税理士試験の転機

今まで色々な失敗を繰り返してきた中で、上手くいったなと思えるときには、何らかのきっかけというものがありました。誰も思い付かないような世紀の大発見というものではありませんが、自分にとってはある時急にふとひらめくような感覚の時があり、大袈裟に言えば何かが降りてきた感じです。冷静に考えてみると、そんな大層なことではないのですが、先が見えないときに、光が射してきたように進むべき方向が見えたことで、迷いがなくなり、邁進できるのだと思います。
税理士試験は社会人になってから勉強をはじめたこともあり、その勉強の仕方に苦労したので、自分なりの勉強方法を決めるのに随分時間がかかりました。一つ一つ迷いながらですが、その時々で転機となったことがありましたので、記録しておきたいと思います。

税理士事務所に転職

税理士を目指そうと思い、税理士試験に挑戦し始めたのは、大学卒業後に就職した一般企業で経理をしていた時でした。その辺りの事情はこちらも参照。
税理士を目指したきっかけ(後編)
経理の仕事をしていて、その時に受験しようとしていたのが簿記論だったため、全く関係ないことはなかったのですが、周りに同じように勉強している方がいるわけでもなく、日々の仕事に追われながら、専門学校で毎週日曜日にある2コマ分の授業を1日で行うロングコースに通っていました。働いていた会社は上場会社で3月決算だったため、4月に入ってから怒涛の業務量となり、専門学校に行くだけで手一杯で、決められた復習や課題まで手が回らなくなり、授業内容に追いつかなくなってきている状態に陥りました。これでは絶対ダメだと思い、試験の申込さえ断念してしまいました。

この経験から、自分にとってはメインで別の仕事をしながら、勉強を続けていくことは向いていないと実感しました。仕事と勉強が同じ方向を向いているものを選ぶべきだと思い、税理士業界で働くことを考えるようになりました。転職活動を行うにあたり、当時の年収などを勘案しても、年収の減少は避けることは出来ず、家族の行く末も考えての決断となるので、悩み迷いましたが、結果的には収入面なども徐々に転職前と遜色なくなり、税理士資格も取得して、独立する運びとなったので、今となってはその決断で良かったと思えます。

理論暗記の方法

学生時代から決められたことをすぐに暗記するとういうのは苦手でした。何でそんなこと覚えてるの?ということや時間を掛けて覚えたことに対する記憶力は良かったのですが。税理士試験における理論は、もちろん税法の暗記だけで対応できるわけではないですが、暗記は一つの方法で避けては通れないものだと思っています。机に向かってテキストを見ながら暗記する、部屋をウロウロしながらブツブツとつぶやきながら暗記するというのは、苦手意識もあり、とても苦痛でした。

ある日、仕事の関係で音声収録のセミナーを聴こうと思ったのですが、パソコンを開いて部屋でじっと聴く時間がなかったので、当時持っていポータブルメディアプレイヤーに音声データを入れて、帰宅の時にイヤホンで聞きながら帰っていました。その中でたまたま税理士試験の効率的な勉強法の紹介のようなものがあり、暗記は体を動かしながらする方が定着し易いというような紹介がありました。それを歩きながら聴いていたので余計そう感じたのかもしれませんが、「これだ!」と何か降りてきたように感じました。それから、自分の声の方がより認識し易く頭に残りやすいなどの情報もプラスされて、早速ICレコーダーを購入して、税法の理論を授業で進む度に録音して、仕事の行き帰り、専門学校の行き帰りに聴くようにしました。続けることが大事だと当時から感じていたので、1日1分でも聴くことを心掛けて、時間に余裕があれば、電車で移動する際もひと駅分は歩いてその時間を暗記の時間に充てるようにしていました。

じっとしているよりも動いている方が気分も紛れるので、自分の性分には合っていたのかなと思います。全ての人に効果的なものというよりも自分にとって続けやすいことを見つけるということがポイントかなと思うのですが、それがなかなか難しいものです。偶然というものも味方につけながら、運も大事な要素だなと感じています。

大学院へ行く

私は、修士論文を提出して税法2科目の免除(いわゆる院免)で税理士試験に合格しました。どっちが良いかなどの話は私には分かりません。ただ、税理士という資格を取得するための選択肢として、一つの方法であることは間違いありません。1年に1回ある税理士試験を受けるというのは、準備期間を多く取れるというメリットもあるとは思いますが、結果が奮わなかった時には、その準備期間をまたもう1年していくということになります。絶対的な実力があれば問題ないかもしれませんが、問題の傾向であったり、運に左右される部分もあり、結果を待ち続けるにはしんどさも伴います。

ある意味では、税理士試験を受け続けるということは、生活を消耗させながら進んでいくということでもあると私は感じています。ですので、他にも選択肢があるのであれば、自分の趣向に合った方法を模索して選択することもいいのではと思います。もちろん大学院に行くにも、条件があったり、入学試験があったりするので、全ての人が選択出来るわけではないですが、条件が揃っていれば、挑戦してみることも必要なのではないかと思います。

大学院に行くために、同じ大学院で2回受験に失敗し、また別の大学院を受けて、3回目にしてようやく入学出来ました。大学院に行かれた方は往々にしておっしゃられているように、税理士試験の受験に比べても、勉強のアプローチの仕方は違いますが、その大変さは同等のものであると私も思います。税理士試験と違うのは、本番一発勝負ではなく、積み上げていった修士論文という形あるものが評価されて合否が決まるということでしょうか。もちろん2年間という期間は税理士試験2回分でもありますが、修士論文を書く期間としては決して潤沢に与えられた期間でもないので、その積み上げが間に合わなければ結果は伴いません。

どちらにしろ継続して一つのものを積み上げていくということは同じなので、それが出来ないと結果は出ないということなのかなと思います。

小括

何かを達成するためには、モチベーションが大事だと感じています。短期間であれば、勢いで乗り切ることが出来るかもしれませんが、長期に及ぶ場合には前向きな気持ちを保ちつつ、モチベーションが下がってきたときには、また盛り返すことが必要になってきます。モチベーションが下がる時には、何らか迷いが出ている時が多いように感じます。その迷いを払拭するには、今の方法とは違う明確な方向性を見出すことが重要だと思います。
決して誰もが知らない今までにない画期的な方法を見つける必要はないので、自分にとって違和感なく受け入れられることを見つけることが先決であると思います。


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この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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