大変な時期に独立開業を決めるのは

新型コロナウィルス感染症の影響で、緊急事態宣言の延長もあり、2020年5月13日執筆時現在でも、様々なところで経済への影響が感じられます。私が独立開業した昨年2019年10月には想像もつかなかった状況です。

こんな大変な時期なので、税理士として、この春に独立開業された方、独立開業する予定だった方、独立開業に向けて進めていこうとされていた方にとっても、多少なりとも影響があるのではと思います。

私自身はまだ税理士として独立開業して1年経っていないですが、そんな短い間でも実際に独立した経験を踏まえて、今の状況について思うことを書き連ねてみたいと思います。もっともっと経験値ある方からのお言葉には及ばないかもしれませんが、比較的独立前の状態に近い者の一つの考え方として、何かの参考になれば幸いです。

大変な時期であっても

新型コロナウィルス感染症の影響による今の状況というのは、明らかに平常時とは異なる非常時です。こんな状態なので、業種や事業所によっても状況は違っているとは思いますが、非常時への対応に追われているところが多いのではないでしょうか。

平常時であれば、もしかしたらもっと違った状況になっていたかもしれません。しかしながら、それも希望的観測の部分もあり、実際にはまた違った非常事態が待っていたかもしれません。経済への影響度合いや規模は違うかもしれませんが。

こんな時に、独立開業に向けて動き出すのは、不謹慎と思う方もいらっしゃるかもしれません。勤務先が大変なときに、自分の都合で動くのはどうかという思いです。考え方ではあるので、正解も何もありませんが、現状を変えようとすると、必ずどこかに影響はあるので、それは平常時でも非常時でもゼロにすることは出来ません。影響度合いの大小はありますが、そのさじ加減も結局は自分の物差しで測ることになるので、自分の都合といえば自分の都合になってしまいます。

周りの影響を無視して突き進むべきということではありません。独立開業に向けて動き出すこと自体は、そう思った時に動き出すべきだと思っています。周りの影響など考えるべきことはありますが、この非常事態だからという曖昧な言葉だけで進むべき道を塞いでしまうのはもったいないなと思ってしまいます。

今はその時期ではないという判断であっても、それが変わるのはいつになるか分かりません。落ち着いたらというのでは、いつまで経っても踏み出せなくなってしまいます。よくよく考えた末、今はやっぱり進められないというのであれば、自分の中で具体的な基準を作ってから断念する方がよいかと思います。緊急事態宣言が解除されたらなど。

大変な時期だからこそ

全ての事務所の状況は分かりませんが、税理士業界においては、顧問業務をメインとしている事務所などでは、飲食店など他の業種に比べれば、今回の新型コロナウィルス感染症の影響による売上への影響は大きくないと言われています。もちろん、そうではないというところもあるでしょうし、今は影響が大きくなくても、今後も自粛要請が続くなどすれば、影響がないとは言い切れません。

こんな状況で独立開業して一から始めることはリスクも大きいと考えられます。今まで経験したことのない状況だからこそ、顧客となる方がいるのかも分かりません。しかしながら、こんなときだからこそ、新たな需要が埋もれている可能性があります。

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止の観点から、休業要請などが出されており、十分ではないと言われながらも、緊急制度融資や給付金・助成金など様々な取り組みが出て来ています。それらの手続きのサポートはもちろんのこと、その後の継続的なサポートなど今までにない需要が出てくるかもしれません。

今担当している顧客へのサポートを通じて、信頼関係がより強まり、自分にしか出来ないサポートを見出せるかもしれません。そして、それは今の勤務先の事務所では実現が難しいことかもしれません。

そうはいってもハードルは上がる

もちろん、今からの独立開業はしにくい要素もあります。スタート時の状況にもよりますが、最初に顧客がない状態や事務所を借りるなど初期投資が必要な場合は、融資ありきで進めていく必要がありますが、今からの時期は緊急融資の申し込みがまだまだ続いていくので、受け付けられないことはないでしょうが、平常時よりはスピード含めて、スムーズではないでしょう。

その辺りの資金需要が少ない状況であれば、特に平常時と変わらず、進めていくことが出来るかと思います。

顧客の引継ぎの是非について議論するつもりはないのですが、そういったお話についても、平常時であれば、顧客側の経営状況が今に比べれば良いとすると、独立開業を応援いただけるということがあっても、経営状況が悪化している中ではなかなかそういったお話は難しいかもしれません。もしかしたら、こんな時に担当者が変わるなんて、と不快に思われるかもしれません。

おわりに

良くも悪くも考える時間というのが増えました。そんな時だからこそ、じっくりと考えることが必要と感じます。色々考えていると、煮詰まってきて不安な要素ばかりが目に付きやすいですが、非常事態だからというので、思考停止するのは避けたいところです。

私自身も他の独立開業されている方のお話をお聞きしても、ベストなタイミングというのは分からないなというのが実感です。ある程度は、自分の信念で突き進んでいくことも大事かなと思います。


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この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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