いわゆる年一決算を避けた方がいい場合

小規模な事業を行っているので、月次ベースで損益を把握したりする程でもない。だから、集計作業などは1年に1回まとめてするようにしている。

税理士として、色々な事業者の方と接する中でよくお聞きするお話です。もちろん、それが妥当な場合もありますが、いわゆる年一決算ではなかったら・・・と思うことはあります。

今回は、いわゆる年一決算を避けた方がいい場合についてまとめてみました。

年一決算に至る経緯

事業の状況を数字で把握するためには、売上や経費などから利益状況を把握するための損益計算書、事業の財務状況を把握するための貸借対照表を作成することが一般的な方法になります。

そこから、資金繰りの状況や取引先ごとの利益状況など必要に応じて、分析する資料を派生させていくことになります。

こうした利益状況等の把握は、基本的には1か月単位で行い、毎月把握していくことが一般的です。日々の取引については、簿記の考え方に沿って、経理処理をしていくことになります。

経理担当の方がそれらの日々の経理処理などを行っていることもありますが、事業内容・規模によっては、代表者である社長・事業主自らが全て行っている場合もあります。

経理担当のように、経理処理などの業務をメインで行っておらず、営業等をメインの業務としながら、合間で経理処理を行っている場合には、どうしても後回しになりがちです。

そうなると、毎月の売上は大体把握しているものの、どれぐらいの利益が残っているのかが分からないまま、決算の際にまとめて経費等を集計して利益を計算することになり、そこで初めて1年間の利益状況や財務状況を把握することになります。

個人で確定申告をされる場合などはその傾向が特に強いようで、なかなか月次決算にまで踏み込めていない印象です。

年一決算でもいい場合

もちろん全ての事業者が月次決算をすべきというわけではありません。月次決算をしなくても、利益状況や財務状況が簡単に把握出来る場合には、わざわざ手間を掛けて行う必要はないでしょう。

それこそ税務申告のために、年一決算を行うということでもいいかもしれません。

しかしながら、年一決算でもいい場合というのは、かなり限定的な条件になります。

例えば、売上は毎月請求書が2~3枚ぐらいで金額も大きくは変わらない、領収書等の経費に係る取引も月に10枚もいかないぐらい。事業に関連する口座の取引は、通帳で換算すると、月に1~2ページ程しかない。

これぐらいのボリュームであれば、年一決算でもカバーできる範囲でしょう。

年一決算を避けた方がいい場合

前項で例に挙げた年一決算でもいい場合程ではないが、年間売上が何千万円というわけではないので、毎月利益状況や財務状況を把握する程でもないと思われる方もいるかもしれません。

例えば、売上は毎月請求書が10枚ぐらいで取引先・金額も大きくは変わらない、領収書等の経費に係る取引は少し多めで100枚ぐらいあるが、一つ一つの金額は大きくはない。事業に関連する口座の取引も、通帳で換算すると5ページぐらいで収まる、という場合。

月ベースでみると、年一決算でもいい場合とそれ程大差ないようにも思えます。しかしながら、年間に換算すると、取引数としては1,000を超えることになり、それをまとめて処理をするとなると、ある程度の労力も掛かりますし、何より最大で1年前の取引内容について遡る必要があるため、パッと思い出せないことも多いでしょう。

そうなると、一つ一つの処理に係る時間が更に増えてきます。

実際に月次決算を行う際には、色んな資料が必要となりますので、思っている以上に関係する資料というのは膨大になります。月次資料を準備するときの目安については、別の記事で取り上げています。

月次資料を準備するときの目安~来年の確定申告に向けて月次損益からはじめる~

自分で経理処理をまとめて行うと時間も手間も掛かるのであれば、税理士などの専門家に会計処理などの記帳代行を含めて依頼するという方法も考えられます。

もちろん会計処理など記帳代行などについては、慣れていることもあり、効率的に処理を進めることが出来ますが、取引内容など確認が必要なことが多々あります。

ある程度は、他の事例を参考にしながら、処理することは出来ますが、実際の取引内容について分からなければ、会計処理について慣れていても、限界はあります。

何より年一決算で利益状況等の結果が出た後だと、税務的な観点からこうしておいた方がメリットがあるとなっても、期限を過ぎているので、適用出来ないということがあり得ます。

1~12月の利益状況を翌年2月にやっと把握したところで、何か対策をとなっても、前年12月までにしておかなければならなかった、というような状況です。

メインの収入として、事業を行っている場合には、どれだけシンプルな事業構造であっても、まとまった取引が発生してきます。

そう考えると、これからの事業の展開を考える場合にも、年一決算ではなく、月次ベースで出来るだけタイムリーに経営判断出来る環境を整えておくのが必要ではないかなと思います。

おわりに

大体の利益状況は把握していると思っていも、実際に数字で出て来ると想定外のことが起こることはあります。経営者として、利益状況を感覚で把握することも必要ですが、その精度を上げるためには、実際の数字とのズレを修正しておくことが必須なのだと思います。


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この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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