業務を単純作業と考える作業に分解する
業務を効率化する、単純なようで永遠のテーマでもあります。最近でこそ、システム導入を利用した劇的な効率化の実現が出来たという事例が多く出て来て、注目されていますが、業務の効率化自体は以前からテーマとして掲げられていました。
今回は、業務効率化の足掛かりとして、具体例を通して、業務を分解して効率化していく過程についてまとめてみました。
業務を分解する
業務を分解する、言葉でいうのは簡単ですが、その分解の仕方のさじ加減が難しいということもあります。とりあえずは、大まかな業務について見直すというところからはじめるのも一つの方法です。
例えば、今日の予定は1日「仕事する」ということであれば、何の仕事をするかというところからでも構いません。
色んなパターンを経験することで、自分に合った業務の分解の仕方というのが分かって来るものです。こればかりは人に教えてもらって身に付くものではないので、ここは一旦苦労することは必要でしょう。
例えば、私自身は税理士業界で働いているので、会計税務周りの話になりますが、「通帳の内容を会計ソフトに入力する」という業務を考えてみます。
これ自体は、「月次決算」業務の一環なので、既に分解されている業務ではありますが、更に分解出来ないか考えるところから始めてみます。
通帳の内容には、
・日付
・金額
・入金、出金の区分
・摘要
といった項目が挙げられます。
これを通帳のコピーなどを見ながら、会計ソフトに仕訳として順番に入力していくことになります。
仕訳としては、
①取引日
②金額
③勘定科目
④摘要
といった項目の入力が必要となります。
消費税コードなど場合によっては、他にも項目が必要な場合もありますが、ここでは簡略化のため省略しています。
これらの入力作業は、基本的には通帳の取引内容ごとに入力していくことになり、数が多ければ多いほど入力する数は増えてきます。
取引日や金額などはそのまま入力することが出来ますが、勘定科目については、その内容によって判断する必要があります。他の請求書などの資料を見て判断することもあれば、処理方法について時間を掛けて調べることが必要な場合もあります。
このように単純作業と考える作業が混在していると、時間がかかって、終わりが見えずに、集中力が持続出来ず、非効率となってしまいます。
まずは、単純作業と考える作業に分解することが有用です。
単純作業をシステム化出来ないか
これで、単純作業は迷うことなく、入力していくことに集中できるので、途中で止まって考えたりすることなく、作業を進めることが出来ます。
これだけで以前に比べれば効率化が図れたとすることも出来ますが、入力するスピードを早めたり、精度を高めるということにも限界があります。
単純作業になればなるほど、集中力が落ちてしまって、ミスが増えてしまうことも考えれます、
この段階になって、システムを利用した効率化が出来ないかを検討してみます。
口座の取引明細については、通帳に記帳されたものだけでなく、インターネットバンキングの普及によりCSVファイルなどデータで取得することが可能です。
クラウド会計システムを利用すれば、口座の取引明細を直接クラウド会計システムに取り込むことも出来ます。
これらのシステムを利用することで、入力に係る時間や単純なミスが減らせて、取引明細の数が多い場合には、劇的な業務効率化を実現することが出来ます。
考える作業は時間がかかる?
考える作業は、基本的に時間がかかるものです。
目の前の資料だけでなく、他に参考にする資料を確認したり、法律的な観点から裏を取る、など予測がつかないこともあるからです。
上図の例でいうと、③勘定科目の検討については、適切な項目を判断することが必要であったり、税務的な観点から処理内容について検討することが必要な場合もあります。
そうした作業には、時間がかかることもあります。
しかなしながら、事例を積み重ねていくことで、法則性を見出して、ルール化していくことも出来るようになります。
初めて出て来た取引で、勘定科目の検討など最初は必要であったが、その後の毎月の処理では勘定科目は同じものを使う。
そういった場合には、考える作業→単純作業へ移行させて、システムを利用した効率化の対象としていくことになります。
クラウド会計システムであれば、取引の摘要内容から勘定科目を自動ルールとして登録して、予測することも出来たりします。
色んな事を自動化すれば、業務効率化出来て、人間のすることがなくなる、などといったお話もあります。その考え方については、一部当てはまることもあるとは思いますが、自動化含めた業務効率化は一度設定等すれば終わりではありません。
日々変化していく取引内容を確認しながら、考える作業から単純作業に落とし込んでいく、こうした司令塔のような役目はなくならないもので、上手く自動化と共存していくことが必要なのかなと思います。
おわりに
もちろん全ての業務がこんなに単純なものばかりではないですが、もしも類似する事例があって、当てはまることがあれば、そこから手を付けることで業務効率化が進んだりもできるかなと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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