繁忙期の内容を確認してみる

2月・3月は税理士業界のいわゆる繁忙期と言われています。

所得税の確定申告の提出期限など、多くの人が関係する締切が一律に定められているのが要因の一つでしょう。

どの業界でも繁忙期というのはあるものでしょうが、その内容については様々です。

簡単に対応策が見付かれば、苦労はないのですが、その内容を確認してみることで見えてくるものもあります。

システム部門時代の繁忙期

新卒で入社した会社で最初に配属されたのは、情報システム部というシステム部門でした。

大学時代もそれまでも、特にパソコンの扱いに長けているなどということはなく。

希望を出した覚えもないので、最初は「?」でした。

業務内容も想像すら出来なかったので、真っ白な状態からのスタート。

パソコンやシステムの保守などの定常業務もありましたが、ほとんどの業務は、依頼があって、システム開発・導入を進めていくというもので、スポット業務に近かったかもしれません。

私が配属された時には、既に部署内で業務の分担は決められていますので、素人に任せられる定常業務などはなく、スポット業務待ちという状態。

なので、最初は普通に暇でした。

定時退社はもちろんのこと、それでも時間が余るので、定時を待っていることも。

今ではなかなか考えられないですが、当時はそれなりに楽しんでいました。

仕事のための勉強をしたり、資格の勉強をしたり。

その頃に、初級システムアドミニストレータ(現在のITパスポート試験のようなもの)の資格を取得しました。

今でも、それらの知識はシステム関係の基礎になっているので、勉強出来たて良かったなと。

仕事以外にもバイクの免許を取りに教習所に通ったり。

今考えると、工夫しなくても自由な時間が確保出来ていた時でした。

ただ、大掛かりなプロジェクトが始まると途端に余裕はなくなります。

全社のパソコン端末を総入替する時には、全国の事業所を回って、設定から動作確認、説明まで行うことになります。

ERPシステムの導入が決まれば、既存システムからの移行ための計画を詰めていくだけでも、年単位の業務になります。

もちろん一人で行っているわけではなく、下っ端なので、その一部に携わるぐらいのものでしたが、結構な業務量になっていました。

システム部門時代の繁忙期は、通常業務よりもスポット業務の割合が圧倒的に多いものでした。

経理部門時代の繁忙期

システム部門に数年在籍したあと、管理部へ異動となりました。

最初は事業部の管理を担当していましたが、そこから経理部門へ業務内容が変わることに。

管理部での業務で特徴的なのは、定常業務が圧倒的に多いということ。

毎日、毎月やるべきことが決まっているような状態です。

それは、明確な期限が決まっている業務が多いということ。

月次決算は何営業日までに行い、この日の取締役会に資料が出せるようにしなければならない。

そのためには、伝票処理・チェックをいつまでに終わらせておいて・・・。

毎年やるべきことが決まっているので、ある意味では時間のコントロールはし易いのかもしれません。

しかしながら、この頃が一番残業時間が多く、大変だったイメージがあります。

それは、決算に付随する業務が集中する時期があること。

毎年のことなので、定常業務といえばそうですが、捉え方としてはスポット業務に近いものがあります。

それが、通常業務に乗っかってくることになります。

通常業務だけでも時には残業しながらこなしているのに、そこに大量のスポット業務が乗っかってくるので、完全にキャパオーバー。

経理部門時代の繁忙期は、通常業務とスポット業務が同じぐらいの割合でしたが、通常業務だけでも手一杯だったので、倍ぐらいの業務量がある状態だったのかなと思います。

税理士事務所の繁忙期

税理士事務所に転職してからは、また一から業務の流れを掴んでいくことになります。

所得税の確定申告の時期が繁忙期というのは噂で聞いていました。

入ってから繁忙期だというのは実感したのですが、事務所にもよるのかなと。

顧客に個人事業主が多い場合には、一般的な所得税申告よりボリュームが増えますが、法人がメインの事務所だと、役員報酬だけであったり、複数箇所からの給与を合算したり、不動産を所有されているので不動産の収支を集計するぐらいのところもあります。

法人の決算月は任意で選択することが出来るので、個人事業主の所得税の確定申告を12月決算とみなせば、その集中度合いは違うけれど、毎月決算がある状態になります。

税理士事務所における通常業務は、多岐に渡りますが、月次処理が大きなウェイトを占めているでしょう。

その総仕上げとして、決算があると考えると、毎年の決算業務はスポット業務ともいえます。

理想としては、通常業務で余力を持たせつつ、決算業務などのスポット業務が入ってきても、対応できるような体制にすることでしょうが、それはあくまで雇われている側の都合かもしれません。

経営する側としては、余力を持たせることは無駄な部分として捉えている感があります。

だからこそ、確定申告などのスポット業務は、時間外対応として残業で賄うしかないのでしょう。

場合によっては、通常業務をストップさせてでも、確定申告を乗り切るというようにしていることもあるようです。

通常業務とスポット業務のバランスというのは大事で、通常業務の負担を減らしつつ、余力がある状態のところにスポット業務を上手く割り振っていければ、適度な業務量で回すことは可能です。

ただ、そのためには、常にその配分を考えながら調整していくことが必須であり、プレイングマネージャーのような立場ではなかなか難しいところです。

私自身も、税理士として独立開業して、自分の采配で業務を割り振れるようになったからこそ、そうした方向に舵を切れているのだと思います。

出来ればこうした方向性を維持しながら、今後も業務のバランスを取り続けたいところです。

おわりに

業務を実行するのと割り振るのは別の思考が必要です。

難しいことをしなくても、それぞれきちんと時間を掛けることが大事なのかなと思っています。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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