マイホームを売る時に確認しておくべき税金の基本
生活の基盤となるマイホームを売る時には、金額の大きさもあり、色んな不安が出て来るものです。
不安の一つとして、税金関係がどうなるのか?というのは、よく聞かれるところです。
先日も、マイホームを売るとした場合、税金関係でどういった影響があるのかというご相談がありました。
不動産に関わる税金は複雑なところもありますが、まずは取っ掛かりとなる基本的なイメージを持つということが大事かなと思っています。
今回は、マイホームを売る時に確認しておくべき税金の基本について、取り上げてみます。
なお、これらの情報は、2023年7月24日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
確定申告の区分は譲渡所得
個人に係る税金については、主に所得税・住民税などがありますが、ここでは所得税について取り上げていきます。
所得税については、簡単に言えば、個人に係る所得を集計して、その所得に税率を掛けることで税金を計算します。
確定申告書の書式であれば、下記の赤枠の部分となります。
国税庁ホームページ
令和4年分所得税及び復興特別所得税の手引き(PDF/31,865KB)
上図のように所得には複数の区分があり、それぞれに所得金額を求めることになります。
厳密に言えば、全ての区分の所得を合算して、一律に税率を掛けて税金を計算するわけではなく、税金計算自体を別で行う場合があります。
いわゆる分離課税と呼ばれるもので、マイホームなど不動産を売った時の譲渡所得という区分も分離課税に該当することになります。
国税庁ホームページ
No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
不動産の場合であれば、その所有期間によって、税金の計算方法が変わってきます。
例えば、所有期間が5年を超える場合には、長期譲渡所得として、下記のような税額計算となります。
国税庁ホームページ
No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
それぞれに税額を計算した後に合算するというイメージです。
譲渡所得がプラスとなる場合
譲渡所得がプラスとなる場合とは、前項の譲渡所得の計算のしかたにあるとおり、
マイホームを売った金額 > マイホームの取得費
となる場合になります。
取得費5,000のマイホームを8,000で売ったときには、
譲渡所得は、8,000ー5,000=3,000となります。
通常は、その譲渡所得に税率を掛けて、税額を計算することになりますが、マイホームの場合には、条件を満たせば、特別控除というものが適用出来ます。
国税庁ホームページ
No.3302 マイホームを売ったときの特例
適用するための条件は、細かく規定されています。
国税庁ホームページ
No.3302 マイホームを売ったときの特例
譲渡所得に係る税金の計算の際に、3,000万円の特別控除を引いた後に、税率を掛ける。
ざっくり言えば、マイホームに係る譲渡所得が3,000万円以下の場合には、要件を満たせば、税金が掛からないというということになります。
譲渡所得がマイナスとなる場合
譲渡所得がマイナスとなる場合とは、前々項の譲渡所得の計算のしかたにあるとおり、
マイホームを売った金額 < マイホームの取得費
となる場合になります。
取得費5,000のマイホームを4,000で売ったときには、
譲渡所得は、4,000ー5,000=△1,000となります。
通常は、それ以外に譲渡所得がなければ、譲渡所得をゼロとして税額はなしとなるだけですが、マイホームの場合には、条件を満たせば他の所得から譲渡所得のマイナス分を控除して税額計算をすることが出来ます。
国税庁ホームページ
No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
適用するための条件は細かく規定されています。
国税庁ホームページ
No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
他の所得からマイホームに係る譲渡所得のマイナス分を差し引いて税金を計算出来るため、その分税金の負担を減らすことが出来ます。
もちろん、マイホームを売った時に損失が出ているので、お得になっているわけではありませんが、損失部分の負担を少しでも減らせるという効果はあるので、条件を満たすのであれば、適用しておきたいところです。
おわりに
マイホームを売ろうと考えた時には、事前に想定される税金についてイメージしておくことで、税負担が変わってくることもあります。
事実を曲げることは出来ませんが、想定した事実になるように計画しておくことは有用といえるでしょう。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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