GビズIDで算定基礎届を事前に電子申請する
2020年4月1日より社会保険の手続きにおいても、電子証明書がなくても、電子申請が可能となりました。まだ、全ての手続きというわけにはいかないようですが、大きな一歩のように感じます。
今回は、電子申請が可能となった手続きの中でも、比較的移管し易いと思われる算定基礎届の電子申請について、概要をまとめてみました。
詳細な設定方法等については、年金機構のホームページ等に詳しくマニュアル等が公開されているため、出来るだけ簡略にイメージを掴みやすいようにいています。
なお、健康保険・厚生年金適用事業所であることを前提としており、全ての事業所に当てはまるわけではありませんので、ご留意ください。
これらの情報は、2020年7月6日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等を合わせてご確認下さい。
算定基礎届の概要
ざっくりと説明すると、健康保険及び厚生年金保険に加入している人の保険料は、その人の給与等の金額に応じた等級によって決められます。その等級は、基本的には1年に1回、4~6月の給与等の平均金額で決まるのですが、その平均金額は事業主が計算して年金事務所に提出することになります。これが「算定基礎届」と呼ばれるものになります。
日本年金機構ホームページ
算定基礎届の提出
ただし、年の途中で給与等の金額が大きく変動する場合など、別途手続きが必要な場合がありますので、詳細は日本年金機構のホームページ等をご参照いただくか、お近くの年金事務所までお問合せ下さい。
これらの手続きは、所定の書式に従って、被保険者ごとに平均給与等の金額など必要な情報を記載して、7/1~10の間に提出することになります。
通常は、毎年6月頃に、管轄の年金事務所から、直近の被保険者の情報が印字された算定基礎届の用紙が郵送されてきますが、日本年金機構のホームページ等から取得することも可能です。
日本年金機構ホームページ
健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者 算定基礎届(PDF 2,188KB)
日本年金機構ホームページ
健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届 (記入例)(PDF 1,706KB)
電子証明書なしでの電子申請の手順
以前から電子証明書を利用した電子申請(e-Gov)がありますが、電子証明書を取得するということがネックになっているのか、社会保険労務士や一部の事業者を除き、普及が進んでいないのが現状のようです。
日本年金機構ホームページ
電子申請(e-Gov)
2020年4月1日より電子証明書を取得しなくても、「GビズID」でIDとパスワードを取得すれば電子申請が可能となりました。
日本年金機構ホームページ
電子申請(GビズID)
GビズID取得から電子申請までの流れは下記のとおりです。
申請データの作成については、別途専用のソフトなどを購入しなくても、無償で提供されている「届出書作成プログラム」をダウンロードして利用することが出来ます。
単なる私見ですが、若干操作が分かりにくいところもあるかなと思うので、用意されたマニュアル等を事前に確認することをお勧めします。
日本年金機構ホームページ
届書作成プログラム
「届出書作成プログラム」による作成・申請
初めて使用する際には、マニュアルに従い「初期情報の設定」「被保険者情報」の編集等を行っておきます。
以下は、「算定基礎届」の作成の流れになります。
登録した被保険者情報を呼び出して、個別に情報を入力していきます。
全ての方の入力が終わったら、「登録」して保存しておきます。
電子申請のための、提出ファイルを作ります。
任意の場所に保存しておきます。
この後の電子申請の際に、選択する必要があるので、決まった場所を定めておく方がいいかなと思います。
最後に、電子申請となります。
このあとに、申請するファイルを選択し、事業所情報を複数回入力した後、GビズIDでログインして送信することになります。
注意点
・「GビズID」の取得
Webから情報入力して仮受付されますが、印刷して押印の上、印鑑証明書を添付して郵送する必要があります。手続きには2週間程を要するので、事前に手続きしておくことが必要です。
・全ての手続きは出来ない
「対象となる届出書」が例示されていますが、全ての手続きが「GビズID」による電子申請で可能というわけではないので、事前に確認してから余裕を持ったスケジュールで手続きを使い分けることが必要です。
・事前に電子申請することが可能
今回は、7/1以前に電子申請までの手続きを行っていましたが、7/1に受付された旨のお知らせが来ました。
7/1以前に送信は可能なようですが、提出期間である7/1~10に受付されるようです。
おわりに
社会保険関係についても、電子申請のハードルが下がったこともあり、試しに手続きをしてみました。
まだまだ紙での手続きが根強く残っている印象ですので、少しづつでも業務が効率化されていけばいいなと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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