時間を空けて、違う種類の仕事を呼び込む

自分でするか、人に任せるか。

仕事をする時には、選択を迫られることがあります。

どちらが正解ということはもちろんないですが、これまでの試行錯誤とこれからの方向性を考えるために、現時点での考え方を整理してみました。

自分が出来るかどうか

その仕事を自分でするかどうかを考えるときに、自分で出来ないことであれば、人に任せるしかないので、答えはシンプルです。

ただ、自分で受けた仕事として、人に任せるのか、仕事の依頼自体を受けずに、直接依頼してもらうのか、というので、対応は変わってきます。

自分で仕事を受けない場合は、それは自分の仕事ではなくなっているので、ここでは考えないこととします。

自分の仕事として受けて、自分には出来ないので、人に任せることになる。

会社などの組織に属している場合であれば、いわゆる「人に振る」というところでしょうか。

その良し悪しは正直なところ分かりませんが、そうして仕事というのは成り立っている部分があるというのは否定できないでしょう。

自分に出来ない、というのにもいくつか意味合いがあります。

能力的に出来ない、という場合。

そもそも能力的に出来ない仕事が舞い込んでくるということがあるのか、という疑問もあるかもしれません。

しかしながら、この仕事が出来るのであれば、これも出来るはずという判断は案外多いなと感じることがあります。

そうして受けた仕事を能力的に出来る人に任せるということは自然な流れと言えます。

判断に迷うのは、自分が能力的に出来る仕事の場合でしょう。

自分でする方が効率的かどうか

自分が出来る仕事である場合、次の判断基準としては、自分でする方が効率的かどうかという観点が考えられます。

当たり前のことではありますが、全く同じ仕事のやり方をするという人はいません。

マニュアルに従って、同じやり方をしていたとしても、進め方や動き方には微妙な違いがあって、成果物としての結果は同じに見えても、そこまでかかった時間など差異は必ずあるでしょう。

仕事が速い人・遅い人、きっちりしている人・雑な人、こうした分類の中でもそれぞれに差異は出て来てしまいます。

こうして考えると、自分を基準として、仕事が速いか遅いか、きっちりしているか雑か、などを見極めて判断することも一つの方法でしょう。

例えば、税理士事務所の仕事の一つとして、記帳代行というサービスがあります。

最近では、記帳代行をしない事務所というのも増えてきていますが、昔から税理士としての顧問業務の一つのサービスとして利用されているものでもあります。

顧問先から会計仕訳を処理するのに必要な資料を預かって、会計ソフト等に入力して、会計帳簿等を作成していく。

仕事としては、税理士が能力的に出来ないということはないでしょう。

それを自分で行う方が効率的かという観点で判断することがあります。

資料の授受、記帳代行、会計帳簿等のチェック、報告・提案、申告業務、その他付加サービスなど一人で請け負っている場合には、顧客数が増えればすぐに対応出来なくなってしまいます。

もちろん人によって能力差はここでも出て来るので、超人的な処理スピードで対応できる人もいるかもしれません。

それでも、限界はありますし、頭打ちは必ずきます。

そのため、多くの事務所で行われているように、記帳代行など部分的に仕事を人に任せることになるのでしょう。

記帳代行の入力という部分だけに特化してみれば、パソコン操作や会計ソフトの機能を上手く活用して、処理スピードが断然速いという人はたくさんいるものです。

この場合には、人に仕事を任せる方が時間的に効率的といえるでしょう。

その分、他の仕事に時間を使うことが出来て、対応出来る仕事の数が増えるので、仕事の分担的にも効率的といえます。

時間を空けるために

人に仕事を任せる場合の理由としては、時間的に効率的かどうかという観点が多いかもしれません。

その仕事を自分ですることで、他の仕事が出来なくなるので、人に任せる。

それでは、時間に余裕があるときにどうするか。

開業した当初など、比較的仕事が少なくて、時間はたっぷりある場合。

私が税理士として独立開業したときも、ある程度の仕事はいただけていましたが、それでも勤務していた時に比べれば、その仕事に割ける時間に余裕はありました。

状況は人それぞれでしょうが、私の場合は全ての仕事を自分でやっても少し時間に余裕があるような状態でした。

開業した当初は、自由さであったり、拘束時間の短さに、満足感を持ちつつも、漠然とした不安が常に頭の片隅にあったりしました。

なので、仕事でスケジュールが埋まっているというのは、安心材料となることもあります。

しかしながら、漠然とした不安は、先行きのことも含まれているので、今の状態を続けていてはダメだということも分かっていたりします。

他の開業している方のブログや本などを参考にしつつ、スケジュールを埋めることを目的にするのはやめようと思い立ちました。

余裕があるからこそ、時間を空けておくことを意識して、余裕がなくなるときに備えることを考えてみる。

仕事が少ないのに何を血迷っているのかと思われるかもしれませんが、今思えば大事なことだと実感することが出来ます。

大小は別にして、目指している規模がある場合、そこに到達しようと思うと、今の仕事に使う時間以外の時間が必ず必要となります。

その時間は自然と生み出されるものではありません。意識して作り出さないと、たちまち他のことで時間が埋め尽くされてしまいます。

どうせ他のことで時間が埋め尽くされるのであれば、先に繋がることに時間を空けておきたいものです。

いつもいつもそれが功を奏するとはいえませんが、その仕事を手放すことで、別の種類の仕事が舞い込んでくることもあります。

その仕事を続けていたら、もしかしたら受けられなかったかもしれない。

そう考えると、日頃から意識はしておきたいところです。

おわりに

今は余裕あるからなぁ、というお話を見聞きすることがたまにあります。それはそれでいいのかもしれませんが、余裕があるうちに別のことを考えておくのも有用かなと思います。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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