こうなったらという期待に頼り過ぎない

今の現状に不満があって、環境を変えたら、何か変わるかもと期待することがあります。

私自身も、税理士として独立開業する際には、不満があったかどうかは別として、何か変わるのではないかと期待している部分がありました。

当時自分が思っていたこと、周りで独立開業を考えている人が漏らしていたことなどを含めて、実際に独立開業した後にどうなっているか、改めて振り返ってみました。

もっと時間があったら

勤務していた時には、多少の波はあるものの、いつも時間に追われているような感覚がありました。

忙しい時はもちろんのこと、比較的業務が少ない時でも、何か今のうちに出来ることがないか考えてしまいます。

せっかく時間があるのだからパーッと遊ぼうということで、仕事以外のことに時間を使うので、空いている時間というのはなかなかなく。

ある程度の規模の組織に属していると、純粋な税理士業以外の仕事というのも発生してきます。

組織の運営のための管理の仕事であったり、社内の人とのコミュニケーションも一つの仕事と言えなくもありません。

そうすると、時間はいくらあっても足りない。

病気になったり、精神を病んでいるところまで及んでいなくても、しんどさが滲み出ることがあります。

そんな時に思うのは、もっと時間があったら、ということ。

独立開業して自分で事務所を運営するのであれば、時間の使い方は自由です。

自分で時間を作り出すことは勤務している時よりも容易ではあります。

ただ、いくら独立開業したからといっても、一人で完結する仕事ばかりではありません。

相手があっての仕事となれば、少なくとも相手の都合も考慮する必要が出て来ます。

その数自体が少なくなれば、それだけ調整することが減るので、時間の融通は利き易くなるでしょう。

そこは、勤務している時よりも、時間が作り出しやすい要因と言えます。

全く違う業種・業態であったり、ガラッと仕事のやり方を変えるのであれば、一か八かで独立開業して、時間を作り出せるかもしれません。

しかしながら、同じ業種。業態で、仕事のやり方もある程度踏襲するのであれば、勤務時代に何かしら変える兆しを作り出せないと、独立開業しても状況は変わらないことが多いというのが実感するところです。

もっと仕事量が減らせたら

勤務している時には、基本的には仕事内容を選ぶことが出来ません。

もちろんある程度は経験や能力を考慮して判断されることもあるでしょうが、やるかやらないかの2択で、やらなければ評価が下がるので、実質的には1択のことが多いものです。

税理士事務所の場合であれば、顧問契約を締結している顧問先のどこを担当するかという割り振りであったり。

合う合わないなどもありますが、打診があれば受けるものでしょう。

そうなると、何件まで担当できるかというのがネックになってきます。

1件に掛かる時間などはそれぞれ違うので、労働時間によって変わってくる。

人によっては、50件担当していても定時で帰れている場合もあれば、30件でも残業が多い場合もあったりします。

工夫して業務を効率的に進めて、掛かる時間を短縮しても、時間に余裕があれば、担当件数を増やされるというのは、この業界ではあるあるかもしれません。

そうしたことからそれぞれの思惑が錯綜して、一部の人に業務が集中してしまうこともあります。

そうなると、前項の「時間があったら」という状況に陥ることになります。

これが独立開業したら解消できるのか。

答えは、YESでもあり、NOでもあります。

独立開業した当初は、多くの場合、担当件数が減ることが多いでしょう。

中には、顧客ゼロからスタートする場合もあります。

そうなると、勤務していた時に比べると、担当先に掛かっていた仕事量は減ることになります。

ただ、事務所としての方針をどうするかにもよりますが、ある程度までは顧客数を増やしていきたいのであれば、仕事量は増えてきます。

食べていけるぐらいの収入を確保するラインがどこなのかにもよりますが、そんなに低くなるようなケースは稀です。

たとえ、担当件数を減らせたとしても、独立開業すると、それ以外の仕事というのが発生してきます。

個人で独立開業するのであれば、個人事業主としての手続きなどは最低限行う必要があります。

税理士であれば、顧客の姿を実際に見ているので、どんなものなのかの想像はつき易いですが、実際に自分がやるとなると事情は変わってきます。

振込や契約など一つ一つを自分でするとなると、まとまった時間が取られます。

これもまた仕事なので省略することは出来ません。

人を雇って、それらの仕事を依頼するという方法もありますが、組織化への第一歩とも言えるので、独立開業したことのメリットを感じにくくなるかもしれません。

服装が自由になったら

 業種・業態によっては昔から、最近では時代の流れもあって、仕事をする時の服装は、スーツにネクタイでなければならない、と言う場面は減ってきているように感じています。

ただ、相手によっては失礼にあたるかもしれないから、スーツにネクタイにしておく、ということで根強く残っている部分があります。

私の場合は、社会人になった頃はまだクールビズなども浸透していない頃なので、真夏でもスーツにネクタイでいつも過ごしていました。

内勤だったので、外回りが頻繁にあるわけではなく、まだマシな方だったと思うのですが、それでも結構大変でした。

上司含めて年配の方が多かったので、皆さんピシッとスーツにネクタイでいつも出社されており、自分だけが着崩すわけにもいかず。

スーツはまだ耐えられたのですが、ネクタイがどうしても苦手で、いつも気になって首周りを触ってしまうのがクセになっていたくらいです。

転職した税理士事務所では、基本社内ではノーネクタイでもOKだったので、そこはとても助かりました。

それでも、スーツにネクタイではなく、オフィスカジュアルで私服に近いジャケットでの出社がいいなどの意見もありました。

パソコンを使った作業など事務処理を行う場合、確かにスーツにネクタイというのは作業がし易いわけではないでしょう。

もっとラフな格好の方が動き易くて、長時間の作業にも向いているかもしれません。

当時は、あまり深く考えていませんでしたが、そうした意見を聞いて、スーツにネクタイをやめれば作業効率が上がるのかなとぼんやり思っていました。

実際に独立開業してからは、必要に応じてスーツにネクタイを使い分けるようになりました。

基本的には、私服でラフな格好が多くなりました。

確かに動き易いですし、パソコン作業などはやり易くなったような気がします。

ただ、目に見えて作業効率が上がったわけではなく、慣れもあって、正直なところネクタイをしなければそんなに変わらないかなというのが正直なところです。

あまりにスーツを着ないでいると、たまにはスーツでも着てみるかと思うこともあり、不思議なものです。

個人的には、スーツを着ると、少し気が引き締まって、仕事モードのスイッチが入るので、そんなに嫌ではありません。

それぞれの好みでしょうが、独立開業したからスーツにネクタイをやめる人ばかりではないのかなと。

自分がどうしたいかというのを勤務している時から考えておくことが必要なのだと思います。

おわりに

不満と期待は紙一重で、どちらかに偏り過ぎず、冷静に今の現状を把握することが大事なのかなと思います。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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