自分の思いを改めて第三者から聞いて再確認する

それなりに人生経験を重ねてきて、振り返ってみると、転機のようなものはいくつかありました。

その時には、先が見えない中で決断することもあり、不安がありながらも、強い思いを持っていないと先に進めないということも。

しかしながら、強い思いという曖昧なものだけでは、自分以外の人の理解を得ることが難しいことがあるものです。

そんな時には、自分の思いを改めて第三者から聞くことで再確認できることもあります。

本当に転職するの?

私の場合は、第三者というのは妻であることがほとんどです。

第三者と言っても、人によってどういう人が当てはまるかは変わってきます。

私の場合は、それだけ近い人でなければ、心が動くということがなかったというところです。

新卒で入社した会社を辞めて、税理士業界へ転職しようと考えたのは、入社して7年ぐらい経った頃でした。

経理の部門に異動して、税務会計に携わるようになり、顧問税理士の方と接する中で、税理士という仕事に興味を持つようになり、税理士資格の取得を目指すようになりました。

当初は、その会社に勤めながら、税理士資格の取得を目指していて、まずは簿記論の勉強から始めることに。

当時は経理の部門は忙しくて、平日はほとんど残業、土日祝日も決算の時には出勤することもあり、勉強時間の確保というのは当初からの課題でした。

税理士試験の勉強のペースというのが分からなかったので、とりあえず専門学校に通って授業を受けるスタイルで挑むことにしました。

簿記3級・2級を独学で受験して、苦戦したという経験が大きかったのかもしれません。

平日であれば、週2回の授業を受ける必要があるのですが、仕事で毎回行けるかどうかは分からない。

土日のコースはないのかなと探していると、日曜日のロングコースというのがありました。

平日の週2回の授業を1日で受けるというもの。

これは自分の状況にピッタリだと思い、早速申し込みました。

しかしながら、現実はそんなに甘くなく、2日に分けて行う授業を1日にまとめるというのは、私としてはかなりしんどいものでした。

復習や宿題が一気に出て来るので、1週間の猶予があるとはいえ、平日にほとんど時間が取れないとなると、とても間に合わない。

こうして前回の内容を消化しないまま、次の授業が始まるという状況が続き、最終的には試験の申込みをしない、という惨敗の結果となりました。

そこで、現状では税理士試験の勉強が出来ないと判断して、税理士業界への転職を考えたのでした。

話の流れとしては、そんなに矛盾はないとは思うのですが、ある意味勢いみたいなところがあったのだと思います。

そんな時に、妻から改めて、本当に転職するの?と改めて聞かれました。

そこで私も改めて再確認してみることに。

税理士業界に転職したとして、税理士試験の勉強がし易いとは限らないのではないか。

それ以外の生活のための条件などはどう考えるべきか。

・・・

自分の思いの強さを再確認したものの、自分以外への配慮や考えるべきことがまだまだあったのだと気付かされたのでした。

税理士になりたいんやんな?

こうして税理士業界へ転職することになり、新たな仕事と勉強をスタートさせました。

最初から順調に行くとは思っていませんでしたが、結果が不合格となれば、やっぱりしんどいものです。

1年掛けて勉強したことの結果でもあるので、合格出来ないとなれば、全てが無駄になってしまったのではという感覚でしょうか。

もちろん、不合格でも、そこから更に勉強を積み重ねることで、次の合格に繋がることもあるので、無駄ではないのでは、ということも頭では分かっています。

ただ、結果を見ると、シロかクロかなので、その差は歴然です。

そこからパッと切り替えて、すぐに次に向かうこともありますが、少し引きずってしまうことも。

特に、今までにないぐらい頑張って、やれることはやったという自負がある時には、その反動も大きいもの。

これでダメやったら、どうしたらいいのか?

そうした時にはネガティブな思考で、不安を口にしてしまうこともありました。

そんな時に、税理士になりたいんやんな?という主旨のことを何度か妻に改めて聞かれたことがあります。

主旨としているのは、その時々で表現が違っていたり、記憶が曖昧だったりしていて、確かそういうニュアンスだったなというところです。

自分の思いと覚悟を持って転職してきたということは自覚しているけれど、改めて第三者から、税理士になるために勉強していることを聞かれることで再確認したのでした。

仕事に追われないようにしたいんやんな?

税理士として独立開業しようと思った時には、仕事との向き合い方を改めて考えようと思い立ちました。

仕事が中心の生活をしてきて、それがダメだったとか、悪かったとは一概には言えません。

ありきたりな表現ですが、良かったこともあれば、悪かったこともあるというのが本音のところです。

ただ、これまで仕事の比重が高かったので、せっかく自分で時間をコントロールし易くなるのであれば、仕事の比重を低くしてみるのもいいのではと思うようになりました。

仕事の比重とは、主に時間の多寡。

1日のほとんどを仕事に関係する時間に費やしていたのを、減らしていく。

仕事に追われないようにする、というところです。

そのために、仕事のやり方を変えていきながら、仕事の量も減らしていく。

あるいは増やさない、増やし方を自分でコントロールする。

ただ、生活のために一定の収入は確保していく必要があります。

仕事の量を減らせば、収入も減ってしまうので、そのバランスは見極めておきたいところです。

事務所の規模拡大をただ目指すわけではない。

そう思ってはいても、他の事務所の状況を聞いて、心がざわつくこともあります。

そうした葛藤みたいなものを言葉にしているときに、妻から、仕事に追われないようにしたいんやんな?という主旨のことをふと聞かれました。

こうした思いというのは、あまり同業者や周りの方に共有しているものではないので、自分以外の人から改めて言葉で伝えられると、ドキッとしました。

でも、確かにそう言っていて、そのために毎日出来ることをコツコツと続けている。

派手ではないけれど、自分が目指しているところを改めて再確認することが出来ました。

そして、自分の思いをしっかり受け止めていてくれていたことが何より嬉しかったり。

自分の思いがあるならば、言葉にして伝えておくことの大事さに気付いた出来事でもありました。

おわりに

自分の思いをしっかり考えているならば、それを伝える努力もまた同じぐらい必要なのかなと思っています。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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