自動連携していても最低限確認しておくこと
会計に関係する業務といえば、帳簿付けというイメージがあるかもしれません。
文字通り、帳簿に取引などを付けていくというもの。
最近では、クラウド会計などが浸透してきて、口座明細やクレジットカード明細と会計ソフトが自動連携する機能が重宝されるようになってきました。
紙の明細を見ながら、会計ソフトに一つ一つの取引を入力していくのではなく、そのままデータとして取り込む。
非常に便利であり、うまく使いこなせば、時間の短縮などにも繋がるものです。
ただ、自動といっても何もしないわけにはいきません。
明細は必要
クラウド会計のメリットの一つとして、取っ付きやすさというのがあります。
会計の専門的な知識がなくても、用意された選択肢に答えていくことで、会計仕訳を自動的に登録することが出来る。
例えば、10/15にA商店に100,000円の現金売上があった場合。
会計仕訳としては、
10/15 現金 / 売上高 100,000 A商店
というものが考えられます。
慣れていれば簡単かもしれませんが、会計の知識がなければ、簡単にはいきません。
これが、
売上があった日は? → 10/15
代金の受取方法は? → 現金
代金の受領日は? → 10/15
相手先は? → A商店
と答えていくことで、会計仕訳が自動的に登録される。
会計仕訳を意識しなくても、帳簿付けをすることが出来ます。
銀行口座の明細やクレジットカードの明細を自動連携する際にも、通帳のコピーやクレジットカードの明細を準備しなくても、同じ情報が会計ソフトに直接取り込まれるので、元資料を意識することなく、帳簿付けを進めることが出来ます。
効率化という点では非常に便利な機能ではあり、上手く使いこなしている事業者の方もいらっしゃいますが、勘違いが起こることもあります。
会計ソフトに明細データがあるから、口座の明細やクレジットカードの明細などの資料は保存していない。
こういった事例に定期的に遭遇することがあります。
帳簿の保存と書類の保存は別のものであり、帳簿があれば、その元資料となる書類は不要というわけではありません。
もちろん、特例的に帳簿の保存のみが要件となっている場合もありますが、限定的なケースになります。
あくまで自動連携は帳簿付けの便利なツールであり、それで全てが完結するわけではないということは意識しておいた方がいいでしょう。
定期的に残高等を合わせておく
自動連携をしていても、明細は必要。
これは、法令で決まっているというのもありますが、他にも理由があります。
それは、確認のためです。
自動連携といっても、完全というわけではありません。
システム上の欠陥があることは稀ですが、ゼロではありません。
どちらかというと、システムを扱う人的なミスが多い印象です。
そうしたことへの対処方法として、定期的に残高等を合わせておくというのは有用な予防策になります。
会計入力のチェックなどをご依頼いただく際に、たまに言われるのが、口座明細などは自動連携しているので大丈夫です、ということ。
もちろんきっちりされている場合もありますが、大抵の場合は、何かしらのズレが生じていることが多いかなと。
帳簿の残高と口座の残高が合わない。
帳簿の残高が大きくマイナスになっている。
・・・
お聞きしてみると、自動連携で取り込まれた明細の内容などは確認しているが、残高のチェックはしたことがない。
こうしたケースがほとんどです。
もちろん、会計システム側で色んなアラートを出して、注意喚起を促す仕組みなどもありますが、分からないときは分かりません。
残高の確認というのは意識しておきたいところです。
代替方法の確認
自動連携は便利な機能ですが、いつでも万能というわけではありません。
取込先の会計ソフト側のメンテナンスなどの都合であったり、取込元の金融機関やカード会社のメンテナンスなどの都合で、不定期にその機能が使えない期間があったりします。
その時に、どうするかというのは考えておいた方がいいでしょう。
この日にまとめて会計処理をしてしまおうと思っても、自動連携機能が使えないため、会計処理が進まない事態というのは避けたいところです。
手動入力で対応するのか。
そのためには、明細資料の準備が必要となります。
時間的な制約も確認する必要があるかもしれません。
自動連携の機能が使えたら2時間で終わるところ、手動入力だったらどれぐらいで終われそうか。
スケジュールの組み直しが必要かもしれません。
明細をCSVファイルなどのデータで取得して、別の方法で取り込むことが可能かもしれない。
いきなりその方法を試すよりも、事前に確認しておく方が効率的でしょう。
一つの方法に依存しないというのも効率化にとっては必要なことなのだと思っています。
おわりに
便利なツールがどんどん出てきて、どんどん時間が余るのかと思えばそういうわけでもなく。
基本はやっぱり押さえておかないといけないようです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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