タクシー運転手さんのやさしさへの解釈
先日、ラジオを聴いていたときに、「終電を逃したときのその後の対応」というテーマでリスナーさんからエピソードを募集するというコーナーがありました。
そこで、出て来たのが、終電を逃した駅からタクシーで家まで帰るというエピソード。
私自身も学生の頃に経験したエピソードで、その時は物凄く感謝していたのですが、今思えば少し違った見方もあるのかなと思うようになりました。
終電に乗れないことが確定
大学2回生までは、自宅から大学まで電車で通学していました。
当時は、大阪の豊中市にあるキャンパスに通っていたので、自宅からだとドアtoドアで2時間ぐらいかかりました。
電車に乗っている時間でいうと、大体1時間30分ぐらい。
使う電車は、神戸電鉄・阪急電鉄。
自宅の最寄駅から神戸電鉄の新開地駅までおよそ45分。
そこから阪急電鉄に乗り換えて、神戸線の十三駅までおよそ30分。
十三駅で宝塚線に乗り換えておよそ15分で大学の最寄り駅に到着という感じです。
普段はそれ程不便は感じなかったのですが、やきもきするのは、帰りが夜遅くなる時。
大学生なので、遊びたい気持ちもあって、夜に集まることがあれば、出来るだけ遅くまで残っていたい。
しかしながら、電車の時間があるので、タイムリミットがある。
当時で覚えているのは、阪急電鉄神戸線の十三駅から22時50分ぐらいに出る特急に乗らなければ、自宅の最寄り駅まで辿り着けないということ。
大学に居る場合であれば、22時過ぎには帰路につかないと終電に間に合わないというところです。
阪急電鉄自体は、もっと遅くまで電車が走っているのですが、当時は神戸電鉄の終電が早かったイメージがあります。
大学の最寄り駅から22時30分頃に出発して、自宅の最寄り駅にたどり着く電車が終電を迎えていたように記憶しています。
日頃から電車の時間を気にはしていましたが、その日はなかなか抜けるタイミングが見出せずに、22時20分時点でまだ大学に居る状況。
何とかその場を抜けて、帰路につくも、大学の最寄り駅に着いた時点で、22時30分を過ぎている。
今来た電車に乗れば、何とか22時50分頃に阪急電鉄神戸線の十三駅出発の電車には乗れるかも?
今でこそ、スマホのアプリなどで、手軽に乗換案内などが調べられますが、当時はガラケーが普及し出した頃で、頭の中で時刻表を繋げて目的地を目指すというのが普通でした。
なので、とりあえず行ってみるというのも必要なことでした。
時計をチラチラ見て、ドキドキしながら電車に乗っている間も全然落ち着かず。
十三駅に着いた時には、乗るべき電車が出発する姿を呆然と眺めることになりました。
タクシーを利用してみる
自宅の最寄り駅までは辿り着けないとしても、電車で行けるところまで行ってみようということで、次の快速急行の電車に乗り込みます。
当時は大学生で、お金もそんなになくて、情報もないので、とにかく自宅まで辿り着けることを最終目標として動いていました。
もしかしたら、他の選択肢があったかもしれませんが、その時はそこまで頭が回らず。
何とか、神戸電鉄の新開地駅に到着しましたが、当然乗るべき電車は既に出発してしまっています。
途方に暮れる中で、タクシーという選択肢を思い付きます。
正直なところ、それまで一人でタクシーに乗ったことはなくて、どれぐらいの値段がするか想像も付かず、暗黙のルールみたいなものがあるのかもしれない、と少しビビっている部分はありました。
財布の中には、5千円しかありません。
ここから自宅の最寄り駅まで電車で45分ぐらいなので、5千円では絶対に足りないということは直観で分かりました。
とにかく自宅の最寄り駅に出来るだけ近付かなければ。
乗るべき電車は出発してしまっていましたが、途中の駅まで行ける終電はまだ残っていたので、それに乗ればもう少し近づける。
大体新開地駅と自宅の最寄り駅との中間ぐらいの駅だったので、少しどころかだいぶ近付けます。
とりあえず、そこまでは行ってみようと乗り込みました。
その駅に到着する頃には、確か24時30分を過ぎていて、都会ではないので、人気が全然なく。
ただ、他の駅に比べれば、比較的繁華街の駅だったので、タクシーはすぐに見付けることができました。
タクシー運転手さんに、
「〇〇まで行きたいんですけど、5千円で行けますか?」
とお聞きすると、2~3駅分は足りないとのこと。
それでも、時間を掛けて歩けば帰れるのであればと判断して、
「5千円で行けるところまでお願いします。」
とタクシーに乗り込みました。
そこからは、メーターが上がっていくのを無言で見つめていました。その時には、諦めと安堵感があって、妙に落ち着いていたように記憶しています。
メーターが5千円に近付いたところで、財布を取り出して、降りる準備に入ります。
「この辺りで・・・。」
と言ったところで、おもむろにタクシーの運転手さんがメーターを止めて、
「自宅の最寄り駅まで行ってあげるよ。」
と言ってくれたのでした。
違った見方をしてみると
その時は、初めて1人でタクシーを利用したということもあり、こんなことがあるのか、といたく感激していました。
帰路についてから、2時間超が経過していて、夜中でもあり、ずっと緊張していたのがふと緩んだような感覚でした。
今思えば、そうしたお話というのは、結構あるもので、特別なことではないのかもしれません。
それでも、そうしたやさしに触れることが出来て、感謝を噛みしめていました。
いつか恩返しが出来ないかと、本気で考えていた程でした。
助手席の背もたれの裏に貼られた運転手さんの写真と名前を脳裏に焼き付けようと、凝視していたり。
お礼の言葉を述べて、無事に自宅に到着することが出来ました。
その時は、ただただ、タクシー運転手さんのやさしさに感謝しているだけでしたが、今思えば、その後は大丈夫だったのかなと、思います。
自宅の最寄り駅は、特に栄えているわけではないので、私が降りたところで、他のお客さんを乗せることは難しいでしょう。
どこかお客さんを乗せられるところまで移動する必要があります。
ただ、時間的には、深夜1~2時なので、それも期待出来ないでしょう。
商売的に、メーターを止めてというのはどうだったのだろうか。
私を乗せる時には、他にもお客さんが結構いたので、もう少し割のいい場合があったかもしれません。
余計なお世話ではありますが。
今仕事をする立場になって、自分だったらどうしていたか。
割に合わないことはしないというのも正しい選択だと思います。
自分を犠牲にして行う仕事は極力避けたいところでしょう。
私自身もそうした考え方に共感して、独立開業したところがあります。
それでも、今の仕事を選んだのは、人の助けになりたい、というのが根本にあったりします。
そのことを改めて思い出して、仕事への取り組み方をきちんと考えていきたいなと思います。
おわりに
効率を重視することが先行して、自分の思いというのがないがしろになっていないか。定期的に、振り返っておきたいところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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