上場株式の配当で所得税は総合課税・住民税は申告不要を選択する時

上場株式を所有していて、配当を受け取る際には、所得税・住民税が差引された金額で入金されます。既に税金等が引かれているので、申告分離課税として、そのまま何もせず、課税関係が完結していることが多いです。

しかしながら、所得状況によっては、所得税・住民税の課税方式をそれぞれ選択することで、トータルで負担する税額が少なくなる場合があります。

今回は、詳細な要件を説明するというよりも、その考え方と手続きのイメージを掴むことに焦点を絞って、まとめてみました。

これらの情報は、2021年1月25日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。

上場株式等の配当等に係る課税について

通常は、所得税の確定申告を行うときには、個人に係るそれぞれの所得を合計して、税額を計算します。これを総合課税と呼びますが、所得の種類によっては、他の所得に含めずに税額を計算する、分離課税という方法もあります。

上場株式等の配当については、この申告分離課税制度を選択することが出来ます。

国税庁ホームページ
上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度

 

ざっくりと言えば、上場株式の配当は、所得税においては、
①総合課税・・・累進税率
②申告分離課税・・・15.315%
となるので、

① < ②

であれば、総合課税を選択した方が所得税が少なくなります。

国税庁ホームページ
上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度

一方で、地方税(住民税)については、通常の場合、ざっくり言えば、

①総合課税・・・10%
②申告分離課税・・・5%

となるので、総合課税となると、税率が高くなることになり、税額が増えることになります。上記の税率については、分かり易くするため、一例として記載していますが、実質の税率は少し変わりますので、あくまでイメージです。

 

しかしながら、住民税については、所得税の課税方式とは違う方法を選択することも出来ます。

ざっくりと言えば、所得税は総合課税として15.315%より低い累進税率、住民税は申告不要とすることで分離課税の5%を選択することが可能ということです。実際の処理としては、配当控除など、これだけではありませんが、あくまでイメージを掴むためなので簡略化しています。

ここでは大阪市を例としていますが、他の市町村でも基本的には取り扱いは同様ですので、適宜読み替えて下さい。

大阪市ホームページ
株式等の配当等所得および譲渡所得等の申告・課税方法

住民税を申告不要とする場合の手続き

住民税で上場株式等の配当等所得の課税方式を申告不要とする場合には、所得税の確定申告とは別に住民税の申告が必要となります。

ざっくり言うと、
・申告書
・付表
・添付書類
を住民税の納税通知書が送られるまでに提出することになります。

大阪市ホームページ
株式等の配当等所得および譲渡所得等の申告・課税方法

 

申告書・付表等の書式についても、大阪市のホームページに掲載されています。

大阪市ホームページ
市民税・府民税申告書(市内にお住まいの方)
令和3年度分 市民税・府民税 申告書記載例(事業・不動産収入があった場合)(PDF形式, 1.30MB)

 

課税方式の選択のチェックとその項目の赤枠は私の方で追記しています。

大阪市ホームページ
市民税・府民税申告書(市内にお住まいの方)
市民税・府民税申告書付表(課税方式選択用)(PDF形式, 664.84KB)

課税方式の選択のチェックとその項目の赤枠は私の方で追記しています。

今後の住民税の申告について

住民税で上場株式等の配当等所得の課税方式を申告不要とする場合には、上記のように申告不要という申告を行う必要があります。
以前から、申告不要なのに、その旨の申告をするというのは、非効率なのではという議論はありました。

まだ先ですが、令和3年税制改正大綱にて、ようやく所得税の確定申告にその旨記載すれば、住民税の申告は不要となるようです。

財務省ホームページ
令和3年度税制改正大綱

 

今後はより使い易くなるかなと思います。

おわりに

税制改正大綱が出ると、その内容について書かれたものが出て来て、直近の処理に影響するのかと勘違いしてしまうことがあります。いつから適用になるのかについては、よくよく注意する必要があるなと改めて感じています。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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