ふるさと納税の返礼品に課税される場合の目安
ふるさと納税にはお得なイメージがあるかもしれません。
税金が戻ってきて、返礼品がもらえる。
厳密には、税金の負担額はトータルでは減っていないのですが、所得に応じたふるさと納税の限度額を超えていなくて、2,000円相当額以上の返礼品がもらえれば、金額的にはお得になるといえます。
それなら、ふるさと納税の金額を増やして、より多くの返礼品をもらった方がお得になるのでは、と考えてしまうかもしれません。
方向性としては間違っているわけではないのですが、返礼品にも課税される場合があるので、気を付けておく必要があります。
なお、これらの情報は、2022年10月11日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
ふるさと納税の返礼品も課税対象となる
個人の所得(利益)には、お金でもらった場合以外のものも含まれます。
例えば、給与1万円を現金でもらった場合と1万円相当の物品でもらった場合とでは、同じ経済的利益を受けている、という言い方をしたりします。
同じような考え方として、ふるさと納税でもらった返礼品も、基本的には個人の所得(利益)として捉えることになります。
総務省ホームページ
ふるさと納税ポータルサイト
よくある質問 Q14ふるさと納税のお礼の特産品は課税対象になりますか?
個人の確定申告における所得区分は「一時所得」という区分になります。
国税庁ホームページ
「ふるさと納税」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係
一時所得には、懸賞金や賞金や生命保険の一時金などが含まれます。
国税庁ホームページ
一時所得
ふるさと納税の返礼品に課税される場合の目安
一時所得の計算方法は下記のように定められています。
国税庁ホームページ
一時所得
総収入金額・・・ふるさと納税の返礼品の金額
収入を得るために支出した金額・・・基本的にはなし
とすれば、特別控除額が最高で50万円あるので、他に一時所得に該当するものがなく、ふるさと納税の返礼品の金額が50万円を超えなければ、一時所得の金額はゼロとなるため、一時所得の申告は不要となります。
例えば、
10万円相当の返礼品をもらった場合。
10万円 ー 0 ー 10万円 = 0(一時所得の金額)
60万円相当の返礼品をもらった場合。
60万円 ー 0 ー 50万円 = 10万円(一時所得の金額)
となります。
ここで問題となるのが、返礼品の金額です。
ふるさと納税をするときには、寄附金額をいくらにするかは気にするところですが、返礼品の金額がいくらかというのはあまり意識していない場合が多いでしょう。
ふるさと納税の返礼品に課税されるかを確認するためには、返礼品の金額を意識しておく必要があります。
一番確実な方法は、ふるさと納税の寄附先の自治体から返礼品の金額を教えてもらうことです。
しかしながら、全ての返礼品について、金額を教えてもらえるわけではありません。数が多い場合には、一つ一つ確認するのもある程度の労力が必要となります。
簡便的な方法としては、ふるさと納税から逆算する方法が考えられます。
ふるさと納税の返礼品の金額設定には、一定の制約があります。
総務省ホームページ
ふるさと納税ポータルサイト
ふるさと納税に係る指定制度について
返礼品の返礼割合が3割以下と制限されているので、ふるさと納税の金額の30%を目安として考えておけば、それが一時所得の特別控除の50万円を超えるかどうかで課税対象となるかの目安とすることが出来ます。
ふるさと納税の限度額を考えると
一時所得の特別控除50万円から逆算すると、ふるさと納税の金額が167万円を超えていれば、一時所得が発生する可能性があると考えられます。
50万円 ÷ 30% = 166万円6,666円
ふるさと納税自体に限度額はありませんが、各個人の所得金額に応じて、所得税・住民税から控除しきれなくなる限度額というラインがあります。
ふるさと納税の仕組み等については、別の記事でも取り上げていますので、そちらもご参照ください。
ふるさと納税の効果を時系列で把握する
基本的には、各個人ごとに厳密に計算しないと、正確な限度額は算出できませんが、給与所得者であれば、給与収入額の目安が示されています。
総務省ホームページ
ふるさと納税ポータルサイト
税金の控除について
例示されている表で給与収入が一番高い2,500万円でも、「独身又は共働き」でふるさと納税限度額は「855,000円」です。
用意されているExcelシミュレーションで、下記条件で試算すると、給与収入が4,400万円を超えると、ふるさと納税の限度額が167万円を超えるようになります。
生命保険の一時金など、他の一時所得があるときには、それらも含めて計算する必要があるため、注意が必要です。
おわりに
多くの方に当てはまるわけではないですが、返礼品に課税されない仕組みは大まかに捉えておいて損はないでしょう。該当する場合にはきちんと意識しておく必要があります。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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