言ったもん勝ちになり過ぎないように
声が大きい人の方が有利。
声量という意味だけでなく、声を上げることで、自分に有利な条件を引き寄せる。
全てに当てはまるわけではないですが、そういった場面を見聞きすることがあります。
素直にスゴイなと思う反面、自分には出来ないかもと思う部分も。
それは、性格的なものもありますが、言ったもん勝ちになり過ぎることを懸念しているからかもしれません。
同じサービスなのに
税理士として独立開業してから、仕事で利用するサービスの選択をする機会が圧倒的に増えました。
特に、有料となる場合には、サービス内容と掛かるコストとの兼ね合いで、実際に導入するかを考えることになります。
仕事で利用するものなので、無料にこだわることなく、有料でも使えるものは積極的に導入していく。
基本的には、そういうスタンスで検討するようにしています。
ただ、開業当初は資金の問題もあって、何でもかんでも導入というわけには行かず。
コストがネックになって、導入を見送ったものも多くありました。
ある時、新たに仕事で利用したいサービスの情報を得て、導入を検討することになりました。
そのサービスは、初期費用と月額料金が掛かるというもの。
上手く活用出来れば、月額料金に見合うぐらいの効果は出せそうな試算。
でも、初期費用となるまとまった金額の捻出は、資金的には厳しい状況。
営業担当者の方と何度か面談をして、結局は今すぐの導入は難しいということで、見送ることになりました。
ただ、導入を諦めたわけではなく。
それから1年後ぐらいに、ある程度資金の余裕が出て来たこと、助成金が一部使えること、などの条件もあって導入することになりました。
初期費用と月額料金は掛かりますが、それに見合う効果が得られると納得した上での導入でした。
その後、たまたま見掛けた広告で、初期費用が無料となるキャンペーンがあるというのを知りました。
商売をしていく中で、そういった営業があるのは重々承知していますし、それがダメだとも思いません。
むしろ企業努力の一つなので、見習うべきところでしょう。
ただ、同じサービスを受けるのに、掛かるコストに差があることを知ってしまうと、何か引っ掛かるものがあるというのが正直なところです。
もしかしたら、言ったもん勝ちになっている人がいるのかもしれない。
最低限自分が提供するサービスにおいては、言ったもん勝ちになり過ぎないようにしたいと思うようになりました。
安易な値引きをしない
サービスという目に見えないモノを提供する場合、値付けというのは難しいものです。
税理士として提供するサービスにおいても同じかなと。
特に、顧問契約をして毎月顧問料をいただく場合には、提供するサービス内容を全て明確に提示することが難しいもの。
最終的には、自分が納得出来る料金体系を定めて、提示することが多いかなと。
いわゆる定価というものです。
人によっては、定価はあってないようなもの、ということで値引きが前提と考えている場合もあるでしょう。
それが間違いだとは思いません。
ただ、自分が提供するサービスについては、定価を大事にしていきたいと思っています。
自分が納得して提示している定価なので、安易な値引きはしないように。
自分が正しいとか、それだけの価値があるとか、偉そうにしたいわけではありません。
料金体系については事務所ホームページで公開しており、それを確認いただき、納得した上でお支払いをいただいている方がいます。
単発の方もいれば、継続の方もいらっしゃいます。
それぞれの状況により、対応の仕方が多少変わることもありますが、基本的には提供できるサービスに大きな差異はありません。
それなのに、値引きが言ったもん勝ちになってしまう。
そうした事態は避けたいと思っているので、安易な値引きはしないようにと心に留めています。
優先順位を変えない
私が請け負う仕事には、法定の期限があって、それに間に合わせるために、必要資料の収集の期限を別で設定するということがあります。
もちろん、法定の期限を守ることが第一であり、別で設定している期限には余裕を持たせるようにしています。
別で設定している期限は、あくまで任意の期限。
多少遅れても、直ちにペナルティが発生するものではありません。
同じ法定期限でも、顧客によって任意の期限への取り組み方は様々です。
①期限までに余裕がある状態で収集が出来る方。
②期限ギリギリで収集できる方。
③期限を過ぎてから収集できる方。
優先順位としては①→②→③となります。
当たり前のことではあるのですが、この優先順位の通りに出来ることばかりではないというのが難しいところ。
期限を過ぎてからの収集なのに、向こうの都合で法定期限よりも早く完成させて欲しいとお願いされる。
以前であれば、緊急性があるかどうかにもよりますが、出来るだけ要望に応えられるように、残業や休日出勤してでも間に合わすように無理をしていました。
何なら、①期限までに余裕がある状態で収集が出来る方、の予定を押しのけて対応することも。
もちろん、それで法定期限を過ぎてしまうことはありませんが、法定期限ギリギリになってしまうことも。
開業してある程度の年数が経った今だからこそというのもありますが、今はそうした優先順位は変えないようにしています。
どんなに声が大きくても、任意の期限を守ってくれた方を優先させる。
全てにおいて徹底して割り切れているわけではないですが、言ったもん勝ちになり過ぎないように心に留めるようにしています。
おわりに
任意の期限が過ぎると、法定の期限までの期間が短くなるので、必要以上に心が圧迫されるもの。
自分に出来ることは限られていると割り切ることで、少しだけ心の余裕を取り戻せるものです。
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この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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