システム化をブラックボックスにしないために~労働保険年度更新の場合~

手書きの資料をデータ化したり、同じものを別々の資料に転記したり、事務処理の効率を上げる余地は見直してみると案外出て来るものです。

効率を上げる方法として、システム化するというのがよくある手法でしょう。データとして登録しておけば、色んな見方でデータを取り出すことが出来るので、別の視点から資料を作るという作業を省ける場合もあります。

しかしながら、便利なあまり結果を重視したシステム構築がなされる場合もあります。

今回は、労働保険の年度更新を例に、システム化をブラックボックスにしないための施策についてまとめてみました。

労働保険の年度更新の概要

ここでは労働保険の年度更新について掘り下げるものではありませんので、詳細については省略しております。

ざっくり言えば、前年4月~当年3月までに従業員に支払った給与等の金額を集計して、一定の料率を掛けたものを労働保険料として算出して、7月に申告、納付するというものです。

厚生労働省ホームページ
労働保険の年度更新とは



労働保険には、従業員全員が対象となる労災保険と労働時間等の一定の条件で加入する雇用保険の2種類があり、従業員ごとに判別して給与額等を集計する必要があります。

最終的には、下記のような申告書を作成することとなります。

厚生労働省ホームページ
令和3年度事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方
11 申告書の書き方 [28,722KB]

集計表を作成する

上記の申告書については、いきなり作成することは出来ません。その元となる集計表を作成することが必要となります。

厚生労働省ホームページ
令和3年度事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方
9 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表の書き方 [1,644KB]

 


この集計表は、ざっくり言えば、前年4月~当年3月の給与等の支給額を月ごとに労災保険・雇用保険対象者に分けて集計するものとなります。

詳細については手引き等でご確認いただきたいのですが、これらの情報については、毎月の給与計算をシステムで行っていれば、基礎となるデータは既にあるので、それらを集計すればよいだけとなります。

システムから出力されるものの違い

給与計算が出来るソフト・システムというのは、今では多くの種類があります。ひと通りの処理が出来るものから機能を選択するもの、パソコンにインストールするもの、クラウドで利用するもの、など選択肢も広がっています。

選択肢が広がっているからこそ、どれを使うのかを選ぶのが悩ましいところではあります。

そんな時には、こうした労働保険の年度更新など具体的な機能で確認してみるのも一つの方法です。

システムによっては、集計表がそのままシステムから出力出来るものもあります。

フリーウェイ給与計算ホームページ
社会保険料計算の機能
確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表の作成
算定基礎賃金集計表

 

システムから出力したデータをExcelで集計するものもあります。

MyKomonホームページ
楽しい給与計算

 

上記は集計結果のシートなので、その元となる個別明細も確認することが出来ます。

 

他にも色々な給与計算のシステムはあって、もっと色んな機能があるかと思いますが、この個別の明細が確認出来るかというのは意識しておきたいところです。

どちらが良い悪いということではなく、個別の明細が必要な場面でどう対応するかを考えておく必要があります。

労働保険についても適切な申告がなされているかの調査というものはあります。その時には、集計表の元となる資料の提示が求められることがあります。

それなら、個別明細があったほうがいいのでは?と思ってしまうかもしれませんが、それなりに手間暇はかかります。設定がきちんと合っていて、結果が正しいものであれば不要な場合の方が多いでしょう。

重要なのは、システム化されて自動的に集計等される資料について、その過程を確認出来る方法を理解・確保しておくことでしょう。

手間暇を省くために、その過程がブラックボックス化していると、チェックも出来ずにそれが合っているか間違っているかの確認さえ出来ません。

あくまで、目的地に達するまでの時間等を効率化することがシステム化の目的であり、目的地が見えなくなってしまっては本末転倒になるので気を付けたいところです。

おわりに

システム化を推進したいからこそ、その欠点も把握しておきたいところです。何度もシステム化に意味はあるのか?と思うような場面に遭遇しても、挑戦し続けるのは、それだけの価値があるからなのかなと思います。


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この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
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