個人納税者に係るダイレクト納付手続きの完了通知のメッセージボックスでの閲覧

平成31年1月からセキュリティ対策の観点から、個人納税者のe-Taxのメッセージボックスの閲覧について、原則としてマイナンバーカード等の電子証明書が必要となっています。

個人納税者の方が税理士・税理法人に申告業務等を委託している場合には、税理士・税理士法人が取得している電子証明書を使って代理送信が可能となるため、個人納税者ご自身で電子証明書を取得しているいるケースは、それほど多くないようです。

そこで問題となるのが、個人納税者の方が所得税の確定申告に関するお知らせを確認する際にも、電子証明証書がないとメッセージボックスが見れないため、所得税の予定納税額等が確認出来なくなるというものでした。

そういった問題に対応するため、e-Taxの新機能として、代理送信を委託している税理士・税理士法人に対して、委任関係を登録すれば、所得税等の確定申告のお知らせ等を委任された税理士・税理士法人のメッセージボックスに転送することが可能となっています。

今回は、この転送されるメッセージの種別についてまとめておきたいと思います。

なお、法人については、メッセージボックス閲覧の制限はないため、対象とはなりません。

これらの情報は、2020年6月22日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等をご確認されますようご留意ください。

メッセージボックスのセキュリティ強化について

個人納税者の方のメッセージボックスのセキュリティ強化・税理士等への委任方法については、e-Taxのホームページに情報が記載されています。

メッセージボックスのセキュリティ強化について

元々電子証明書が不要とされている手続きについては、鍵マークはつかず、従来通りメッセージボックスから閲覧可能となります。

電子証明書がなくても、メッセージボックス一覧は表示することが出来ます。

個人納税者の利用者識別番号でログインすると、メッセージボックスの一覧は見ることが出来ますが、鍵マークがついているメッセージは、クリックして内容を表示することが出来ません。

手続き名「所得税及び復興特別所得税申告」の左横に鍵マークがついており、青字でリンク先が表示されていないため、内容を確認することが出来ません。

「申告のお知らせ」の転送

「申告のお知らせ」については、税理士・税理士法人との委任関係を登録することで、税理士・税理士法人のメッセージボックスに転送され、閲覧することが可能となります。

これらの転送設定をすることで、税理士・税理士法人側のe-Taxのメッセージボックスで電子証明書による認証を行い、メッセージボックスに進むと、メッセージの一覧と鍵のついたメッセージについてもクリックして、表示させることが出来ます。

税理士・税理士法人に代理送信を委任している場合には、税理士・税理士法人側で確認出来れば手続きとしては問題なく進めることが可能となります。

「申告のお知らせ」以外は以前と同様に閲覧

ここで疑問となるのが、個人納税者の方のe-Taxのメッセージボックスから委任関係の登録をされた税理士・税理士法人のメッセージボックスへ転送されるメッセージは全てなのかということです。

鍵マークがつくメッセージはどこまでの範囲なのか？私が確認した限りでは、この転送設定については、「所得税等、消費税及び贈与税の申告について」（申告のお知らせ）についての特例的な処置のため、基本的にはこの申告のお知らせしか該当しないようです。

ですので、それ以外に通知されるメッセージについては、電子証明書がなくても、個人納税者の方のe-Taxのメッセージボックスで閲覧することが出来ます。

先日、個人納税者の方の国税のダイレクト納付の手続きをした際に、ダイレクト納付の手続き完了通知が私（税理士）のe-Taxのメッセージボックスに転送されるのを待っていたのですが、標準的な処理期間である1か月を過ぎても転送がありませんでした。

もしかしたらと思い、個人納税者の方にe-Taxのメッセージボックスを確認していただくと、通知が来ており、電子証明書がなくても内容の確認が出来ました。

おわりに

今回改めて、税理士・税理法人への委任関係の登録について取り上げました。基本的には個人納税者の方のe-Taxのメッセージボックスを確認するようにして、特例的に鍵マークがつく「申告のお知らせ」については、委任関係の登録された税理士・税理士法人側で確認する流れとなります。

まとめると単純ですが、どこまでが転送範囲なのかの情報がないようでしたので、自分の備忘を込めて、まとめてみました。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました！