締切りに余裕が出来ることで起こる変化

日々実施している税理士業においては、締切りがあることがほとんどです。

申告書や届出の提出期限、税金等の納付期限など、厳格な締切りが定められています。

そこを守るのは当然として、その前の段階でも締切りというのは存在するものです。

お客さんへ説明する期限、社内の承認手続きの期限など、ある意味任意となるもの。

こうした締め切りは、状況によって変化することもあり、締切りに余裕が出来ることもあります。

紙で提出する時には

2023年10月10日現在では、税務手続に関わらず、申請などの手続きを紙の資料で行うことは、減少しつつあります。

行政手続きについては、システム化が遅れているというようなことを見聞きすることがありますが、仕組み自体はあるけれど、まだまだ活用されていないことが多いという印象です。

税理士業として携わることが多い税務手続においても、最先端とまではいかなくても、システム化されている部分は多くあって、自分が関わる業務範囲では、紙の資料を利用する機会というのは本当に減りました。

私自身が、仕事として初めて税務に触れたのは、約20年程前。

当時は、上場企業の経理業務に携わっていて、歴史のある企業というのもあってか、昔ながらの処理というのが根強く残っていました。

税務申告書の作成自体は、Excelなどデータで作成していましたが、それを紙で印刷してファイリングしていく。

提出用と控用とで、同じファイルを何個か作って、添付資料などが多い場合には、パンチ穴に紐を通してまとめたり。

納付書に納付金額を記載する際には、訂正が出来ないので緊張しながら慎重に進めていく。

関西以外にも事業所があったので、地方税については、各事業所を管轄する県税事務所等から送付されて来た納付書に記載する必要があります。

微妙に書式や色合いが違っていたりで、該当する金額自体を間違えないようにしなければいけない。

簡単なことではありますが、予備がなくなれば、改めて納付書を取り寄せないといけないので、ミスは許されない雰囲気。

何度か期待に応えて?ミスしてしまって、取り寄せたのは、いい思い出です。

そこから、税理士業界へ転職したのですが、最初は基本的なところは変わりませんでした。

紙に申告書を印刷して、署名・押印して、提出し、紙の納付書で納付する。

違っていたのは、税理士の署名・押印をしてから、会社や事業者の署名・押印をするということ。

申告書等の提出期限から逆算して、それまでの期限を設定する必要があります。

 ①申告書等の提出期限

 ↑

 ②お客さんへの提示期限

 ↑

 ③事務所内の手続き期限

「①申告書等の提出期限」は厳格な締切りとして、「②お客さんへの提示期限」「③事務所内の手続き期限」は任意なので、そこまで厳格というわけではありません。

しかしながら、お客さんへ提示して、署名・押印した申告書等を変更するというのは、簡単ではありません。

一つ一つのステップを固めていくようなイメージなので、その前の段階で確定したものを作成しておく必要があるという意味では、厳格な締切りに近いものでした。

オンライン手続きが可能になって

税理士業界へ転職した当初は、紙の資料での手続きが圧倒的に多かったのですが、数年後には電子申告などのシステムが普及するようになりました。

最初から歓迎されて一気に普及したというわけではなかったのですが、その便利さが認識されるにつれ、ジワジワと普及していったという印象です。

オンライン手続きが可能になると、それまでの手続きの流れにも変化が現れるようになりました。

基本的な流れは変わりません。

 ①申告書等の提出期限

 ↑

 ②お客さんへの提示期限

 ↑

 ③事務所内の手続き期限

それまでは、ある程度の日程の余裕を持たせる必要がありましたが、オンライン手続きが可能になって、日程の幅が狭まったようなイメージです。

 ①申告書等の提出期限

 ↑②お客さんへの提示期限

 ↑③事務所内の手続き期限

お客さんによっては、大まかな申告内容と納付税額などを先に説明しておき、確定したら後日メール等で連絡することを希望される場合もあります。

そうすると、申告・納付までオンライン手続きが可能となれば、申告・納付期限などの厳格な締切りまでに、時間的な余裕が出来ることになります。

やるべきことは変わらないけれど、精神的に余裕が出来るというのは、焦りやミスを抑制するなど、良い効果が出て来るのかなと。

余裕は出来るけれども

オンライン手続きが出来るとなると、期限までに何度もやり直しが出来ることもあります。

ちょっとした内容の変更なども、データで管理していれば、簡単に修正することが出来たり。

もちろん、システムによってはオンライン手続きは出来るけれど、変更は不可であったり、変更するには別途システムから手続きが必要ということもあります。

私自身がよく関わる税務手続においては、オンライン手続きである電子申告などは期限までであれば、申告書等のデータを何度も送信することが出来ます。

最後に送信したデータが最新のものとして取り扱われるというイメージです。

そのためには、厳格な締切りである、申告等の期限まで余裕を持ったスケジュールで進める必要があります。

10月31日が期限で、10月30日に最初の提出をしていたのでは、その恩恵はほとんどありません。

オンライン手続きをすることで、出来た余裕の日程ぐらいは先んじて動きたいところです。

ただ、余裕が出来れば、それを当たり前としてスケジュールを組んでしまうのが人間の性というもの。

いつの間にか余裕が余裕でなくなってしまっていることはよくあることです。

だからこそ、早く新しい締切りのスケジュールに慣れることが必要になります。

新しいやり方が出てくれば、早く試してその時間感覚を掴む。

いつもギリギリなのもダメですが、余裕があり過ぎる状態が続くのも、スケジュール管理としては上手く行っていないのかなと。

余裕を作っては、また段々と減っていく、そういう状態を繰り返しながら、試行錯誤していくのが一番の近道なのだと思っています。

おわりに

昔に比べれば・・・というのは、よく思うことですが、そこで思考が停止しないように気を付けたいところです。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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