確定申告は競争ではない
新型コロナウィルス感染症の影響で、税理士業界でいわゆる繁忙期と呼ばれる所得税の確定申告の提出期限が2年連続で延長されることとなりました。
1回目はほとんど初めての経験となるため、納税者の方だけでなく、税理士側としても戸惑いがあり、手探りで申告作業を進めているところがありました。
2回目ともなると、ある程度要領も分かっているところがあるので、通知が出ると同時にスケジュールを組み直すということが比較的スムーズに出来たように感じます。
今回は所得税の確定申告の申告期限を例にして、その取り組み方について考えてみました。
業務過多になる傾向
確定申告は忙しい。
税理士業界で働くようになってよく聞く言葉です。
税理士業界以外の方にその時期にお会いすると、
寝てないんですか?
お忙しいときにすいません。
などのお言葉をいただくことが多いです。
税理士業界の中でも、事務所によっては、一大イベントとして集中的に取り組むということを掲げているところもあるようです。
実際問題として、前年1~12月の個人の所得状況を一律2月16日~3月15日の1か月間で申告してもらうとしていると、申告に係る手間暇の多寡は別として、対象となる人数が多くなることは避けられません。
そうすると、申告業務が集中するので、どこかに負荷が掛かるのは避けられないでしょう。
個人の申告時期も法人の決算期のように自由に選ぶことが出来れば、申告業務を分散させて、業務過多が解消されるのでは?こういった意見もあるようです。
コロナ禍という緊急事態において、この申告期限が一律延長されたというのは、画期的なことであると率直に感じています。だからといって、これから申告時期の見直しがすぐに行われるかというと、なかなか実現は難しいかなと思います。
申告期限が一律1カ月延長されたことに対して、肯定的な意見、否定的な意見、両方あるとは思いますが、税理士事務所としては業務過多が多少なりとも緩和されてはいるというのが実際のところでしょうか。
期限に余裕を持って申告していても・・・
事務所によっては、顧客として個人事業者など所得税の確定申告の対象となる方が少ない場合もあります。
そうすると、世間一般に言われているようないわゆる繁忙期というのは確定申告の時期にもありません。
法人からの給与と所有する収益マンションの賃貸収入がある。こういった内容の確定申告であれば、資料がきちんと揃えば、申告期間を待たずして申告業務を完了させることも出来ます。
申告する数自体が対応する人数に比して、少なければ申告業務に対する負荷もそれ程ないでしょう。
事務所によっては、申告する数は多いけれど、人海戦術で朝から晩までひたすら申告業務に取り組むことで、申告期限に対して余裕を持って完了させられているところもあるかもしれません。
どちらにしろ、申告に至る過程というのは、内部にいないと分からないところもあるので、ただ結果として申告期限前に、これだけ余裕を持って完了出来ました、というだけでは実情は分からないところではあります。
極端に言えば、申告期限よりもどれだけ早く申告を完了させられたかというのは、納税者の方にとっては重要ではないことがほとんどです。だからこそ、どれだけ早く完了させたかということに、執着しなくてもいいのかなと思います。
計画を立て、スケジュール通りに完了させていく
当たり前のことではありますが、申告期限までに申告を完了させるために計画を立て、スケジュール通りに進めていくということが重要となります。
もちろん、資料収集が遅れるなど計画通りに進まないことありますし、イレギュラーは起こり得ます。そこに手を取られることでスケジュールがずれ込んでいくこともあるでしょう。
それでも、スケジュール通りに資料を準備いただいた納税者の方の申告のスケジュールを変更させることは避けるべきでしょう。
資料は既にお預かりし、いつでも申告処理が出来るので、落ち着いてからとしていると、スケジュールはどんどん遅れていきます。
しかしながら、申告完了が期限ギリギリが一律に悪いというわけではありません。
例えば、申告期限の前日に申告が完了するとした場合。
申告期限の前日にスケジュールするなんて、と思われるかもしれませんが、その日に向かって資料収集・申告資料作成・不足不明の確認・チェックなど計画通りに進めていけば問題ありません。
納税者の方に事前にスケジュールについて案内をしていることが前提ではありますが。
2月中に確定申告が終わった、申告期限ギリギリで完了した、そこに至るまでに色々な過程があるでしょう。大事なのは、その過程をどれだけコントロールして進めることが出来たのかということだと思います。
おわりに
ちょうど本日2021年4月15日が申告期限延長後の申告期限となります。色んな思いでこの日を迎える方もいるでしょう。何より無事申告期限を迎えられることを願います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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