値付けを交渉材料にしないひとつの理由

モノやサービスを出来るだけ安く購入したり、利用したいというのは、ある意味本能的なものかもしれません。

理由もなく、高い方を選ぶということはあまりないでしょう。

しかしながら、その値付けを交渉材料にはしないようにしています。

値付け交渉の必要性

モノやサービスを多く提供することが出来れば、売上が増えて、利益も増えていくというのが一般的な考え方です。

そのために、他との差別化のため、値付けを安くするというのは有効な手段のひとつでしょう。

競合するモノやサービスが他に出て来た場合には、利用する側としては、その内容だけでなく、値付けも重要な判断材料となります。

最初から、値付けを変えるつもりはないという姿勢では、せっかくの商談が流れてしまうことは実際にあるものです。

こうした、ある程度の数を見込める商売の場合には、値付けを交渉材料に使うことは必要なのだと思っています。

しかしながら、提供できるモノやサービスに限りがある場合には、一つ一つの値付けを下げていくと、数が同じであれば、売上は減っていきます。

中小企業やフリーランスの場合、数よりも一つ一つのモノやサービスの内容で差別化を図っていくしかない部分もあるので、値付けを交渉材料にするというのは、慎重に判断する必要があります。

値付けを交渉材料にしないとすると、商談が流れてしまうというダメージはもちろんあるのですが、それと同じぐらいのデメリットが他にもあると考えています。

自分の価値を下げてしまう

税理士業務というのは、モノではなくサービスに分類されるものです。

税務申告書などの成果物のようなものもありますが、形のないモノが多いので、値付けについては独自性が現れるところです。

もちろん、同業者のサービスメニューやその料金体系から、相場観のようなものはある程度ありますが、明確な比較というのは難しいでしょう。

例えば、顧問料3万円/月とされている場合でも、面談の回数・時間、記帳代行が含まれているのか自計化が前提なのか、融資対応があるのかないのか、など多様な条件が想定されます。

顧問料ひとつにしても、そこで必要な業務を想定して、時間的価値や付加価値を加味しながら、考え抜いた値付けとしている場合が往々にしてあります。

こうした内容を聞いたり、体験することなく、顧問料が高いと判断されてしまうこともあるでしょう。

そうして顧客獲得のために安易に値段を下げるなど、値付け交渉をしてしまう。

今回はご紹介いただいて特別だから、今回だけ、と条件を呑んでしまうと、何だかモヤモヤした気持ちが残ってしまう。

何故そういったモヤモヤが残ってしまうのか。

自分自身が商品のようにサービスを提供する場合には、値付けは自分自身への評価であるとも言えます。

値付けを下げられるということは、その評価を下げられてしまうことに繋がります。

もちろん、提供したサービスが相手が求めるレベルに達していない時には、その評価を真摯に受け止める謙虚さは必要です。

そこを受け止められないと、ただの傲慢になってしまうでしょう。

しかしながら、値付けは交渉するものとして、最初の段階から金額の話となってしまうと、自分への評価どころではないでしょう。

自分にストレスなく仕事が進められることばかりではありませんが、そこを目指し続けることは無意味ではないでしょう。

そのために心掛けていること

だからといって、何もない状態で、自分の価値を評価してもらう、というのは虫が良い話です。

そのサービスを提供するのに、これだけの対価を支払っていただくだけの価値があるかの判断材料は用意しておくべきでしょう。

そのために、心掛けていることはあります。

まずは、値付けを明瞭にしておくということ。

私の場合であれば、事務所のホームページにサービスメニューを載せていて、料金表を公開しています。
規模が大きい場合や個別性が高い場合は、要相談としていますが、ほとんどのケースで明細含めた金額を提示しています。

次に、自分自身の考え方や情報を発信し続けること。

私の場合は、事務所のホームページに、ブログ記事を平日毎日で更新しています。

ここで、色んなモノの考え方や情報提供、専門的過ぎない税務記事、趣味に関する記事など、あまり偏り過ぎずに、書き続けています。

対面でお会いして、自分をアピールして仕事を獲得していく、という方法に比べれば、即効性はなく時間がかかることではあります。

しかしながら、これらを記録に残し続けて、積み上げていくことで、信頼を得られるのであれば、時間が掛かったとしても、これから長いお付き合いが出来る方を見つける方がいいのかなと思うところです。

おわりに

開業して間もない頃は、値付け交渉をした後は、ぐったりしていました。そこを突き詰めて考えた結果がこうした一つの考え方となりました。

もちろん、一人で思い付いたわけではなく、色んな方の情報発信を参考にしながら、何度も失敗を重ねながら進んできた結果ではあります。

まだまだ、思うように進まない部分もありますが、自分自身の軸となる方向性だけは定まってきたかなと思えるようになってきました。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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