源泉所得税の納付におけるダイレクト納付のススメ
e-Taxの普及もあり、事務所での税務申告書等の電子申告はほぼ100%の使用率となっています。しかしながら、電子納税については、まだまだ進んでいないのが現状です。
今まで決まった業務の流れの中で処理をしていて、ある程度は効率化されているため、積極的にそこを変えていくことが出来ていませんでした。
今回は比較的導入し易いと思われる源泉所得税(厳密には「源泉所得税及び復興特別所得税」ですが、この記事内では簡略化するため、「源泉所得税」と表記しています)のダイレクト納付について、その流れをまとめてみました。
納税者の方から委任を受けていることが前提ですが、集計された税額を納付する源泉所得税は、納付書を税理士が作成している場合はそのまま納税者の方に納付いただくこととなるので、ダイレクト納付が合理的かと考えています。もちろん色々な状況や考え方があるかと思いますので、一概には言い切れませんが。
個人納税者に係るe-Taxのメッセージボックスの閲覧については、セキュリティ対策の観点から、平成31年1月以降、原則としてマイナンバーカード等の電子証明書が必要になりましたが、源泉所得税の納付の元となる所得税徴収高計算書の提出については、もともと電子証明書がなくても閲覧が可能であったため、引き続き閲覧可能です。
e-Taxの開始届出書の提出は完了して、利用者識別番号は取得している前提でお話を進めていきます。
開始届出書の提出の仕方はこちら↓
e-Tax開始届出について
源泉所得税の納付の概要・期限
源泉徴収した所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納める必要があります。毎月となると、それなりに手間もかかってきます。
しかしながら、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税を、半年分まとめて納めることができる特例があります。これを納期の特例といいます。
その手続きについては、こちら↓
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
納期の特例の場合の納付期限は、該当する年の1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月20日となります。
納付書と記載のイメージは下記のような書式です。
国税庁のホームページより
ダイレクト納付の手続きの流れ
既に電子申告で申告書等を提出していれば、手続き自体は簡単です。
詳細な手続きの流れはこちら↓
ダイレクト納付の手続
上記に詳細は書かれていますが、まずはダイレクト納付届出書を作成します。こちらは電子で届出することは出来ないので、銀行印含めた押印をして、郵送で提出することになります。
所轄の税務署に郵送後、受付された後は、e-TaxのメッセージBOXに「ダイレクト納付登録完了通知」が届けば準備完了です。
ダイレクト納付手続き時の注意点
・余裕をもったスケジュールで手続きを進める
金融機関等での登録に時間がかかるため、最低でも1か月は余裕を見た方が無難です。1か月というのは「ダイレクト納付届出書」を税務署に提出し、受付されてからの期間となります。
今回手続きした際には、2月25日(月)に受付されて、ダイレクト納付登録完了通知が来たのが3月14日(土)でしたので、約3週間ぐらいです。
・メールアドレスの登録
色々な通知はe-Taxのメッセージボックスに格納されていきますが、基本的にマメにメッセージボックスを見に行くというのは現実的ではないので、よく確認するメールアドレスを登録しておくことをお勧めします。
万が一、残高不足等で納付が完了していなかった場合、通知が来ていても納付期限後に確認しても、期限後の納付となってしまいますので。
ダイレクト納付による納税手続
あとは、電子申告した後にダイレクト納付の手続きをするだけです。
源泉所得税に関しては、別で申告書等がないため、納付税額以外に給与の支給額等の情報を合わせて入力する必要があります。お使いの税務ソフトが対応している場合はそちらを、そうでない場合はe-Taxでも直接作成することができます。
電子納税のしかた(源泉所得税)
ダイレクト納付による納税手続
「申告等データ」又は「納付情報データ」の送信後、メッセージボックスに格納される受信通知を確認し、「今すぐに納付される方」又は「納付日を指定される方」のいずれかを選択します。
日時を指定した場合は、後日引落の通知がメッセージボックスに来ます。
納付完了の通知の確認が出来たら、手続き完了です。
念のため、後日でも登録口座から引落されているかを確認しておく方がよいかなと思います。
おわりに
これらの手続きを納税者の方で完結させるか税理士に委託するかは場合によるかなと思います。今回は毎月納付のクライアントで行いましたが、今までは納付書の記載→郵送→納付の確認(月次で)というフローが、電子送信→ダイレクト納付となり、管理も省力化出来ました。もちろん、クライアント側でも金融機関等に出向いての納付の手間などが省けて便利とのことでした。
業務のやり方を変える際には、最初は億劫になることもありますが、何よりお互いにとってメリットがあるのであれば、積極的に進めていきたいと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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