業務の一部を請け負うという考え方

税理士として行う仕事と言うと、分かり易いようで分かりにくいところがあります。

資格として出来ることであれば、ある程度は限定されるかもしれませんが、制限されているわけでもなく。

特に、独立開業していると、業務の幅は広がるもので、自分自身で選択していくことが必要になります。

業務の一部を請け負うというのも一つの考え方です。

事業で行う業務

個人や法人など組織の形態は別として、事業を行う際には、最低限必要な業務というものがあります。

自分の好き勝手にやるから関係ない、というのなら別ですが、法令やルールに則った手続きというのは避けられないもの。

ガチガチに順守しなくても制限の中でやっていくことが必要です。

色んな見方がありますが、税務に沿ったところでいうと、

 ①事業活動

 ②取引の記録

 ③税務書類の作成

というのが大まかな流れ。

基本的には、事業を行っている個人や法人で完結させることになります。

それでは、全ての事業者が自己完結しているかといえば、そんなことはなく。

時間的な制約や得意不得意などで、業務を他の人に請け負ってもらうことも出来ます。

そうした請け負う業務に対して、税理士として関わる時に何を請け負うか。

税理士にしか出来ないこともありますが、税理士でなくても出来ることはあります。

出来るから請け負うのか、範囲を決めておくのか。

こちらも事業として請け負うのならば、ある程度は考え方を決めておく方がいいかなと思っています。

事業活動

事業活動自体は、事業を行う人が主体で行うもの。

それを人に任せるのは、どうなのか。

それも一つの戦略ではあります。

事業の方向性やフォーマットを決めて、全てを自分で実行するわけではない。

時間や労力には限りがあるのだから、何でもかんでも自分でしていては、広がりが持てないもの。

事業を拡大する・多角化するときには、必要な戦略ではあります。

元々、広がりを求めていないのであれば、自分の把握できる範囲で、深さを求めていく。

これもまた戦略です。

こうした事業活動の部分で、税理士として、業務を請け負うとなると、コンサルティングの分野などが挙げられます。

税務顧問とは別に、経営コンサルティングのような形でサービスを提供しているという場合もあります。

私の場合は、税務サービスとは切り離した形で提供しているのは、個別コンサルティングなどの単発サービスになります。

タイムチャージ制で、継続してというよりもスポット的な内容がメインです。

顧問業務の場合であれば、その中に組み込まれている形になります。

ただ、どちらかと言うと、事業活動の中の経理業務に関する相談の方が多いので、そちらをメインに据えているところはあります。

取引の記録

取引の記録というと、税務会計がメインの業務内容になります。

いわゆる仕訳を切るというもの。

そこは、専門にしている分野でもあるので、業務の請け負いの幅は広がるかなと。

事業者側で、取引の登録をしていて、それをチェックする。

税務的な判断が必要なものについてアドバイスする。

場合によっては、取引の登録自体を請け負うこともあります。

いわゆる記帳代行と呼ばれるもの。

記帳代行に対する姿勢というのは税理士によっても様々です。

時間と労力が掛かるものなので、許容量を超えたら請け負わない。

記帳作業自体の効率化を実現していて、積極的に請け負っている。

私の場合は、記帳代行のある顧問業務は一定数で線引きをするようにしています。

後は、地域や業種を絞って、記帳代行を効率的に行える条件が揃っていれば、請け負っていくというもの。

マンパワーが無限にあるわけではないので、それでも想定したボリュームを超えれば、請け負うことをストップすることを視野に入れています。

税務書類の作成

税理士しか請け負えない業務として、税務書類の作成があります。

個人の確定申告書や法人の決算申告書を事業者の代わりに作成するなどが挙げられます。

会計ソフトに取引を入力するところまでは自分で出来そうでも、申告書を作成するとなると難しいので、税理士に依頼したいというニーズは一定数あります。

それこそ税理士として請け負う業務なのかもしれません。

ただ、取引の記録までは自分でするので、申告書の作成のみをお願いします、という依頼は基本的に受けないようにしています。

正確には、申告書の作成のみの依頼なので、その分の報酬だけでお願いします、というもの。

それは、請け負う業務を選別しているというわけではありません。

申告書の作成と言っても、それだけで完結するものではなく、その前提には取引の記録の蓄積があります。

その一つ一つを把握した上で、成り立つもの。

繋がりがある部分を区切って、そこは見ずに、部分的に請け負うというのは難しいところです。

結局のところは、全体を見直す必要があるので、それに見合うサービスと報酬にならざるを得ないと考えています。

おわりに

あくまで一個人の考え方なので、私が請け負わないところを他で積極的に請け負う場合もあります。

自分にあったサービスを地道に探すというのが近道かなと思っています。


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この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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