リモートワークを行うために必要なことを考える

新型コロナウィルス感染症の拡大を契機として、リモートワークが推奨され、以前に比べれば、その導入に対する障壁は低くなりつつあるのかなと思います。

税理士業界においても、その流れを避けて通ることは出来ないように感じますが、導入率という点では、まだまだ低いのかもしれません。

先日、私自身も自宅でリモートワークをする機会がありました。ある意味では実験的なところもありましたが、その時に感じたことなどをまとめてみました。

リモートワークの必要性

私自身は、税理士として独立開業しており、日々の業務については、自宅とは別に事務所を借りて行っています。

事務所に常駐しているのは基本的に私一人しかいません。

自宅から事務所はそれ程離れておらず、通勤は自転車で15分程で行ける距離です。

新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点で言えば、私自身の現在の仕事環境であれば、自宅で仕事をするようにすることにそれ程効果はないように思われます。

通勤時の感染リスクについては、電車であれば、不特定多数の人と接触する可能性がありますが、自転車なので一定時間を密な状態になることもありません。

職場での感染リスクについては、大きな会社などであれば、職場があるビル自体が不特定多数の人と接触する可能性がありますが、基本的に一人なので、人と接触する機会は極端に少なくなります。

もちろん、外に出ることにはなるので、全く人と接触しないというわけではなく、手洗い・うがい・消毒など最低限の予防対策が必要なことには変わりありませんが。

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のために、リモートワークを行うという意味では、それ程効果はないかなと思いますが、事務所でしか業務が出来ないというのは、効率よく業務を行うことやリスク管理の観点で考えると、解消しておきたいことかなと感じています。

事務所以外の場所でも仕事が出来る環境があることで、時間を有効に使うことが出来る場面を増やすことが出来るのではないかなと思います。

リモートワークに向いている業務・向かない業務

リモートワークを行うときに、まず考えるのは、普段業務を行っている事務所の環境を、外でも再現出来るかということを考えるかもしれません。

例えば、「顧客から預かった会計資料を元に会計ソフトに仕訳を入力する」という業務を自宅で行う場合、

・顧客から預かった会計資料を自宅に持ち帰る
・自宅のパソコンに会計ソフトをインストールする

これで「顧客から預かった会計資料から会計ソフトに仕訳を入力する」という業務は最低限行うことが出来ます。

しかしながら、顧客から預かった会計資料を事務所から持ち出すのであれば、その管理が必要となります。

また、事務所以外のパソコンに会計ソフトをインストールして使う場合、そのデータがサーバーに保存されていたり、クラウドで共有していればいいですが、個々のパソコンに保存している場合には、そのデータのやり取りなどについても管理が必要となります。

リモートワークにすると手間暇だけが増える、事務所で業務を行うのが一番効率的である、となってしまうとリモートワークをしようという気になりません。

他方で、メールのやり取り、電話、文章をまとめる、などパソコンがあれば出来る業務であれば、事務所という場所にこだわる必要はありません。

もちろんシステムを使用するときの最低限のセキュリティ面での担保は必要となりますが、どこでも業務を行うことが出来ます。

むしろ、こういった業務を事務所という特定の場所に限定してしまうと、移動中や外にいるときなどに使える空き時間を有効に活用出来ずに、事務所に戻ってから行う業務が積み上がっていき、自動的に時間がかかるということになってしまいます。

事務所に戻るという移動時間も絶対に必要な場合を除けば、時間の浪費とも考えられます。

リモートワークに必要だと思う仕組み

元々パソコンがあれば出来る業務であれば、持ち運び出来るノートパソコンと外でも使えるネット環境を整えるだけで、リモートワークを行うことが出来ます。

問題は、会計資料など紙の資料を取り扱っている場合ですが、こちらも工夫や多少の手間暇は必要となりますが、パソコンがあれば出来る業務とすることは可能です。

・紙の資料をスキャンしてデータ化する
・紙の資料を電子データ化してもらう
・紙の資料がそもそも電子データで取得出来ないか確認する
・・・

これらの方法で、紙の資料をデータ化することで、紙の資料を移動させる必要がなくなります。

大量に紙の資料がある場合には、スキャンするなどは現実的ではありませんが、あらゆる工夫を行った上で、データ化が難しいとなった場合には、無理してリモートワークにする必要はないのかなと思います。

事務所を持たない、完全なリモートワークを目指すのであれば、業務そのものを見直す必要がありますが、リモートワークが出来ないという区分はあってもいいのかなと思います。

リモートワークはあくまで時間を効率的に使うための手段なので、事務所で行う業務というのも一つの手段と捉えて、上手く運用していくことが必要ではないかなと。

紙の資料のデータ化が出来れば、データ共有の仕組みが必要となります。

事務所のサーバーに外部からアクセス出来るようにする、クラウド上でデータを共有するなど、選択肢は色々とあります。

事務所のパソコンを遠隔操作するのであれば、比較的導入のハードルは下がるかもしれません。その辺りは別の記事でも取り上げています。

Chromeリモートデスクトップの遠隔操作でひと手間減らす

あとはハード面での環境整備でしょうか。資料を見ながら、作業することが必要であれば、マルチディスプレイ環境があれば便利な場合もあります。

遠隔操作する場合でも、マルチディスプレイで作業をすることは可能です。こちらも別の記事で取り上げています。

TeamViewerでリモートワーク!接続元PC側もマルチディスプレイ環境で操作するには

せっかくリモートワークを導入しやすい環境になっているので、仕方なくではなく、これを機会に働き方を変えるきっかけに出来れば、より効率的に働くことが出来るのかなと思います。

おわりに

今回は、個人事業主がリモートワークする場合を想定したお話でしたが、雇用されている人にリモートワークを導入する場合には、勤怠管理など別で考えることが出て来ます。

もちろん、組織となれば難しい問題があるとは思いますが、根本的な考え方としては共通する部分があるのかなと思います。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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