拡大しないという戦略？こだわり？

商品を提供したり、サービスを提供したり、事業をしていると色んな戦略を考えることになります。

そして、自分のこだわりとの間で悩む。

何が正解なのか、すぐには答えが出ないことが多いですが、人に流され過ぎずにいたいものです。

個数の上限を決めている

先日、旅行に出掛けるにあたって、せっかくだからこのお店でお土産を買って帰りたいという話になりました。

私は知らなかったのですが、有名な和菓子のお店で、なかなか買えない商品があるとのこと。

でも、今の時代であれば、ネットで取り寄せたり、注文したりすれば、なかなか買えないということもないのではないか。

そんな風に思っていました。

最終手段としては、行列に並べばいいだろうし。

事前に予約は出来るようなので、日程が近付いてきたら、また考えればいい。

１週間前ぐらいになったので、いざ予約をしようということになりました。

予約方法は電話のみ。

名前と連絡先を伝えて、取りに行く日時と個数を注文すれば完了です。

特に難しい工程はありませんが、かなり苦労することになりました。

とにかく電話が繋がらない。

電話受付時間は、9～17時。

初日は、空いた時間に電話してみるも繋がらない。

2日目も同じように空いた時間に電話してみるもやっぱり繋がらない。

コール音すら鳴らず、ずっと通話中という状態です。

これはマズいと思い、何回も電話を掛けるも、やっぱり繋がらず。

朝一番に掛けてみたり、夕方の終わりに近い時間に掛けてみたりするも、まだ繋がらない。

諦めかけた時に、昼間にふと電話を掛けてみると、コール音が聞こえました。

何十回と掛けて、初めてのコール音です。

でも、なかなか電話に出ない。

これを切ってしまったら、もう繋がらないのではと思い、もう少し粘ってみる。

すると、ようやくガチャっと電話に出てもらえたのでした。

無事に、注文を済ませて予約は完了。

よくよく確認してみると、日持ちがしないので、注文があった数しか作らないようにしていて、1日に作れる個数の上限に達したら、締切りされているとのことでした。

拡大を考えれば

こうした商品の提供を、事業として考えた場合、もったいないと思う人もいるかもしれません。

電話が繋がらないぐらい注文がある商品があって、先々までの予約も埋まっている。

タイミングによっては、注文を断念している場合もあるので、その失われた注文数というのはかなりの数があるでしょう。

需要に対応して、拡大も視野に入れるのであれば、1日の生産量を増やすなどの施策が考えられます。

職人を増やす。

機械を導入する。

販売員を増やす。

ネット注文を導入する。

・・・

など、他でも成功例のある拡大の方法はいくつもあります。

ただ、そのお店はそれらの方法を選ばなかったということでしょう。

慢心があるようには思えません。

あるのは、こだわりなのでしょう。

実際のところ、他の商品はネット注文やお取り寄せが出来るようにされています。

全てを需要に合わす必要はないのかもしれません。

自分のサービスに置き換えてみれば

私自身は、税理士業界で独立開業しています。

提供するのは、形のある商品ではなく、目に見えにくいサービス。

ざっくり言えば、事業者の方に税務会計に係るサービスを提供するというのが主なところです。

事業者の方と顧問契約を締結して、毎月顧問料をいただくというのが一番多い形でしょう。

拡大するために、顧問契約数を増やして、顧問料などの売上を増やしていく。

ある意味シンプルな構造です。

顧問契約数が増えれば、提供するサービスが増えるので、人手も増やす必要があります。

そう考えると、人を雇わずひとりで事務所を運営するとなると、顧問契約数の上限が出てきます。

もちろん、人によって多少の違いはあるでしょうが、一定の質を保つためには、制限なしに受けるわけにはいかない。

でも、そうすると売上が頭打ちになってしまう。

悩ましいところです。

色んな考え方や戦略がありますが、私にとっては、この顧問契約というサービスが、和菓子屋さんのこだわりに当たるのかなと思っています。

注文が殺到するわけではないですが、いただくお話を全て受けるわけにはいかない。

一定の質を保つためには、私には制限が必要だと考えています。

ただ、それだけだと見える世界が狭まってしまうかもしれません。

そのため、単発サービスなど顧問業務とは別のサービスも用意するようにしておく。

売上とのバランスもありますが、拡大しない戦略とこだわりを上手く使い分けていきたいところです。

おわりに

最近はネットで完結することが多くなってきたので、電話注文で苦労するというのが衝撃的で新鮮でした。

特に嫌な気になるところはなかったので、こういう商品やサービスがあってもいいのかなとは思っています。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました！

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
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