武勇伝にしないで経験を語るように

税理士として独立開業して、3年が経ちます。

ちょうど3年前の8月31日が開業登録する前日で、次の日から開業税理士だと感慨に浸っていたのを覚えています。

まだまだ始まったばかりですが、こんな私でも、独立についてや今後のキャリアについての相談を受けることがたまにあります。

伝えられることは限られていますが、出来るだけ有意義な時間になるようにと心掛けています。

もう二度と出来ないぐらい頑張ったかもしれないけれど

人から何か相談を受けたり、参考意見を求められる場合には、それなりに結果を残した成果があると思ってもらえているからでしょう。

税理士資格を取得している、独立開業している。

そういった事実は、そこを目指している人にとっては一つの目安となる部分があります。

私自身も、独立開業しようか考えていた時に、一番に話を聞いたのは、既に独立開業している先輩方でした。

絶対にダメだとまでは思わないですが、同じ職場の上司や同僚に相談しても、立場が違うので、自分が望むようなお話が聞けないのかなと。

相手にもよりますが、私が過去自分の意思で職場を変える時の経験で考えれば、その傾向は強かったです。

本当に自分のことを心配しての助言や意見であれば、素直に聞き入れることが出来たかもしれませんが、自分の立場を守るため、立場を向上させるための機会と捉えていると感じてしまうと、途端に身構えてしまいます。

そういった意味では、今の職場と直接関係がない人の話を聞くというのは、それだけで客観性が確保されているともいえます。

ただ、相談された側としては、せっかくそうした機会を持てたのだからと、力が入ってしまいがちです。

こんなに魅力があるよ、というのをアピールしたい気持ちが先行したり。

決して嘘ではないのですが、良いところがより際立てばいいかなという思いはあります。

もちろん良いことばかりをアピールしても、参考にならないと思うので、大変なこと、苦労したことなども語ることになります。

決して良いことばかりではないですよ、と。

それもまた嘘ではなくて、本当に苦労して、悪戦苦闘しながら今に至るというところでしょう。

その時々の苦労を思い出すと、どれだけ大変だったかという当時の記憶も蘇り、よく乗り越えられたなと思うこともあります。

もう二度と同じことは出来ないかもしれないと思えるぐらい頑張ったこともあるでしょう。

そうした苦労を伝えるために、まるで武勇伝のように語ってしまうというのはよくあることかもしれません。

ただ、それが求められているかは人によるでしょう。

何が参考になるかは分からない

私自身は、独立開業している方のお話を聞く時に、苦労話や武勇伝のような話を聞くのは嫌ではありません。

話す方の話術によるところもあると思いますが、面白おかしくしようとしていなくても、十分楽しめたりするものです。

さすがに、同じ話を何度も聞くとなると、しんどいなと思うかもしれませんが、聞く側の合いの手で何とかなる場合もあるでしょう。

武勇伝のような話を聞くのは嫌ではなくても、参考になるなと感じるかどうかはまた別の問題です。

熱く語っていただくことで、話に惹き込まれることはあっても、自分にあまり関係ない次元の話であれば、参考にはならないと思うこともあります。

反対に、全然関係ない話なのに、その根底の考え方に共感して、参考になると思うことも。

自分が伝える側の場合でも、同じようなことを感じることがあります。

これは自分が一番苦労して、悩みながら何とか達成したということを、熱く語った場合。

自分としてはそれなりに上手く伝えられたかなと思っていても、案外相手に伝わっていないということがあります。

それは相手が悪いわけではなく、自分の伝え方が全然ダメだったというわけでもなく、ただ相手の状況にハマらなかったということなのでしょう。

サラッとついでに言ったようなことで、その時は特に大きな反応はなかったのに、後日とても参考になったとお礼を言われることもあります。

当たり前のことですが、自分の思いが必ずしも相手に響くとは限りません。

これが参考になる、と自分で決め打ちしてしまわないで、相手に伝えることが出来る引き出しを多く用意しておくことが有用なのかなと思っています。

自分自身への振り返りも込めて

ずっと走り続けていると、何が当たり前なのか分からなくなることがあります。

これからの方向性の選択肢が見えないこともあるでしょう。

人に語ることがなくても、自分の武勇伝を自分自身に振りかざしても、いい思い出で終わってしまうものです。

これまでの軌跡を時々振り返って、事実を確認するというのも必要なことだと思います。

人に自分の経験を語る場面があるならば、その時に自分の振り返りを込めて、経験をまんべんなく整理しながら伝えるというのはいい機会です。

自分の子供に、進学や将来の仕事について話をすることがあります。

本当のところはどう思っているのかは分かりませんが、話のニュアンスから推測すると、私が望んだ進学や仕事に就いていると思っているようです。

もちろん全てが上手くいっているわけではないですが、自分の望む方向に進んでいるのかなとは思っています。

ただ、そこに至るまでには回り道や挫折などの経験があってのことです。

諦めたことも覚えてないぐらいあるでしょう。

そうした経験を、武勇伝のように熱く語るでもなく、苦労話を延々するのでもなく、その時々に何を思って行動していたかを出来るだけリアルに伝えられたらいいなと思っています。

おわりに

ふと明日から9月だなと思い、感慨深い気持ちになりました。これからも、少しでも自分の経験が誰かの役に立てる可能性があるなら、喜んでお伝えしていきたいなと思っています。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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