誰かに負担を負わすことが効率化ではない
仕事における業務の効率化は、常につきまとう課題でもあります。身近で取り掛かり易い部分がある反面、完全に解決出来るということがあまりなく、次なる課題として継続して取り組んでいくことが多いかなと。
今回は、誰もが直面する業務の効率化について、普段はあまり意識することがない、考え方の方向性についてまとめてみました。
基本的には時間を短縮させる
業務効率化といっても、何を持ってその業務が効率化されたかというのを確認するのは難しいところです。業務量が減った、負担が減ったなど何となくイメージは出来るけれども、目に見えた指標は欲しいところです。
絶対的な正解というのはないかもしれませんが、ここでは業務にかかる時間というのを一つの指標として、その時間を減らすことが出来た時に、業務を効率化出来た!と考えてみます。
業務にかかる時間を減らすためには、まずその業務の内容を明確にする必要があります。
例えば、お店のレジ精算という業務の場合、
①お客さんが選んだ商品の情報を確認・伝える
↓
②精算する
↓
③商品を梱包などしてお渡し
↓
④売上を記録する
表現の仕方は色々ありますが、文字にして業務を分けて把握してみます。
そこから、例えば①~④でお客さん1人あたり15分ぐらい時間が掛かっているとします。
これを1回あたり5分にしようと思うと、どうすれば時間短縮が出来るのかを考える必要があります。
②で精算するときのお金のやり取りの動作を早くする、③で商品の梱包の動作を早くするなども考えられますが、どれだけ鍛錬して動作を素早くしても、限界があります。
特定の人の能力などに左右されることなく、出来ればやり方自体の仕組みやシステムを変えることで、根本的な解決を図ることがポイントです。
よくよく確認してみると、
①お客さんが選んだ商品の情報を確認・伝える(口頭)
↓
②精算する(現金)
↓
③商品を梱包などしてお渡し(全て梱包)
↓
④売上を記録する(手書きでノートに)
という状態であった場合には、一つ一つのやり方を変えることで、時間短縮を図れることもあります。
例えば、それぞれ下記のようにしてみます。
①お客さんが選んだ商品の情報を確認・伝える(ラベルなどであらかじめ提示しておく)
↓
②精算する(キャッシュレスにも対応)
↓
③商品を梱包などしてお渡し(希望者のみとする)
↓
④売上を記録する(レジシステムに入力)
こうすることで、一つ一つの業務にかかる時間が減らすことが出来ます。
新たに発生する業務にも注目する
業務の効率化を図るには新しい仕組みやシステムを取り入れるということも大切ですが、単純にそれで時間が減ったと手放しで喜ぶことは出来ません。
新しい仕組みやシステムを取り入れることで、新たに別の業務が発生することもあるからです。
前項の例であれば、
①お客さんが選んだ商品の情報を確認・伝える(ラベルなどであらかじめ提示しておく)
これで一人一人のお客さんに口頭で商品の情報をお伝えするという時間は減りますが、個々の商品の情報のラベル作成、定期的な更新などの新たな業務が発生します。
業務効率化でその業務にかかる時間は減ったのに、時間の負担が変わらない、むしろ増えているといった事例はよくあります。
この例では、単純な内容なので分かり易いですが、対象となる業務の数や関わる人が多いと問題点が複雑化して見えにくくなることもありますが、こういった単純な理由によることも案外多いものです。
どちらにしろ、業務の効率化によって、新たな業務が発生しても、それを上回る元々の業務量の減少が実現出来るのであれば、どんどん推し進めるべきではあります。
トータルでの時間を見る
業務効率化を考えるときには、特定の人に負荷がかかり過ぎているので、何とか出来ないかという視点で進める場合もあります。
そのときには、業務分担という割り振りも合わせて行うこともありますが、方向性を間違えないようにすることが大事です。
特定の人の負荷を軽減することに重点を置きすぎると、誰かに業務を振ればいいのではとなり、結局その負担が別の人に移っただけということはありがちです。
本来の業務効率化という主旨とは離れてしまいますが、業務が減った人からすれば、負荷が軽減されているので文句はあまり出ません。
時間が経つと、一つの目的は達成されているので、一旦はこれで区切りをつけてとなって、その状態が続いてしまう。
今度はまた別の人に負荷が掛かっているとして、業務効率化をしなければ、となっていくのでしょう。
実際の現場では、上記の図のように単純なものではないですが、根本的な問題として常に念頭に置いておくことで、意識のズレは修正出来るのではないかなと思います。
おわりに
業務効率化というある意味流行りのような言葉やイメージだけで推し進めてしまうと、ゴールまでなかなかたどり着けなくなります。当たり前のことですが、トータルで業務が減っているのかというのは常に意識しておきたいものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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