎月支払いしか選べないから、解約は出来ない。
私の場合は、迷ったらとりあえずそのまま継続とすることが多いです。
これは、人によって考え方も違うので、どれが正解ということはないですが、自分なりの基準を持っておくということが大切なのだと思っています。
後で、やっぱり解約しておいても問題なかった、ということはあるでしょうが、金額が僅少で事業に大きな影響がないものであれば、自分なりの納得感があればいいのかなと。
数年後に実を結ぶことも
一瞬でも考えて、とりあえず継続する、購入してみる、と判断した場合でも、今はそれほど活用しているわけでないコストというのもあったりします。
特に事業を始めた当初などは、その取捨選択に迫られる場面が出てくるでしょう。
このシステムを利用すれば、効率的に業務を進められるが、今は数が少ないので、コストを掛けずに、時間を掛けた方がいいのか・・・。
私自身も判断に迷うことが多くあります。
本業に直結するようなコストであれば、多少無理して掛けておいてたとしても、回収できる見込みはあるでしょう。
そうではない細部コストの場合はどうするべきか。
短期的なスパンで考えれば、成果が出ないことであっても、数年後には実を結ぶことがあるかもしれません。
その判断は誰でも出来るわけではなく、明確な答えもないことが多いでしょう。
私の場合は、ある程度基準みたいなものを持って判断するようにしています。
最初から明確な判断基準があったというよりも、失敗を繰り返しながら、自然とそういう考え方になっていったというところですが。
まずは、興味があることかどうか。
これは便利そうとか役に立ちそうというモノは、世の中に溢れています。
そうした情報に揉まれていると、自然と警戒心が芽生えて、一歩引いた目線で見てしまいがちです。
それでも、興味を惹かれるモノというのは、リスクを負ってコストを掛けるモチベーションになり得ます。
そして、ワクワクした気持ちを持てるかどうか。
コストを掛けることに若干の不安はありながら、そのコストを掛けることで、今後の事業がこうなっていくというのを想像して、ワクワクする気持ちが持てるというのは重要な要素だなと実感しています。
おわりに
自分の事業で必要なコストを見ていると、何かしら気付きはあるものです。細部にこだわる必要はありませんが、定期的に見返しておいて損はないかなと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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