単発サービスを有料で希望される場合

無料で受けることが出来るサービスがあれば、それに越したことはないでしょう。

高い方よりも安い方を選ぶというのは、人間の自然な心理なのかもしれません。

しかしながら、そうでもないと感じることがあります。

無料サービスは避ける方向で

税理士の業務の一つに、税務相談があります。

納税者の方に対して、税務に関するアドバイスなどを行うもので、税理士以外は出来ない独占業務のような形になっています。

税務相談に対する税理士の取り組み方は、人それぞれで、事務所の方針にも関わってくるものです。

顧問契約を締結しているクライアント向けに、その顧問業務の範囲内で、税務相談に乗ることをメインにしているところが多いかもしれません。

私自身も税理士事務所に勤務していた時には、顧問先であるクライアントに対して、顧問業務の範囲内で税務相談にも乗るという形を取っていました。

税務相談の範囲がはっきり決まっているわけではないので、どこまでを顧問料の範囲内とするかは難しいところですが、実質的に無料サービスになっているということもありました。

個別の税務相談は受付けていなくても、税理士会や納税協会などからの要請により、無料の税務相談の担当をしている場合もあります。

この時の無料というのは、相談者の方から報酬を受け取らないという意味なので、実際には主催者側から日当という形で報酬を受け取っている場合がほとんどでしょう。

最近では、税務相談に限らず、継続的な顧問業務以外に、単発サービスに力を入れているところも増えてきました。

サービスメニューとして、事務所のホームページに掲げていたり、大々的に宣伝していたり。

時間単位で有料のサービス提供をしている印象が強いですが、なかには無料相談をうたっているところもあったりします。

事務所の戦略的な部分があるので、それらの是非の判断は出来ませんが、私自身は無料サービスの提供は避けたいところだなと考えています。

無料サービスを提供する場合には、ある程度の人員と売上規模が必要となるものであり、今のところは、そのどちらも満たせない、というのが主な理由です。

サービスを提供できる時間には限りがあるので、一つ一つのサービスに時間をきっちり割きながら、それに見合う報酬をいただくというのが、自分のスタンスにも合っているかなと。

有料メニューの打ち出し

そんな考えもあって、開業してから一貫して、無料サービスの提供をしないようにアナウンスするようにしています。

ただ最初から強い気持ちでアナウンス出来ていたわけではなく、仕事がなかなか増えないときには、仕事を獲得するために、「それは無料でいいですよ・・・」と言ってしまいそうになることもありました。

自分がしんどくなることが目に見えているのに、ここは前のめりになった方がいいのか?と迷うことも。

まだ仕事を獲得出来ていないのに、仕事を失うことを恐れていたのかもしれません。

しかしながら、その内自分がやるべき仕事を失っているのではない、と思えるようになってきました。

仕事を選ぶ、というと偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが、ご縁がなかった仕事は、最初から自分がやるべき仕事ではなかったと思うことで、心が安定することもあります。

税務相談などの単発サービスを掲げていると、無料かどうかの確認から入られることもあります。

例えば、事業復活支援金の事前確認の場合。

コロナ関係の支援金の申請時には、税理士等の登録確認機関が事前確認という手続きを行う必要があります。

事業復活支援金の事前確認の依頼について

事前確認の手続きに係る報酬については、登録確認機関の任意とされています。

弊所事務所としては、手続きには一定の手間暇と時間が掛かることを考慮して、有料での事前確認を行うこととしました。

もちろん、事業復活支援金がコロナ禍で影響を受けた事業者支援であることを鑑みて、むやみに高い報酬設定はしていないつもりです。

それでも、問合せいただく中には、報酬の有無を確認いただくことが一定数ありました。

それ自体は、全然問題なく、むしろ事業復活支援金の事務局が報酬の有無の確認を推進しているので、当然の問い掛けではあります。

ただ、こちらのアナウンス不足のところもあり、

「無料で事前確認していると聞いて・・・」

「困っているのに有料なんですか・・・」

といった問合せを受けることもあります。

そういった際にも、事情をきちんと説明して、納得いただいてから、有料で申し込みを受け付けるようにしています。

有料だから選んでいただくことも

無料かどうかという問合せが一定数あるのですが、それと同じぐらい有料だから選びました、というお声を聞くこともあります。

前項の事業復活支援金の事前確認では、大阪市福島区で事業をされている又は在住の方に向けて、特別価格を設定していました。

なので、申し込みとしては、圧倒的に大阪市福島区の方が多かったのですが、中にはそれ以外の地域からの申し込みもありました。

もちろん、面談のご案内をお送りする際に、再度大阪市福島区限定の特別価格は適用できない旨はアナウンスするようにしていました。

しかしながら、それでも構わないということを言っていただくことがほとんどでした。

実際に面談後にお話をお聞きしてみると、有料で正規の値段がよかったということでした。

そこまで深く聞き取りしたわけではないので、あくまで推測ですが、下記のような考えがあるように感じました。


・報酬を支払うからきっちり対応して欲しい

対象者が事業者ということもあり、受けたサービスには対価を支払うことが当たり前という感覚の方が多いのかなと思います。

その上で、値引きを求めるなどサービスに見合わない報酬としてしまうと、受けれるサービスの質が下がるリスクがあることを理解されているのかもしれません。


・このサービスだけを受けたいので、他のサービスの売り込みはやめて欲しい

無料でサービスを提供するには、それなりの理由があります。

本当にボランティアでやっているという場合もあるかもしれませんが、そんなケースは稀でしょう。

多くの場合、他のサービスに繋げることで、元を取るかそれ以上に稼ぐことを意図しています。

そうすると、営業や勧誘を受けるというストレスが発生します。それが本当に今必要なことであれば、時間を割いて検討する価値はありますが、そうそうタイミングよくこちらのニーズに合うとも限りません。

その点、該当するサービスへの対価を支払っておけば、それ以上の営業などは避けやすいとも考えられます。


必ずしもこうした理由だけとは限りませんが、今後も色んな要素を考慮して有料メニューを掲げていく必要があると感じています。

おわりに

色々な問合せを電話で受けていた時には、かなりのダメージを受けていましたが、ホームページからの問合せに切り替えることで、精神的にもフラットに過ごすことが出来るようになりました。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

大阪市福島区を拠点に活動中。
オンラインも活用しているので、対応エリアは問いません。

平日毎日でブログを更新中。

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