賞与を支給する時のキホン
会社員から事業主になると、色々な変化に戸惑うことがあります。
今までは給料をもらう立場だったのが、人を雇うようになると、給料を支払う立場になる。
待ち遠しかった賞与も支払う側になれば、色々と考えたり、手続きしておくことがあります。
賞与の金額を決める
賞与をもらう立場であれば、金額が多いに越したことはないですが、支払う側になれば、思い付きだけで決めるわけにはいかず。
人を雇う時には、条件などを明示して、お互いに合意しておく必要があります。
それは、労働契約という形で契約書に残しておくのが一般的でしょう。
賞与は絶対に支給しないといけないものではないので、賞与がない旨を明記しておけば、支給しなくても問題はありません。
ただ、多くの事業所では、金額の多寡は別にして、賞与自体は支給していることが多いようなので、賞与がないことで人材の確保が難しくなるというのは避けたいところです。
賞与の金額の決め方は自由ですが、固定給の方であれば、基本給の〇ヶ月分という決め方が一般的でしょうか。
パート・アルバイトの方にも、寸志という形で賞与を支給しているケースもあるでしょう。
その時にも、1ヵ月の給与の金額などを目安にして決めている場合もあります。
労働契約書などに、賞与の金額の決め方が明示されている場合には、その方法に従って計算するだけです。
明確に決められていない場合でも、何らか目安となるものは残しておきたいものです。
従業員数がそれほど多くない場合であれば、簡単にこれまでの賞与支給の実績の推移を作っておくのも一つの方法です。
別途資料を作成するとなると、効率化の観点からは非効率と思われるかもしれませんが、向き合う時間というのは必要なものです。
手間暇を掛けたから価値が出るわけではありませんが、人に関することだからこそ丁寧さは必要かなと。
書式に決まりはありませんが、人ごとに金額の推移を羅列するだけでも、参考になる部分はあります。
既に退職された方の分も含めて管理することで、勤続年数に応じた金額の参考としたり。
合計を入れておけば、増減額が目に見えて分かることになります。
賞与明細の作成
賞与の金額が決まれば、控除する所得税や社会保険料の計算を行っていくことになります。
健康保険料・介護保険料については、厚生年金保険とセットの全国健康保険協会(協会けんぽ)管掌の健康保険であれば、厚生年金保険料と同様に、一定の割合で計算した金額を控除することになります。
日本年金機構ホームページ
厚生年金保険料率 令和6年度
一般・坑内員・船員の被保険者の方(令和6年度版)(PDF 329KB)
それ以外の国保の場合は、賞与から控除する金額というのは基本的にはありません。
雇用保険料については、給与と同様に該当する雇用保険料率を乗じて計算することになります。
賞与に係る源泉所得税の計算の仕方などについては、別の記事でも取り上げていますので、そちらをご参照ください。
住民税の特別徴収については、賞与からは天引きする必要はありません。
賞与がない場合もあるので、あくまで給与からの天引きを基本としているのでしょう。
こうして差引支給額を算定して、振込み等で支給することになります。
届出等を行う
賞与明細の作成の際に計算した社会保険料ですが、その内容を届出するものもあります。
例えば、厚生年金保険とセットの全国健康保険協会(協会けんぽ)管掌の健康保険。
日本年金機構ホームページ
従業員に賞与を支給したときの手続き
この届出書を提出することで、賞与に係る社会保険料を給料に係る社会保険料と合わせて徴収されることになります。
おわりに
賞与を支給するというだけでも、色んな手続きが必要となります。
それらも含めて賞与を支給するという認識が必要なのだと思っています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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