出来ることを引き受けるか考えるとき
自分が出来ることであれば、可能な限り対応したい。
開業しようと思い立った時には、そんなことをぼんやりと考えていた時期もありました。
その考え方自体は、今でも踏襲している部分がありますが、少しづつ状況に合わせて変化してきているところです。
勤務していた時
税理士として独立開業する前は、企業や税理士事務所に勤めていました。
期間にすると、合わせて約18年。
転職は1回していますが、自分なりに勤務していた経験を語れるぐらいの期間は過ごしてきたかなと思っています。
仕事に対する姿勢というのは、人それぞれではありますが、基本的には受け身の傾向があります。
自分で獲得してきた仕事をバリバリこなしていくというよりは、振り分けられた仕事をこなしていくという面が強いのかもしれません。
これは決してネガティブな意味ではなく、企業などの組織として受けた仕事であるので、当然組織の一員としての役割を果たすことがまず必要となってきます。
その時には、仕事の内容など自分で選択するということは、あまり出来ません。
もちろん、ある程度の経験年数を経ていたり、それなりのポストについていれば、選択出来ることもありますが、どうしても制限はかかるでしょう。
そうして、自分が出来ることをどんどん受け入れていくと、いつかパンクしてしまいます。
組織の中では、色んな思惑が交錯するので、上手く生き抜いていくためには、押すところと引くところを見極めたり。
この仕事は自分が出来るが、他にやりたい仕事があるので、他の人に任せたい。
この仕事は自分が出来るが、やりたくないので、他の人に振っておきたい。
・・・
上下関係もあったりするので、自分の思惑だけで進めることが出来るとは限りません。
自分が望まない形で押し通されたりすることもあるでしょう。
私自身は我が強い方ではないとは思うのですが、それでもそれなりのストレスみたいなものは抱えていたように思います。
独立するからには
税理士として独立開業しようと思い立った時には、これらの勤務の時の経験もあって、当初は出来る仕事は全て受け入れようとぼんやり思っていました。
自分が提供できるサービスに価格がつくのであれば、食べていくためにも、なおさらやっておかなければという危機感もあったり。
税理士業を経験するようになってから特に感じるところですが、相手が分からないことを説明して理解してもらえた、というのは単純に嬉しいものです。
パッと目の前が開けた時の表情や雰囲気というのは、分かり易いもので、時には感謝していただけることもあります。
困っている人がいれば助ける、というと大袈裟かもしれませんが、そんな大風呂敷を広げようとしていたのかもしれません。
そこから、実際に独立に向けて準備を進めていく中で、少しづつ気持ちの変化も出て来ました。
既に税理士として開業している先輩や知り合いの方、ブログや書籍などで情報発信されている方、セミナーを開催されている方など色んな人の話を見聞きしてきました。
その中で、特に、一人で事務所を運営していくひとり税理士の方の情報というのに大きく影響を受けました。
基本的には全てを一人でやらなければいけないので、受けれる仕事は限られてきます。
出来る仕事とやる仕事を区分けするというところでしょうか。
自分が望まない仕事ばかりに時間を取られてしまうと、本当にやりたい仕事に集中出来ない、場合によっては、支障が出てしまう。
そうした事態を防ぐために、入口から制限しておくという考え方です。
開業して自由とはいえ、時間が無限にあるわけではありません。
勤務していた時と同じように、仕事を積んでいけば、いつか限界が来ます。
一人であれば、その許容量は思っているよりも少ないかもしれません。
開業直前には仕事の範囲を制限する方向に舵を切ることになりました。
現実を直視すると同時に無限の可能性も信じる
既に税理士として独立開業されている方のお話を見聞きすると、望まない仕事があってストレスになっているという場合が多いようです。
それは無理難題を押し付けられているというよりも、出来るだろうからということで何でもかんでも依頼されている、というところでしょうか。
そういった現実を見聞きすると、初めから出来ることと引き受けることの線引きを明確にしておくというのは重要なことと思えます。
ただ、それはある程度経営状況が軌道に乗っているということが前提で、仕事が全然ない時に実行するというのは勇気がいることでもあります。
もちろん、お客さんゼロの時から仕事を選別して、その後軌道に乗せて、食べれるようになったということはあるでしょう。
実際に、そういった経験を包み隠さず、何ならノウハウも公開してくれている方もいたりします。
それはそれで、事実であり、決して偉ぶることなく、真摯に仕事に邁進されているのは、単純にスゴイと思えます。
しかしながら、当たり前のことですが、全ての人に当てはまることではありません。
それらの上手くいった事例と同じぐらい、もしかしたらそれ以上の上手くいかなかった事例もあると思っています。
上手くいかなかった事例というのは、情報発信する方も少ないでしょうし、なかなか表に出て来ないので、あくまで推測の域ですが。
一例としてですが、私の場合、開業当初は、営業を掛けられたり、望まない仕事が来ないようにすることに比重を置きすぎて、事務所の存在を隠すかのように情報発信を制限していました。
そうなると、見事に事務所の存在が認知されずに、ひっそりと初年度を終えることになりました。
全然仕事が増えない。
自分の出来ることを発揮する場面自体が少ない。
これではダメだと、営業を掛けられたり、望まない仕事の依頼が来てもいいから、とりあえず認知度をあげる方向に舵を切り直すことにしました。
今のところは、当初恐れていた程ではなく、むしろもっと来ても大丈夫かもと思えるときもあります。
これは、参考にした情報がダメだというわけではなく、自分に合っているかどうかというところなのでしょう。
最近では、少し自分の望まない仕事などが舞い込みそうになることもあり、その時には開業当初の防御が役に立っていたりします。
自分が出来ることを全て引き受けることは出来ませんが、やりたいこととのバランスを取りながら、無限の可能性を信じて、間口は広げていきたいなと考えています。
おわりに
聞いてた話と全然違う、ということはよくあることです。
私の場合は、自分が都合よく解釈していたということがほとんどですが。それでも、文句を言わず、自分なりにアレンジして活かしていくことが出来ればなと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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