暗黙のルールが覆るリスクを考えておく
黙っていれば分からない。
あるいは、敢えて問題にせずに、黙認されている。
そういったことは往々にしてあるものです
しかしながら、そうした暗黙のルールが突然覆ることがあります。
暗黙のルールに甘んじることが多少あったとしても、それが覆るリスクは考えておきたいものです。
ルール違反だが黙認されている
犯罪に関わるようなことは別にして、ルール違反なのに、黙認されているケースというのはあるものです。
例えば、私が税理士事務所として賃貸しているマンション。
いわゆる分譲賃貸のマンションで、一室ごとにオーナーが別になっていて、それぞれの裁量で運営されています。
居住用として賃貸しているところもあれば、テナントとして賃貸しているところもあったりします。
もちろん裁量の幅が大きいとはいえ、マンション自体の管理規約には従う必要があります。
基本的には、テナントとして賃貸することは問題ありませんが、不特定多数の第三者が出入りするものは禁止されていたりします。
実際に居住している人もいるので、セキュリティの面も含めて、最低限のルールなのでしょう。
ただ、この不特定多数の第三者という定義は難しいところで、どこまでが「不特定多数」なのか、などは判断が分かれるところです。
実際のところ、ネイルサロンやエステを経営されているところもありますが、お客さんという意味では、「不特定」であり、来店される人数によっては「多数」に該当することもあるかもしれません。
今のところは、明確に管理規約に違反しているとして禁止されているわけではないようです。
私が税理士事務所として賃貸しようと申込んだ際にも、来客などあるか、どれぐらいの頻度・人数になりそうかというのは聞かれました。
元々、業者さんなどが来社される頻度が多い業種というわけでもなく、基本的には顧客などのところへ訪問することを前提としているので、そんなに頻度も人数も多くないかなと。
どこのテナントもそういった感じで、特に問題になることなく上手く運営されているのでしょう。
それが、最近明確に禁止されるものが出て来ました。
レンタルスペースです。
時間単位でその部屋を借りることが出来て、パーティーや女子会、コワーキングスペースとしても利用出来るものです。
これまでも、特に隠れて運営していたわけでもなく、堂々とレンタルスペースとして広告などされていましたが、急に明確な禁止の掲示がなされるようになりました。
単なる個人的な推察ですが、おそらくパーティーなどで利用している際の騒音や大量のゴミの処理などで実害が出てきたからではないかなと。
本当のところは分りませんが、管理規約に基づいて禁止と言われれば、どうしようもありません。
今までは何も言われなかったのに・・・。
それはただ暗黙のルールとして、黙認されていただけなのでしょう。
その時に考える
こうした暗黙のルールが覆ることというのは、急にやってくるものです。
もちろん、事前に何度か注意喚起があってという場合もあるでしょう。
しかしながら、今まで大丈夫だったからと安易に考えてしまうかもしれません。
そうした事態に直面した時にどうするか。
確率的には遭遇する可能性が低いと考えれば、その時に考えるというのが現実的かもしれません。
レンタルスペースの場合であれば、実害となった事項を改めることで、継続させてもらえないか交渉してみる。
継続が難しいとなれば、別の場所を検討したり、その事業自体の撤退も視野に入れたり。
私の場合であれば、今税理士事務所として賃貸している部屋が管理規約違反として、税理士事務所としては使えないとなったらどうするか。
来客の頻度や人数が大幅に増えて、不特定多数の出入りに該当してしまうことがないとは言えません。
オーナー側から急に出て行ってくれと言われる可能性もゼロではないでしょう。
まずは、現状で継続するための条件はないかを確認する。
継続を希望するならば、暗黙ではないルールに則って手続きする方が効率的です。
それが無理なら、別の場所に移ることを考える必要があります。
自宅か別の場所か
賃貸なのか所有なのか
テナントビルなのかマンションなのか戸建てなのか
場所は
・・・
考えることはたくさんあります。
ある程度の時間の猶予があったとしても、限られた時間の中ではタイミングもあるので、より良い選択が出来ないかもしれません。
あらかじめ想定しておく
その時に考えるのも一つの方法ですが、出来ればあらかじめ想定しておきたいものです。
最初に想定しておくことで、後々動き易くなることもあります。
例えば、先のレンタルスペースの場合。
マンションの一室を賃貸して、最低限の内装や什器備品でスタートしていると、もしもの時に動き易いでしょう。
でも、他との差別化を図るためには、最低限では利用が見込めないかもしれない。
それはそうでしょう
分譲マンションの一室を購入して、賃貸では出来ない内装や什器備品を取り揃えることで、利用の満足度を高めて、より多くの利用者数を見込めるようにする方が得策かもしれません。
それならば、想定されるリスクは出来るだけ減らしておくべきでしょう。
暗黙のルールに期待することはリスクが大き過ぎます。
そうしたことも踏まえて、色々なケースをあらかじめ想定しておくことは有用です。
私自身も、今回のレンタルスペースの禁止を受けて、自分の場合も想定するようになりました。
別の部屋を賃貸する
他のマンションの一室を賃貸する
テナントビルの一室を賃貸する
分譲マンションとして所有する
戸建て賃貸する
・・・
色々な可能性について、時間の制限なく考えられるというのは、選択肢を広げてくれるものです。
実際にそういった場面に遭遇すれば、最初はびっくりするでしょうが、すぐに切り替えられそうです。
おわりに
今までは物件情報などほとんど見てこなかったのですが、色々とあるんだなぁと実感しています。
今の場所が、結構いいのかもと思ったりも出来て、最近では物件情報巡りが楽しみになりつつあります。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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