「忙しい」で得るもの失うもの
仕事が「忙しい」というのは、良いことなのか悪いことなのか。
人それぞれと言ってしまえば、それまでですが、色んな考え方があるものです。
「忙しい」の捉え方
私自身には、特にこれ!といった一貫した考え方というのはありません。
人並みに、世間一般の考え方に流されながら、生きてきました。
給料をもらう労働を仕事とするならば、初めて仕事をしたのはアルバイト。
高校卒業から大学入学までの期間に、短期アルバイトから始めていきました。
そこから、スーパーやラーメン屋さんなどいくつかのアルバイトを経験しました。
共通していたのは、時給制でシフトに従って勤務するということ。
どんなに暇でも、忙しくても、同じ時間勤務すれば、同じ給料。
当時の自分としては、忙しくない方がいいに決まっています。
アルバイトをしていた目的は、勤労意欲を満たすためというわけではなく、生活費の一部と遊ぶお金を稼ぐため。
ラクして稼ぎたいわけではないですが、しんどいことを望むわけではない。
そんなに変わった考え方でもなかったかなと。
大学を卒業して、社会人になると、少し様相が変わってきました。
正社員の場合は、決められた就業時間があって、固定給ではありながら、時間外労働については残業代が出ることもあり、アルバイトとは違うところがあります。
ただ、大枠で言えば、勤務に応じた給料という考え方は変わらないかなと。
だったら、アルバイトの時と同じように、忙しくない方がいいのでは。
そう思うところですが、どうやら忙しい方がいいのかもしれない。
残業代が出るという前提であれば、給料が増える。
それもありますが、一番は忙しい人の評価が高いという雰囲気があったこと。
今この記事を書いているのは2024年3月6日で、私が社会人になった頃というと、20年以上前のことです。
もちろん、私が経験していた周りの環境だったので、そうではないところもあったと思います。
でも、大きな流れとしては、そんなに外れていないかなと。
それから、20年以上経って、世間的な考え方も少しづつ変化してきており、忙しくないことを推奨するような流れを感じるようになりました。
仕事だけに生きない、自分の時間を大切にする。
環境が変わったというのもありますが、私自身もそういった世間の波にもれなく追随しているところです。
「忙しい」で得るもの
仕事が「忙しい」ことの良し悪しは、今でもよく分かりません。
良いこともあれば、悪いこともある。
人それぞれではありますが、私自身で考えた場合にどうだったか。
「忙しい」という言葉を発したり、そういう雰囲気を出すことで、得られるものというのは確かにあります。
これ以上忙しくならないための防御であったり、牽制という意味合い。
これは、実際にそれ程忙しくない時にも使えてしまうので、気を付ける必要があると思っています。
忙しくないという前提は別として、「忙しい」で本来自分のやるべきことでないことを回避できるというのは大きいかなと。
特に、勤務をしていた頃には、仕事はいくらでも溢れてくるものでした。
それが収入に繋がるかは別ですが。
中には、それは要らないのではと思うような仕事も。
でも、自分の判断だけでは決めることが出来ない。
そうした時に、「忙しい」というのは、自分を守るための、一つのツールになります。
税理士として独立開業してからは、組織の内部で自分を守る必要はなくなりましたが、対外的なところではより大きな防御が必要な場面が増えてきました。
基本は自分で何でも決めることが出来る、と言っても、やっぱりしがらみはあります。
そうしたところに対応出来るというのは、「忙しい」で得られるものの一つかなと。
「忙しい」で失うもの
反対に、「忙しい」で失うものはないか。
まず思い付くのは、信頼。
本当に「忙しい」のであれば、仕方ないですが、自分の都合の良いように使い過ぎると、周りの信頼を失うことになりかねません。
中には、相手が本当に「忙しい」状態でも、依頼を断られることで、不信感を持つということはあり得ます。
「忙しい」という言葉を発したり、そういう雰囲気を出す時には、それなりの責任があるということを自覚する必要があるかなと。
私自身も、上手くコントロールしていたつもりでしたが、相手にとっては不服だったようで、段々と仕事の依頼が来なくなるということがありました。
相手が悪いというわけではありませんが、自分が思うようになることばかりではないというのを心に留めておくきっかけになりました。
次に思い付くのは、チャンス。
「忙しい」というのは、今の状況が一杯だということ。
それは、他のことを受け入れられないことを表明していることになります。
自分の許容量には限界があるのだから、それは仕方ないとしても、今の状況が全て望むことで一杯になっているのかどうか。
本当は、これよりも他のことに自分の許容量を使いたいと思っている。
そうした時には、自分が望む仕事が舞い込むチャンスを逃すことになるかもしれません。
先日、仕事が集中するいわゆる繁忙期に、新しい仕事のお話をいただく機会がありました。
「忙しい時期にすいません・・・」と言われながらも、自分自身は「忙しい」という言葉を発したり、そういう雰囲気を出さないようにしていました。
もしかしたら、「忙しい」としていたら、このお話しはなかったかもしれません。
得るもの・失うものは表裏一体の部分もありますが、少なくとも判断するチャンスを得られたのは良かったのかなと。
「忙しい」で失うものは、表に出て来ないことが多いので、知らぬ間に失っていることがないようにしたいものです。
おわりに
最近は「忙しい」と言葉で発することは減ったように感じています。
実際に忙しくないということもあるかもしれませんが、少し意識しているところもあります。
今は「忙しい」を感じさせないフェーズなのかもしれません。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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