見守り続けられることの凄さを実感する
最初は、人から教えてもらったり、助言をもらったりする立場だったのが、段々と人に何かを伝えられるようになってくると、悩ましい場面に度々遭遇します。
教えてもらう時には、教える側のことなど考えずに、もっとこうしたらいいのに・・・など偉そうに思ってしまったり。
格言のような心に染みる言葉を言えることも凄いけれど、何も言わないというのもまた難しいことなのかなと最近思えます。
人から教えられる立場で考えると
自分が子供の頃に考えていたことを鮮明に覚えているわけではありませんが、今思い返してみると、比較的人の言うことには素直に従っていたように思います。
親や学校の先生や習い事の先生など、日々の細かい生活の中では、反発する気持ちや疑問に思うことはあったとは思いますが、言葉にしたり、行動に出さないようにして、日々過ごせていたのでしょう。
人からあれしなさい、これしなさい、そうじゃない、と言われて、素直に従えるときもありますが、何度も同じことを言われていたり、頭で分かっていることを改めて言われると、カチンときたり。
今やろうとしていたのに・・・という状況でしょうか。
あからさまに反発するような言動はなくても、自分だったら頭ごなしにそんなことは言わない、もっと相手の様子を見て言葉を選ぶのに、なんてことも思ったりしていました。
そういったことは、大人になった今でも思うことがあります。
大人になっても、常に自分が一番上の立場という状況があるわけではなく、人から教えてもらう立場と人に伝える立場が混在しています。
ややこしいのが、変に知識や経験があるので、自分が知らない分野に対しても、教えてもらうという立場を忘れて、揚げ足を取ろうとしたり、あらを探そうとしたり、なかなか素直になれない部分があることでしょうか。
そんなことは知っている、などと聞く耳持たずに、教えてもらうということから外れて、本末転倒になってしまったり。
人に伝えることのもどかしさ
立場が変われば、対応も変わると言いますが、いざ人に何かを伝える立場になると、途端に人から教えられる時に感じていたことをすっかり忘れてしまいます。
色々な立ち位置があるでしょうが、私の場合は、自分の子供に接する時でしょうか。
自分が子供の頃を考えてみても、勉強しなさい、好き嫌いなく食べなさい、テレビを見過ぎてはダメ、などなど言われたくないことがありました。
他の人に当てはまるかどうかは分かりませんが、私の場合には、なぜ言われたら嫌なのかを考えると、分かっているから、というところです。
分かっていることを、改めて怒られる雰囲気で言われると、こちらが分かっていないかのような感じになってしまうので、嫌でした。
だからこそ、人に何かを伝えるときには、そうした相手が分かっていることをさも教えるかのような感じで伝えるのはやめようと思っていました。
しかしながら、いざそういった場面に出くわした場合に、逆の立場で思うのは、分かっているなら早くやればいいのに、ということでした。
親になれば大体の人が思うことで、当たり前のことなのかもしれませんが・・・。
子供の立場も経験した身としては、分かっている、今やろうと思っていた、と言葉で言っていても、完全に忘れていた、やりたくないから現実逃避していた、ということは度々あり、図星のこともありました。
そうした現実も知っている立場としては、本当に分かっているのかを確認せずにはいられない、というところでしょうか。
世の中でよくあるような教育熱心な感じの親ではないのかなとは思っているのですが、口うるさくなっていることもあるかもしれません。
仕事で人に何かを伝える時にも、同じようなことが起こり得ます。
頼んだ仕事の進捗報告がない。聞いてみると、これが終わったら報告しようと思っていました、というようなやり取りであったり。
黙って見守ることの難しさ
誰だって口うるさく言われることは、嫌なものでしょう。
プライベートや仕事でも違いはないのかなと。
人に何かを伝える時の理想は、黙って見守り続けることなのかもしれません。
ずっと気に掛けつつ、相手に任せて、困って何か言って来るまで、待ち続ける。
自分が何かしら人に伝えることが出来る立場になって思うのは、黙って見守り続けることのしんどさであったりします。
当たり前ですが、見守ることとほったらかしにするのとは、意味合いが全然違ってきます。ほったらかしにするというのは、相手に興味がない・思い入れがないということに近いと思っています。
よくウチは放任主義だからほったらかしですよ、ということを見聞きすることもありますが、よくよく確認してみると、ほったらかしているのではなく、黙って見守り続けているということだったりします。
人に干渉していくことが悪いとは全く思わず、むしろお節介かもしれないことでも、そのことで救われることは多くあります。
それと同じぐらい、黙って見守り続けてもらうことで、責任感を持ってやるべきことを自分のペースで進めていけることもあるでしょう。
子供の頃には、勉強しなさいなど口うるさく言われることが多いと書きましたが、実は自分自身はそれ程口うるさく言われた記憶がありません。
覚えていないだけかもしれませんが。
それでも、そういう印象がなく、それは大人になった今でも感じるところであり、親には感謝しているところではあります。
と同時にその凄さを実感している次第です。
おわりに
特に何か教育問題が家で起こったというわけではないのですが、ふいに思い付くことがあり、昔のことを思い出したりしてみました。
お節介でも黙っていても、一長一短があるので、上手くバランスが取れるのが一番いいのかもしれません。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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